参考文献・URL
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余剰分析とはどういうことなのでしょう?
『余剰』と余りみたいな単語が入っているので
勘違いされている方もいます。
でも、余剰分析の意味がわかっていないと
別の記事で解説する、余剰分析の問題が
理解できなくなってしまいます。
そうなると中小企業診断士試験や
不動産鑑定士試験に不合格になってしまうかもしれません。
そうならないためにも
以下、ご覧ください。
余剰分析とは?分かりやすく解説
余剰分析とは登場人物の満足の大きさのことです。
登場人物は消費者(お客さん)と生産者(会社)
となることが多いです。
余剰分析の『余剰』は余り(あまり)なので
余計なことのような意味で理解している方もいるかもしれません。
ですが、余剰とは満足の大きさのことです。
たとえば、リンゴを1個200円で買いたいなと思っていたら
スーパーで1個100円で販売されていたら
喜んで買いますね。
しかも200円でなく、100円でりんごを買えたので
「100円得したな」と感じることでしょう。
この「100円得したな」というのが余剰です。
別の表現をすれば、「100円余ったな」ということもできます。
「余ったな」の余りが余剰の余です。
で、この余りが満足につながっています。
で、余剰分析をするために
・消費者余剰
・生産者余剰
を見ていく必要があります。
以下、消費者余剰と生産者余剰についてみていきましょう。
消費者余剰とは?
消費者余剰とはある商品についてお客さんが
払ってもよいと思っている価格と
実際に支払う価格の差のことをいいます。
ところで消費者は商品を買う人です。
だから需要曲線と関係しています。
⇒超過需要とは超過供給とは何か?グラフを使って解説
需要曲線ってこちらのように右下がりになります。
どうして需要曲線は右下がりになるのでしょう?
価格が安いほど、その商品を買う人が増えるからです。
わかりやすく解説するために
それぞれの人がみかんを1つずつ買おうと考えているとします。
絶対に1人2個以上は買えません。
以下のように
需要曲線の例
a君・・・200円なら買う
b君・・・150円なら買う
c君・・・100円なら買う
d君・・・50円なら買う
とします。
これをグラフ上で表すとどうなるでしょうか?
もし、みかんが1個200円だったら
買いたい人は何人いるでしょうか?
a君1人ですね。
ではみかんが1個150円だったら、、、
a君とb君の2人が買いますね。
このように1個100円だったらa君、b君,c君の3人が買いますし
50円だったら4人買いますね。
で、実際はたくさんの人がいるし
61円とか198円と言った感じでたくさんの価格帯があるので
以下のようなグラフが出来上がります。
こうやって右下がりの需要曲線が出来上がるわけですね。
なのでグラフはこのようになります。
生産者余剰とは?
生産者余剰とはある商品について生産者(会社)が
売ってもよいと思っている価格と
実際に販売した価格との差のことをいいます。
先ほど解説した需要曲線は右下がりでした。
供給曲線は一般的に右上がりになりますね。
どうして供給曲線は右上がりになるのでしょう?
理由としては価格が上がるほど、
どんどん売って儲けたいと考える人が増えるからです。
以下のように
供給曲線の例
A社・・・50円なら売る
B社・・・100円なら売る
C社・・・150円なら売る
D社・・・200円なら売る
とします。
前提として1つの会社は1つのミカンしか生産できません。
まず50円だったら、A社しか作りませんから数量は1となります。
100円だったらA社とB社の2社が作るので数量は2となります。
グラフにすると
となりますね。
で、実際はたくさんの会社が存在
72円とか168円と言った感じでたくさんの価格帯があるので
以下のようなグラフが出来上がります。
青線のように供給曲線は右上がりになりますね。
ではこの場合、均衡点(均衡価格)は
どうなるでしょう?
均衡点(均衡価格)は需要曲線(ピンク線)と
供給曲線(青線)がぶつかった点となります。
すると均衡価格は125円となります。
また数量は2.5個となります。
すると、125円で販売されますから
a君(200円なら買う)とb君(150円なら買う)の2人は買いますが、c君(100円なら買う)とd君(50円なら買う)は買いません。
会社側としてはA社(50円なら売る)とB社(100円なら売る)は販売しますが、C社(150円なら売る)、D社(200円なら売る)は販売しません。
消費者余剰のグラフ
ところでa君は200円なら買おうと思っていたのですが、
実際には125円で買えました。
すると、a君は200円ー125円=75円得しました。
b君は150円なら買おうと思っていたのに
125円で買えたので、25円得しました。
この得した分がa君(50円分),b君(25円分)が
それぞれの余剰になります。
で、リアルな世界だったら、
a君とかb君だけじゃなくて、
いろんな趣味・嗜好の人がいます。
細かい人だっていますから
126円でも買いたいと思っていたので
1円得したと思う人だっているでしょう。
なので、こんな感じになりますね。
上記のようにオレンジ色の領域全体が
消費者の満足を表しています。
なのでこの三角形の領域が消費者余剰となります。
生産者余剰のグラフ
次に生産者余剰についてみていきましょう。
A社は50円だったら売ろうと思っていたところ
125円で売ることができました。
ということは125円ー50円=75円得しました。
B社は100円なら売ろうと思っていたところ
125円で売れました。
ということは25円得しました。
なのでグラフとしては、、、
となります。
で、世の中にはいろんな会社があります。
61円なら売りたいところもあれば124円なら
売りたい会社もあります。
なので消費者余剰のように三角形ができます。
こんな感じで下半分に黄緑色の三角形ができました。
この領域が生産者余剰となります。
別の言い方をすると均衡価格(赤色)と
供給曲線(青線)で囲まれた領域が
生産者余剰となります。
そしてこの生産者余剰の領域が
生産者全員の満足度と言い換えることができるわけです。
余剰分析まとめ
以上のように赤色の均衡価格の水平なところと
需要曲線(ピンク線)
で囲まれた領域(オレンジ色)を消費者余剰
といいます。
それから赤色の均衡価格の水平なところと
供給曲線(青線)
で囲まれた領域(黄緑色)を生産者余剰となります。
そして生産者余剰(黄緑色の領域)と
消費者余剰(オレンジ色の領域)を足したものを
総余剰といいます。
ちなみに総余剰が最大になるのは完全競争のときです。
逆に不完全競争だったら総余剰は最大にはなりません。
不完全競争というのは独占市場とか寡占市場のことですね。
今後どうして不完全市場だと総余剰が最大にならないのか?
について解説していきますので、よろしくお願いします。