今回は日商簿記2級、工業簿記や
中小企業診断士試験の財務会計で重要な経費の仕訳方法について
解説していきます。
経費の仕訳方法:まずは月割計算をする
1年分や2ヶ月分といった1か月分になっていない経費の場合には
月割計算をします。
そして1か月分の経費にしましょう。
以前の記事で解説しましたが
原価計算では商業簿記と違って1ヶ月単位で動いています。
⇒原価計算期間とは?なぜ1ケ月なの?
経費の中には1年分とか2ヶ月分とか支払われるもの
あるいは計上されるもの、たとえば減価償却費や機械などにかけた
損害保険料などが該当します。
こういった減価償却費や損害保険料などに対して
月割計算をします。
理解を深めるために
一緒に例題を解いていきましょう。
例題
当月の経費の消費額は以下の通りです。
当月の直接経費と間接経費を計算してください。
・外注加工賃:10,000円
・電力料:8,000円(1ケ月)
・損害保険料:24,000円(年間予定総額)
まず直接経費か間接経費かで分けましょう。
見分け方はこちらの記事で解説しています。
⇒外注加工賃が直接経費になる理由
例題では外注加工賃だけが直接経費で
電力料と損害保険料は間接経費となりますね。
問題は減価償却費ですね。
24,000円が年額なので、1か月分にしないといけません。
1年は12ヶ月なので、
24,000円÷12=2,000円(1か月分)
と月割計算をしましょう。
したがって、直接経費は外注加工賃の10,000円
間接経費は電力料8,000円+損害保険料(1か月分)2,000円=10,000円となります。
経費の仕訳方法:仕掛品勘定と製造間接費勘定に分ける
月割計算をしたら次に
直接経費を仕掛品勘定に、間接経費を製造間接費勘定にしましょう。
次の例題で考えていきましょう。
例題2
当月の外注加工賃3,000円を現金で支払いました。
減価償却費(1か月分)は2,000円でした。
直接経費が3,000円で
間接経費は2,000円になりますね。
で、直接経費は仕掛品勘定で処理し
間接経費は製造間接費勘定で処理するんでしたね。
なので、直接経費は
(借方)仕掛品3,000円/(貸方)現金3,000円
となります。
間接経費は
(借方)製造間接費2,000円/(貸方)減価償却累計額2,000円
と仕訳します。
ちょっと違和感を感じた方もいるかもしれません。
仕訳で費用の勘定を使ってないからです。
費用の勘定とは、たとえば、減価償却『費』や水道光熱『費』などの
『費』がつく勘定のことです。
問題を解くとき、直接経費とか間接経費とわかったら
直接経費なら仕掛品にしてしまいます。
間接経費だとわかったら
減価償却費とか水道光熱費ではなく製造間接費として処理します。
以上で解説を終わります。