参考文献・URL
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政府支出乗数と減税乗数(租税乗数とも)で経済効果が
強いのはどちらなのでしょうか?
そもそもの政府支出乗数については
⇒乗数効果の計算式
で、
租税乗数(減税乗数)については
⇒租税乗数とは?公式の導出方法についても分かりやすく解説
で解説しています。
政府支出乗数と減税乗数(租税乗数)だとどっちが経済効果が強い?
たとえば政府支出として橋の建設費用1億円支出したとしましょう。
このとき、どれくらい国民の所得ΔYが増えるでしょう?
政府支出乗数は
でしたね。
ΔGが政府支出乗数の変化額、cが限界消費性向、ΔYは国全体の所得の変化額です。
これに対して減税の場合、
となります。
租税乗数(減税乗数)は上記式のように頭にマイナスがつきます。
ですが、今回は減税という税金をマイナスすることを考えるわけです。
租税乗数のマイナスと税金のマイナスをかけ算してプラスになります。
なので、租税乗数に絶対値をつけてプラスという前提で考えていきましょう。
以上を前提に、租税乗数(減税乗数)と政府支出乗数を比較すると以下のようになります。
![政府支出乗数 減税乗数](https://www.management-consultant.info/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
租税乗数(減税乗数)と政府支出乗数というのは等しくありません。
経済効果の観点でみると。
政府支出乗数と租税乗数(減税乗数)の分母は同じですね。
ですが、政府支出乗数の分子が1で租税乗数の分子はcです。
cは限界消費性向で0から1の間で、普通1は含みません。
なので、1とⅽなら1の方が必ず大きくなります。
よって、政府支出乗数と租税乗数だったら
必ず政府支出乗数の方が数字が大きくなるわけですね。
ということは、同じ規模で政府支出を増やしたケースと
減税をやったケースではどっちの方が経済効果が強いでしょう?
結論としては政府支出を増やしたほうが減税をやるよりも
経済効果が強くなります。
なぜなら政府支出乗数も租税乗数も乗数であり、
かけ算だからです。
たとえば政府が1000億円で橋の建設費用を支出したとしましょう。
この場合、
![乗数効果 計算式](https://www.management-consultant.info/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
式は上記のようになります。
仮に限界消費性向が0.7なら、
![乗数効果](https://www.management-consultant.info/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
と3333億円となります。
これに対して1000億円の減税をしたらどうなるでしょう?
![租税乗数](https://www.management-consultant.info/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
上記の式を使うので、限界消費性向が同じく0.7だとすると
⊿Y=-0.7/(1-0.7)×(-1000億円)=約2333億円(Yが増える)
となります。
同じ1000億円でも、政府支出の場合3333億円で減税の場合2333億円なので
やはり政府支出の方が経済効果が大きいですね。
以上で解説を終わります。