参考文献・URL
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前回までの記事で外部経済とは
どういうものなのか、
例を挙げて解説してきました。
⇒外部不経済と外部経済とは?例を挙げてわかりやすく解説
それから外部不経済の
余剰分析をしました。
⇒外部不経済の余剰分析についてわかりやすく解説
今回は外部経済のグラフについて
わかりやすく解説していきたいと思います。
外部経済のグラフについて
仮定
外部不経済のグラフでは仮定がありました。
⇒外部不経済の余剰分析についてわかりやすく解説
もちろん外部経済のグラフにも
仮定があります。
外部経済を分析するための仮定
1.完全競争市場である
2.自動運転できる車を追加で1台生産したときの発生する外部経済は一定
3.その他の条件は一定とする
2番の外部経済というのは
自動運転できる車を製造することで、技術革新につながっていき、
車業界以外の業界にもよい影響がでるっていう意味です。
これがたとえば、自動運転できる車を1台製造するごとに、1000円のよい影響が発生すると仮定します。
つまり、1台1あたり1000円の外部経済効果があるってことです。
では外部経済を考慮したグラフについてみていきましょう。
【分かりやすく解説】外部経済を考慮したグラフ
自動運転車が他の業界の技術革新に貢献しているなら
社会的限界費用は私的限界費用よりも下方にシフトします。
外部不経済だと、社会的限界費用の方が私的限界費用よりも
上にありましたね。
⇒私的限界費用と社会的限界費用とは?
でも外部経済の場合には逆になります。
つまり、社会的限界費用曲線の方が私的限界費用曲線よりも下にきます。
1単位作ることに生活が豊かになったり
他の産業が発達するなどの経済の波及効果が1000円あるとします。
なので自動運転車1台あたり1000円だけよい効果がある、
ということは実質的に1000円安いと考えるのと同じことです。
では、外部不経済のときと同じように
グラフから総余剰はどうなるのか、分析していきましょう。
⇒外部不経済の余剰分析についてわかりやすく解説
⇒【分かりやすく解説】余剰分析とは?
外部経済のグラフ(余剰分析)
まず、なにもなければ私的限界費用曲線Xと
需要曲線Dの交点である、Q1で価格が決まります。
とすると、以下のグラフ上だと
消費者余剰はa、生産者余剰はbとなりますね。
⇒【分かりやすく解説】余剰分析とは?
それから、自動運転車1台あたり1000円分好影響が起きているので
その分も総余剰に含めます。
すると、生産量(数量)がQ1ですから
上記グラフの平行四辺形の面積が外部効果となります。
平行四辺形の面積は底辺(1000円分の好影響)×高さ(Q1)でしたね。
だから、外部効果はcとなります。
よくわからない方はこちらで平行四辺形の面積の求め方を解説しているので
ご覧ください。
⇒外部不経済の余剰分析についてわかりやすく解説
で、外部不経済のときは外部不経済分だけ引き算しました。
でも、外部経済(外部効果)の場合には
よい効果が起きているので、cの分だけ足し算します。
したがって総余剰はa+b+cとなります。
ただ、生産量Q1より社会的限界曲線(Y)と
需要曲線(D)の交点であるQ2の方が総余剰は大きくなります。
つまりQ2が最適な生産量になります。
生産量Q2のときの総余剰は上記グラフより
a+b+c+dとなります。
生産量がQ1のときの総余剰はa+b+cでしたが
生産量がQ2のときの総余剰はa+b+c+dなので
やはり、dの分だけQ2の方が最適だということがわかりますね。
外部経済の余剰分析グラフ分析まとめ
外部経済の場合、市場に任せすぎると、Q1しか生産しません。
Q2よりも少ない量なので過少生産ということです。
外部経済を踏まえると最適資源配分は実現していません。
なので市場の失敗が起きているわけです。
以上で解説を終わります。