参考文献・URL
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費用曲線が関係する問題を解いていて
「どうして限界費用曲線はこんなグラフになっているんだろう・・・」
とわからなくて、情けない気持ちになったこと、ありませんか?
限界費用曲線だけでなく
他にも平均費用曲線で合ったり
平均可変費用曲線もそうです。
今回は限界費用曲線などの費用曲線の書き方について
詳しく解説していきたいと思います。
費用曲線の書き方がわかっていれば
関連する問題を解きやすくなります。
それではやっていきましょう。
費用曲線の書き方
費用曲線は、以前解説した
・限界費用(MC)
・平均費用(AC)
・平均可変費用(AVC)
をグラフ上に落とし込んだものです。
⇒平均費用の求め方
⇒平均可変費用の求め方
⇒限界費用とは?求め方についても解説
前回までの内容だとたとえば平均費用では

上記のように総費用曲線上の傾きを利用して
平均費用を表現していました。
でも、今回の内容は傾きではなくて
そのままグラフ上に表現することになります。
まず限界費用から考えていきましょう。
限界費用は総費用曲線上の接線の傾きでした。
⇒限界費用とは?求め方についても解説

すると上記グラフ上で①②③という総費用曲線上の接線の傾きをみると、①が最小です。
②、③と右に行くほど
傾きが少しずつ大きくなっていっていますね。
ですから、限界費用(MC)が最小になるのは①となります。
逆に①より左側の接線の傾きも大きいです。
これを費用曲線でみていくと、

上記グラフのように限界費用は①までの間は
逓減していきます。
少しずつ下がってきていますね。
①のところで一番小さくなります。
それから①をすぎると逓増していきます。
ちなみに逓減とは少しずつ減っていくこと
逓増とは少しずつ増えていくことをいいます。
次に平均費用(AC)をの書き方をみていきましょう。
平均費用(AC)は費用の平均なので
総費用を生産量で割ることで求めることができます。
なのでTC(総費用)÷Q(生産量)で
AC(平均費用)を求めることができるわけです。
グラフでいうと原点からTC(総費用)への直線の
傾きで平均費用を求めることができます。
⇒平均費用の求め方
なので、

上記のように原点から①②③にひいた直線でいうと
③にひいた直線の傾きが最小になります。
ですから、平均費用は③で最小となります。
で、この③の点は限界費用と値が同じになるのですが
わかりますか?
限界費用は総費用に引いた接線の傾きでしたね。

総費用に引いた③の接線と平均費用のために引いた
原点から③に引いた直線と傾きが同じになっています。
なので、費用曲線上では③で平均費用(AC)と
限界費用(MC)が同じになる、つまり交点ができるわけです。

また平均費用は③の後、また原点から引いた直線の傾きが
大きくなります。
なので③の後の平均費用はまた上がっていくわけです。
そんなこともあって、平均費用曲線は
③で限界費用曲線を突き抜けるようなグラフに
なっています。
次に平均可変費用の書き方について解説します。
平均可変費用曲線の書き方
平均可変費用は原点から可変費用上の任意の点
の傾きで求めることができます。
ただ、可変費用のグラフって総費用のグラフと形が
同じになりますね。
単純に水平の固定費(FC)に可変費用がのっかって
総費用になっているだけですから。
これについてはこちらで解説しています。
⇒平均可変費用の求め方
なので、FC(固定費)の生産量が0のところから
総費用曲線上に引いた直線の傾きを求めれば
平均可変費用を求めることができます。

上記のように②まで、少しずつ傾きが小さくなり
②で傾きが最小になり、また少しずつ傾きが
大きくなっていってますね。
なので平均可変費用は②が最小となります。
また、②の点は限界費用の②と数値が
同じになります。

限界費用で作成した接線の傾き②と
平均可変費用で作成した直線の傾き②と
大きさが同じになっているからです。

したがって上のような費用曲線が完成するわけです。
ところで平均費用曲線(AC)の方が平均可変費用曲線(AVC)よりも上にくる理由、わかりますか?
ACというのは平均可変費用と平均固定費用の合計です。
ただ、固定費用は常に一定のため水平ですから
上記グラフに入れていないだけです。
AVCは平均可変費用なだけで平均固定費用が入っていません。
だから、AC(平均費用)の方が固定費用が入っているだけ
AVC(平均可変費用)よりも大きいので
ACの方がAVCよりもグラフ上、上にくることになるわけです。
つまり、AVC(平均可変費用)+AFC(平均固定費用)=AC(平均費用)です。
グラフで示すとこうなります。

上の赤矢印のように
AVC(平均可変費用)にAFC(平均固定費用)がのっかって、AC(平均費用)が出来上がっているんです。
別の言い方をすると
上記赤矢印の距離は平均固定費用だとわかります。
AC-AVC=AFC
ですからね。
固定費用は一定ですから
生産量が増えれば増えるほど、
逓減していきます。
⇒平均固定費用の求め方についてわかりやすく解説
だから赤矢印の距離はどんどん狭くなっていきます。
以上で費用曲線の書き方についての解説を終わります。