SCMは『Supply Chain Management』の頭文字から
できた用語で、サプライチェーンマネジメントといいます。
サプライチェーンマネジメントは『サプライチェーン』+『マネジメント』の2つの用語からできています。
サプライチェーンとは商品を作るための部品とか具材などを調達し
実際に作り、作った商品を卸などに輸送し、卸などからお店に配送し
消費者が買っていくまでの一連の流れのことです。
たとえば桃の缶詰ということなら、
桃を農家のおじさんから購入したり、缶詰の原料を購入したりして
桃の缶詰を製造し、卸などに輸送し、スーパーなどに輸送され
お客さんがその桃の缶詰を買うという流れがサプライチェーンです。
次に『マネジメント』は方法とか手法くらいの意味で捉えてください。
なのでSCM(サプライチェーンマネジメント)とは
商品を製造して最終的にお客さんの手に渡るまでのすべての工程において
効率化を実現するための管理手法のことです。
ではここからが本題です。
この記事ではSCMの事例をご紹介したいと思います。
SCMの事例(1)ウォルマート
SCMはもちろんいろんな会社がやっていますが、
うまくやっている会社を例に挙げてみますね。
例えば、アメリカにウォルマートという会社がありますね。
アメリカのスーパーマーケットです。
ウォルマートはあっけにとられるほどすごい会社ですよ。
まず、1997年に売上高が1000億ドルを超えたような会社です。
売上高が世界1位になったこともあるような会社でもあります。
数年前の売上高だと50兆円を超えています。
ちなみにどれくらいすごいか?というと、
トヨタ自動車の2021年3月における売上高は27兆2145億9400万円です。
ウォルマートの最盛期の売上高はトヨタの約2倍あるということです。
あとウォルマートの従業員数もすごいことになっています。
アメリカを含む世界全体の従業員数は230万人だそうです。
宮城県の人口が約230万人なので、
宮城県の人口=ウォルマートの従業員数
ということです。
で、ウォルマートってスーパーマーケットです。
メーカーから商品を仕入れてそれをお客さんに販売するという形態です。
メーカー(在庫)⇒スーパー(在庫)⇒お客さんが商品を購入
スーパーというのは在庫が必要になります。
急にお客さんが缶詰が必要になったりしたら困るので
缶詰の在庫をスーパーは置いておくわけです。
メーカーも同様で、
スーパーから缶詰を10ケース欲しいといわれた時にないと困るから
在庫を抱えています。
つまりお客さんが缶詰を買うまでの供給の鎖の中で
(供給=売る側、需要=買う側)
品切れも困るし、在庫が過剰に余るのも困るので
メーカーとスーパーで密に連絡を取り合って情報共有するわけです。
たとえば、スーパーは缶詰を常時20ケース置いておきたいとして
このことをメーカーに伝えておくことで
メーカーも必要な在庫数を判断できるわけです。
結果、過剰在庫にならずうまく商品を販売できるので
在庫管理にかかるコストを削減できます。
また、メーカーは消費者の購買意欲がわからなかったりします。
実際に商品を販売するのはスーパーです。
なので、お客さんがどういうものを欲しがったりしているのか
メーカーはわかりません。
なので、お客さんと接しているスーパーが
どんな商品をお客さんが欲しているのか?という情報を
メーカーに伝えます。
結果、メーカーもお客さんが欲しがるような製品を開発することができます。
これがSCMの具体例ですね。
SCMの事例(2)コンビニ
あとはコンビニ業界(特にセブンイレブン)もSCMの具体例としてよく取り上げられています。
平均的なコンビニって3000アイテム位あるのですが、
そういった商品をトラックで配送するわけですが大変です。
なぜなら、トラックに積める商品の容積の問題と重さの問題があります。
たとえば4トントラックに載せるなら、4トン以内に商品をおさえないといけません。
トラックの配送を効率化させるためにはトラックのコンテナの中に
2L6本入りの生茶1箱だけ運んだら無駄ですよね。
残りは全部空気だけ運ぶことになりますからね。
できるだけ、トラックにいっぱい積み込みたいわけです。
でも難しいです。
なぜならコンビニで扱っている商品は多種多様だからです。
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たとえば、サッポロポテトというお菓子がありますよね。
これって重さ的に見たら軽いわけですが、それなりにかさばります。
軽いけどかさばるってことは、体重当たりの容積が大きいってことです。
逆に
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コーラといった飲み物って
容積は小さいですが、液体だから重たいですね。
つまりお菓子だけだったらトラックいっぱいに詰め込んでも
重さとしては相当軽いですが、コーラだけだと重さは4tとすぐに上限に達しますが、
トラックの中はスカスカの状態になってしまうわけです。
これを最適な組み合わせを見つけて効率的に配送するというのはすごく難しいです。
セブンイレブンは配送が効率化されています。
昔(1970年代)は1日に70台のトラックがコンビニに商品を卸していたそうです。
これは各メーカーごとにトラックがやってきていたためです。
これが最近では1日にやってくるトラックの台数は約9台だそうです。
1日70台が9台で済むまでに効率化されているということですね。
あとセブンイレブンのトラックは基本的に右折しません。
もちろんどうしようもない場合は右折します。
でも、基本的に大きな交差点では右折しません。
どうしてでしょう?
右折は事故のリスクが高いです。
直進車と衝突事故の危険性がありますからね。
あと渋滞に巻き込まれる可能性もありますから
セブンイレブンでは右折をなるべき避けるルートで配送しているそうです。
つまり最小の右折回数で各店舗に商品を運んでいるということです。
こんな感じで効率化がされていて
SCMの具体例になります。
以上でSCMの具体例についての解説を終わります。