参考文献・URL
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今回は経済成長理論の中でも
ソローモデルとは何か、解説していきたいと思います。
ソローモデルとは?わかりやすく解説します
ソローモデルは
Y=F(K,L)
(Y:生産量、K:資本量、L:労働量
で表されます。
Yは国民所得を意味することが多いですが
ここでは生産量です。
「まぎらわしいから他の文字にした方がいいんじゃないの?」
と思った方もいるかもしれません。
ですが三面等価の原則から国民所得と生産量は一致します。
⇒三面等価の原則をわかりやすく解説してみた
だからYを国民所得としようが
生産量としようが、特に問題はありません。
こちらの式は
ソローモデル
Y=F(K,L)
(Y:生産量、K:資本量、L:労働量
資本量と労働量の変化によって生産量が変わってくる
ということを意味しています。
【わかりやすく解説】ソローモデルとは?
先ほどの式、
ソローモデル
Y=F(K,L)
(Y:生産量、K:資本量、L:労働量
をL(労働量、労働者数)で割ると、労働者1人あたりの式になりますね。
たとえば、距離を時間で割ったら
1時間当たりの距離になりますよね。
これと同じで生産量Yを労働量Lで割ったら
Y/Lとなり、1人当たりの生産量に変わりますね。
1人の人がどれだけ商品を作るのか?ってことです。
資本量Kについても同様に
労働量Lで割れば、1人あたりの資本量になりますね。
このことを資本労働比率といいます。
ソローモデルのグラフ
ここまでの内容を前提にグラフを書いてみますと、、、
![ソローモデルのグラフ](https://www.management-consultant.info/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
となります。
上のグラフは資本の限界生産力逓減を前提とします。
資本の限界生産力とは1人がk台の機械(資本)を利用して
y個の製品を生産するという意味です。
横軸のkはK/L(1人あたりの資本量)です。
縦軸のyはY/L(1人あたりの生産量)です。
![ソローモデルとは](https://www.management-consultant.info/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
たとえば1人あたり3台の機械(k1)を使って
6個(y1)生産するという感じです。
で、資本の限界生産力が逓減するということは
1台だったら8個、2台なら12個、3台なら14個みたいな感じで
機械の台数を増やせば増やすほど
生産力が減っていくという意味です。
どうして資本の限界生産力は逓減していくのでしょう?
1台なら8個だから2台使えば倍の16個作れそうですよね。
でも12個しか作れないわけです。
1人の人間が2台の機械を使っても意識が分散しますし
効率よく製品を作ることって現実的に難しいわけです。
![限界生産力逓減](https://www.management-consultant.info/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
1人の人間が1台の機械で10個ケーキを作れるからといって
2台に増やしても20個のケーキは作れません。
1台の機械に集中している間、
2台目の機械に具材を投入することはできませんからね。
焦ってミスするかもしれませんし。
だからソローモデルでは資本の限界生産力は
逓減していくと仮定します。
こちらのグラフのピンクのように
![ソローモデル](https://www.management-consultant.info/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
1台で8個、2台で12個、3台で14個
というふうに少しずつ傾きが小さくなっていくので
曲線のグラフになります。
で、ソローモデルのグラフは
という式が導かれます。
n(労働成長率)は人口がどれくらい増加するか?
という意味合いです。
それからs(貯蓄率)は銀行に預けられたお金を
企業に貸す結果、企業は機械や建物などに投資しますから
投資量に影響してきます。
あとソローモデルで大事なところとして
2つのグラフの交点(赤丸)が定常状態になるってことですね。
定常状態とはどういう意味かというと、
横軸においてk1という定常状態より左側にあっても
放っておくと、定常状態のk1に落ち着くってことです。
たとえば機械が1台(k1より左側)であっても
最終的にはk1になります。
逆にk1より右側にあっても
やはりk1に落ち着きます。
ソローモデル試験対策
ソローモデルは中小企業診断士試験で
出題されたことがあります。
どんな問題が出題されたか?というと
![ソローモデル](https://www.management-consultant.info/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
の式で、傾きが大きくなったら
定常状態k1はどのように変化するか?
みたいな問題です。
k1はどのように変化すると思いますか?
傾きが大きくなるということは、、、
オレンジ線に注目してください。
傾きが大きくなることで、
y=f(k)との交点が、横軸はk1が左側(値が小さくなる)に移動し
縦軸は1が下側(値が小さくなる)に移動していますね。
ちなみに
の傾きってどういうときに大きくなるでしょう?
傾きはn/sのところですね。
なので分子のn(労働成長率)が大きくなるか、
分母のs(貯蓄率)が小さくなれば
傾きが大きくなりますね。
これだけわかっていればソローモデルは十分だと思います。