参考文献・URL
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⇒スタンフォード大学で一番人気の経済学入門(ミクロ編) [ ティモシー・テイラー ]
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前回、平均費用、平均固定費用、平均可変費用について
解説しました。
⇒平均費用の求め方
⇒平均可変費用の求め方
⇒平均固定費用の求め方についてわかりやすく解説
今回は限界費用とは何か、それから限界費用の求め方について
解説していきたいと思います。
限界費用とは何か?
限界費用の限界についてはここまでで
いろいろ解説してきました。
⇒限界効用と総効用とは?違いと求め方についても解説
⇒限界収入(MR)とは何か?求め方についても解説
⇒限界効用逓減の法則について例を挙げてわかりやすく解説
限界とは1単位増えたらどれくらい別のものが増加するか?
です。
なので限界費用とは生産量を1単位増えたら
総費用がどれくらい増加するか?という意味になります。
限界費用の求め方
限界費用は⊿TC(総費用の増加分)を
⊿Q(生産量の増加分)で
割ることで求めることができます。
上記の⊿(デルタ)は増加量という理解で
大丈夫です。
わかりやすくいうと、限界費用は生産量は1単位増えたときに
どれくらい総費用TCが増えますか?という意味です。
上記グラフでいうとTC(総費用)上の任意の接線の
傾きが限界費用になります。
なので上記グラフでいうと、点アの下にひいたピンク線が
接線となります。
点ウなら黄緑線が接線となります。
この接線の傾きの大きさが限界費用となるわけです。
なので、点アと点ウなら点アの方が接線の傾きが小さいので
点アの限界費用の方が点ウの限界費用よりも
小さいということがわかります。
それからTC(総費用)もVC(可変費用)も同じ動きを
しているので、可変費用から限界費用を求めることもできます。
TC(総費用)は固定費(FC)にVC(可変費用)を加えたものです。
固定費は一定なので、こちらのようなグラフになります。
つまり、TC(総費用)ってVC(可変費用)の曲線に
水平のFC(固定費)を乗っけただけのものです。
だから、TC(総費用)に接線をひこうが
VC(可変費用)に接線をひこうが、
求められる値(限界費用)は同じ値となるわけですね。
限界費用の求め方(例題)
限界費用の例題
書籍を150冊から200冊に増やすことで
総費用が75,000円から100,000円に増加した場合の
限界費用はいくらになりますか?
これは限界費用=⊿TC(総費用)÷⊿Q(生産量)
で求めることができます。
つまり、本の冊数が増加した数と総費用の増加分を考えればよいわけです。
総費用は100,000-75,000円=25,000円、増加しました。
それから本は200-150=50冊増えました。
よって限界費用=25,000円÷50冊=500
なので、1冊あたり500円、これが限界費用です。
限界費用と平均費用の違い
「限界費用と平均費用って何が違うの?」
と質問されることがあります。
ちなみに平均費用はこちらをご覧ください。
⇒平均費用の求め方
平均費用というのは全体で考えています。
でも、限界費用は増加した部分だけで考えています。
先ほどの本の例で、150冊から200冊まで増えた時に
費用がいくら増えたか?というのが限界費用です。
これ0冊から50冊まで増やしたときと
150冊から200冊まで増やしたときでは費用は違います。
150冊から200冊まで増やすときの方が0冊から50冊まで増やすより
費用は安くなることがほとんどです。
で、逆に平均費用だったら200冊というなら
200冊全体で費用を考えます。
なので先ほどの例題を平均費用に当てはめたら
10万円÷200冊=500
この例では限界費用と平均費用の値が同じになりましたが、
計算式はまったく違いますね。
以上で限界費用の求め方についての解説を終わります。