以前の記事ではSCMについて解説しました。
⇒SCM(サプライチェーンマネジメント)の事例をわかりやすく解説
今回の記事では同じ企業経営理論の範囲で、
しかも用語名が似ているSCPモデルとは何か、
わかりやすく解説したいと思います。
SCPモデルとは?
SCPモデルはちょっと難しいお話になります。
学問的なお話になります。
企業の競争優位を考える上での立場やアプローチが大きく分けて2種類あるという話です。
まず、SCPモデルというのは
企業の業績とか競争力というのはその企業が置かれた産業構造とか
産業の魅力度によって決定されるので、
一番重要なのは魅力ある産業を見出したり、
自分の会社の中で位置づけることです。
これをポジショニングアプローチといったりします。
・Structure・・・産業構造
・Conduct・・・企業行動
・Performance・・・業績との相関
とそれぞれの単語の頭文字をとってできています。
SCPモデルについて理解を深めるために
SCPモデルと対立しているものをご紹介しておきます。
何でもそうだと思いますが、対立軸を理解した方が
理解が深まるはずです。
ではSCPモデルの対立軸は何でしょう?
資源ベースモデルです。
(Resouce Based View~RBVと表すことも)
資源ベースモデルとは企業の業績とか競争力というのは
企業の中にある経営資源によって決定されるというモデルのことです。
なので、すごく重要なことは
戦略的に大事な資源を作ったり、
こういった重要な資源を他の会社から守るということです。
資源ベースモデルの代表例はVRIOがあります。
おおざっぱな学問の流れとしては1980年代くらいまでは
SCPモデルが主流でした。
でも、1990年代くらいから資源ベースモデルが主流になっていきました。
ただ、SCPモデルと資源ベースモデルというのは学問的な話なので
すごく理解しにくい話だと思います。
そこで身近な例を挙げてみたいと思います。
SCPモデル具体例
例えば、世の中にはモテる男性や女性がいますね。
モテる男性や女性というのは競争力が強いわけですね。

他の男性や女性に打ち勝って自分のところに相手が言い寄ってくるわけですから。
例えばあるモテる男性、女性がいるときに
その人はどうしてモテるのでしょう?
あるいはどうやったらモテるようになるのだろう?
と考えた時にアプローチは2つあります。
まず資源ベースモデルだと、
「あの男性、女性がモテる理由はあの人が持っている、
固有の能力とか資源によってモテている」と考えます。
具体的にはすごくきれい、かっこいいとか
すごくスタイルがいいとか、オシャレであるとか
会話スキルが高いとか、そういった固有の能力とか資源によってモテていると考えます。
となると、もし自分がモテたいのならどうすればよいか
というと、オシャレな雑誌でも読んで研究してもよいかもしれません。
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『モテる会話術』みたいな書籍を買って勉強してもよいかもしれません。
ですが、SCPモデルでもモテる方がいます。
これはどういう人か?というと、
ハンサムではないし、オシャレにも興味がないし、口下手。
でも、男性なら女子大学、女性なら共学でもほぼ男性しかいないみたいな大学に
就職したらモテる可能性が高まるでしょう。
別にかっこよくなくてもかわいくなくても
異性が少ないところに行けばモテるでしょう。
こういうのがSCPモデル型の具体例です。
先ほど、1990年代以降、主流なのはSCPモデルではなく、
資源ベースモデルだといいました。
でも、個人的にはSCPモデルと資源ベースモデルなら
SCPモデルの方が簡単なのではないか?と思います。
下手にオシャレだの会話だの頑張るよりは
男性なら女子大、女子高校に、女性なら男性中心の学校に就職した方が
モテる可能性が高いのではないかと思います。
以上でSCPモデルについての解説を終わります。