参考文献・URL
マンキュー経済学ミクロ編・マクロ編分厚いマンキュー経済学を読み解くのがめんどくさい人は、こちらをおすすめします。
⇒スタンフォード大学で一番人気の経済学入門(ミクロ編) [ ティモシー・テイラー ]
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今回は加速度原理についてわかりやすく解説していきます。
加速度原理について理解するためには
資本係数vの理解が必須になります。
資本係数vの記事をご覧になっていない方は
先にこちらの記事をご覧ください。
⇒資本係数vについてわかりやすく解説
加速度原理についてわかりやすく解説していきます
加速度原理の公式を導き出すために
まず資本係数の式をご覧ください。

前回の記事でも解説しましたが
古典派は資本係数vは変動しますが
ケインズ派は変動しないんでしたね。
⇒資本係数vについてわかりやすく解説
ところで資本係数vの式に対して両辺にYをかけることで

と
K=vYと変形することができますね。
たとえば資本係数v=2として
Y=300コ(生産量)としましょう。
すると
K=2×300=600
となります。
これは1個作るのに300台機械が必要なわけです。
分からない方はこちらをご覧ください。
⇒資本係数vについてわかりやすく解説
300コ作るためには300×2=600台
600台の機械が必要だということです。
ここで変化量を⊿(デルタ)としますと、

となります。
ちょっとわかりにくいかもしれませんね。
たとえば、生産量の増加量を5コ増やさないといけないとしましょう。
(去年200コだったけど今年は205コみたいな感じです)
資本係数vは2とします。
これは生産量1コにつき2台機械が必要ってことです。
ということは
5コ生産量を増やすのに機械が5×2=10台必要とわかります。
ということは⊿K=2×5=10台
なので増やすべき機械の数は10台ということです。
(機械が去年まで5台だったのなら今年は15台必要ってことです)
ここからが重要です。
増やすべき機械の数⊿Kは投資Iと同じですね。
投資というのは新たに機械を増やすことなので
買ったり借りたりすることをいいます。
つまり、投資した分だけ資本量(機械K)は増えます。
すると結局
投資量I=v⊿Y
となり、投資量というのは
生産量の増加⊿Yに資本係数をかけたものになります。
なので投資量は国民所得の増加分に比例するといえます。
ここまで理解できたか例題
以下はあってますか?
投資量は国民所得と比例する
例題は間違いです。
国民所得Yが大きくても
去年の国民所得Yと今年の国民所得と同じだったら
投資は必要ありませんね。
つまり新たに機械を買う必要がないってことです。
去年よりも生産量が増えた分だけ(国民所得が増えた分だけ)
投資量が増えるわけです。
国民所得Yは生産量ですから
生産量の増加に比例して投資を増やさないといけないので
生産量の増加によって投資が増えるわけです。
そしてこのことを加速度原理っていいます。
つまり加速度原理とは
I=v⊿Y
のことで、
投資Iは国民所得の増加量(⊿Y)と比例するという考え方のことです。
vは一定という前提がついているので
この考え方はケインズ派の考え方になります。
加速度原理のメリットとは?
ケインズの限界効率の考え方はかなり細かく正確に考えます。
⇒資本の限界効率とは?わかりやすく解説
正確に考えるので面倒くさいわけです。
逆に加速度原理の考え方はざっくりした考え方が
できるというメリットがあります。
どういうことかというと
パソコンの工場を建設しようというときに
「来年だいたい2倍くらいに規模が増えそうだから
設備を買っておこう」的な発想をするってことです。
需要見込みに応じて設備投資していくような
ざっくりした考え方をするのが加速度原理です。
これが加速度原理のメリットです。
加速度原理のデメリットとは?
たとえばパソコンの販売量が来年2倍になりそうだからといって
設備投資額も2倍にしてしまったけど
予想が外れてまったく売れなかったら・・・
大赤字になってしまいますね。
下手したら会社が倒産してしまうでしょう。
これが加速度原理のデメリットです。
以上で加速度原理についての解説を終わります。