1次試験

費用逓減産業とは?わかりやすく解説




参考文献・URL
マンキュー経済学ミクロ編・マクロ編

分厚いマンキュー経済学を読み解くのがめんどくさい人は、こちらをおすすめします。
スタンフォード大学で一番人気の経済学入門(ミクロ編) [ ティモシー・テイラー ]
スタンフォード大学で一番人気の経済学入門(マクロ編) [ ティモシー・テイラー ]

前回までの記事で自然独占や規模の経済について解説しました。
自然独占とは?例を挙げてわかりやすく解説
規模の経済とは?例を挙げてわかりやすく解説

自然独占や規模の経済に関係するものに
費用逓減産業(平均費用逓減産業)があります。

この記事では費用逓減産業とはどういう産業なのか
わかりやすく解説していきたいと思います。

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【わかりやすく解説】(平均)費用逓減産業とは?

費用逓減産業とは わかりやすく

費用逓減産業ですから、費用がどんどん減っていくわけですね。
なので上記のような右下がりのグラフになります。

ちなみに限界費用と平均費用のそもそもの意味について
知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
限界費用とは?求め方についても解説
平均費用の求め方

上記限界費用と平均費用を長い期間見ていきましょうというのが
長期限界費用曲線、長期平均費用曲線です。

費用逓減産業における、
今までの限界費用曲線と平均費用曲線とは
違いますね。

今までの限界費用曲線と平均費用曲線は以下のようなグラフでした。

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たとえば今までの平均費用曲線。
ある程度までは逓減していますが
ある程度減ったら、また増加していっていますね。

でも費用逓減産業の場合には規模の経済が働くので
どんどん平均費用は下がっていくわけです。
規模の経済とは?例を挙げてわかりやすく解説

逆に費用逓減産業でない、一般的な産業の場合には
ライバル会社もいます。

規模を大きくしても競争があるので
生産量を増やし続けると、今度は効率が悪くなって
平均費用も増えていくんです。

それから限界費用曲線は平均費用と平均可変費用の最小点を
突き抜けるんでしたね。
費用曲線の書き方についてわかりやすく解説

hiyoukyokunj1120

ではどうして費用逓減産業だと
(長期)限界費用曲線と(長期)平均費用曲線は
ぶつからないのでしょうか?

費用逓減産業とは わかりやすく

費用逓減産業とはどんどん費用が
逓減(少しずつ減っていく)産業のことです。
だから、少しずつ費用が小さくなっていくわけですから
最小点がないわけです。

先ほどもいいましたが限界費用曲線は
平均費用曲線の最小点を突き抜けるわけです。

でも、費用逓減産業だとどんどん費用が減っていくので
最小点がありません。

だから限界費用曲線が平均費用曲線を
突き抜けることができないんですね。

別の言い方をすると以下のグラフでも平均費用曲線が
減っている左側だけを切り取ったのが
費用逓減産業における平均費用曲線だと考えてください。
(限界費用曲線が平均費用曲線を突き抜けるまでの部分)
hiyoukyokunj1120

だから、費用逓減産業では限界費用曲線が平均費用曲線を
突き抜けることはありません。
右下がりのグラフになるってことです。

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費用逓減産業における死荷重

死荷重とは社会的総余剰が減ってしまうことをいいます。
自然独占も独占ですから死荷重が発生してしまいます。

死荷重について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
外部不経済の余剰分析についてわかりやすく解説

ではグラフを見ていきましょう。

自然独占の死荷重

上記グラフで需要曲線Dと切片(横軸が0の時の縦軸)が等しく
傾きが2倍になるのが限界収入曲線MRです。

限界収入についてはこちらの記事で解説しています。
限界収入(MR)とは何か?求め方についても解説

それから生産量は限界収入MRと限界費用MCが一致するところで決まります。
なので、生産量はQ1となります、

ただ価格はP1で決まりません。
生産者側としたらちょっとでも高く売りたいわけです。
なので需要者側の点(需要曲線上の点)で決まるので
価格はP2となります。

ここは独占市場と同じ考え方になります。
「どうしてP2になるんだろう・・・」
と疑問に感じている方はこちらをご覧ください。
独占市場における利潤最大化と価格決定についてわかりやすく解説

では余剰分析をしてみましょう。
【分かりやすく解説】余剰分析とは?

総余剰

上記のように総余剰は赤枠で囲まれた面積となります。
需要曲線は消費者が買いたいなと思う価格です。
そして限界費用は生産者が売っても悪くないと感じる価格です。

なので需要曲線と限界費用曲線の間(差額)というのが
総余剰と考えていただければわかりやすいでしょう。

では上記の総余剰が最適な生産量かというと
そうではありません。

最適な生産量は以下のグラフでQ2となります。
最適な生産量

需要曲線というお客さんが買いたいと思う価格と
限界費用という1単位増やしたときの費用の増加分
の差額は社会的に見ると満足度(余剰)となります。

それが以下のグラフでいうと
ピンクで囲ったところです。

死荷重

だから差額がある分(ピンク枠)だけ余剰が増えます。
なので、ピンク枠というのは、もしQ2で生産をすれば
余剰が増えるけど、現在は赤枠のところしか余剰がありません。

なので、ピンク枠のところが死荷重となるわけですね。

本当だったらQ2のところで最適生産量になります。
すると総余剰が最大になるにもかかわらず
Q1のところで生産量が決まってしまっているために
赤枠だけという形で余剰が小さくなってしまっています。

したがって社会的な総余剰が減少してしまっているわけです。
なのでピンク枠部分が死荷重となります。

こんな感じで自然に任せておくと死荷重が発生してしまいます。
なんとかしたいですね。

でも自然に任せていては解決しないでしょう。
なぜなら会社の利潤はQ1で一番大きくなりますから。
その会社からしてみると自分だけよかったらいいわけです。

Q1より少しでも生産量を増やすと
限界費用と限界収入を比較すると限界費用の方が大きくなってしまいます。

費用の方が多いということは、その分だけ利潤が減ってしまいます。
だから、会社(生産者)は
生産量をQ1より増やす(Q2に近づける)わけがありません。

だから政府が介入して生産量を増やしてもらったり
価格規制をして価格を下げるなどして
余剰を増やす必要があります。

ではどうするのか?
次の記事に続きます。
自然独占における政府の役割について