ここまでの記事で、
経営分析とはどういうことで、
それから時系列分析や競合他社分析とはどういうことなのか
解説してきました。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
⇒経営分析とは?わかりやすく解説
⇒競合他社分析と時系列分析とは?
ここまでの解説を踏まえて
この記事では収益性分析とはどういうものなのか
わかりやすく解説していきたいと思います。
収益性分析とは?
収益性分析とは、簡単にいうと、利益をどれくらい上手に出せていますか?
ということの分析のことです。
なので財務諸表の中では損益計算書を中心とした分析となります。
損益計算書では売上、費用、利益を見ていきますからね。
で、損益計算書の中でも収益性分析は利益に着目していきます。
ちなみに貸借対照表では資産とか負債といった、
利益とは関係ないものを見ていきますので
収益性分析とは関係がありません。
話を元に戻して
収益性分析では損益計算書の利益を中心に見ていきます。
損益計算書の利益には
・売上総利益
・営業利益
・経常利益
・税引前当期純利益
・当期純利益
がありますね。
このうち、
管理会計の世界では
・売上総利益
・営業利益
・経常利益
まで見ることがすごく多いです。
で、それはなぜかというと
経営活動の内容を利益と評価しようとするなら
経常利益のところまでが基本的な部分になるからです。
経営活動とは社長さんの経営方針とか考え方とか
仕入れ先に関することとか、数字に表れてこない部分のことを指しています。
つまり、定性的な経営分析(広義の経営分析)のことです。
詳しくはこちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
⇒経営分析とは?わかりやすく解説
で、利益を得ようと思ったら
お金を使って商品を仕入れたり開発したりする必要がありますよね。
こんな感じで利益を得る元手となるもの
これを下図の総資本に求めるわけです。
つまり貸借対照表の全体の大きさ、
そこが、経営活動に対する投下資本であって
そこから売上高がどれくらいになり、
売上高からどれくらい利益を残せるのか?
これが収益性分析ということになります。
たとえば総資本を投下資本としてみたときに
経常利益がどれくらい生み出されているか?とみるのが
総資本経常利益率といって、上記図が式となっています。
総資本経常利益率は総資本が分母、経常利益が分子となります。
利益率なので、100倍してパーセントに直してくださいね。
ちなみにもう一度先ほどの図をご覧ください。
上記図の右辺は総資本経常利益率を分解したものです。
で、経常利益を売上高で割ったものを売上高経常利益率と言い、
売上高を総資本で割ったものを総資本回転率といいます。
売上高経常利益率も総資本回転率も中小企業診断士試験に
よく出題されていますので
必ず覚えておいてくださいね。