今回は個体群生態学モデルとはどういうモデルなのか、
わかりやすく解説していきたいと思います。
ちなみに中小企業診断士試験的には
2008年くらいに出題されています。
個体群生態学モデルとは?
個体群生態学モデルはハナン=フリーマンという人が提唱したモデルです。
これは生物学の考え方を組織論に応用するという理系の考えを文系に持ってきたような
文系の人も理系の人もどっちも「???」となりやすい考え方になります。
個体群生態学モデルはコンティンジェンシー理論に対して批判的です。
⇒コンティンジェンシー理論とは?わかりやすく解説
コンティンジェンシー理論というのは環境が変われば
変わった環境に合わせて(環境に適応して)組織も変わるという理論です。
ですが、個体群生態学モデルでは組織には慣性(かんせい)があると考えます。
慣性というのは物理だと『慣性の法則』が有名ですね。
慣性の法則についてすごくわかりやすい動画を見つけたので
シェアしておきますね。
話を元に戻して組織にも個体群生態学モデルでは組織慣性があると考えます。
どういうことか?というと、環境適応には限界があるってことです。
つまり、コンティンジェンシー理論が説くみたいに
環境が変われば組織が適用として変わるというけど、
実際には限界があるということです。
たとえば10億円かけて工場を建設してしまったら
急に工場を使わず、自社で製造せず海外から商品を輸入して販売する組織に
適用なんてそう簡単にはできないでしょう。
ところで、環境適用には個体と個体群で分けて考える必要があります。
個体というのはイコール個人です。
1人1人ってことですね。
これに対して個体群というのはなんらかの属性をもったグループのことを指します。
属性にはいろいろあります。
同じ高校内でも理系の属性の人もいれば文系の属性の人もいますね。
温泉好きが集まるグループ(属性)もいれば、
サウナ好きが集まるグループ(属性)もいます。
こんな感じで何らかの同じ属性でグループ化したものを個体群といいます。
そして個体群生態学モデルでは環境適用というのは個体ではなくて個体群のレベルで生じると考えます。
たとえば、地球の温暖化が進んで
海面がどんどん上昇してきて陸地がなくなってきたとしましょう。
そんな状況で1人(個人)ができる環境適用には限界があるわけです。
海面が上昇してきて陸地がなくなってきたら
他の人を差し置いてでも、
自分だけ山に向かっていくことくらいしかできないでしょう。
でも山に行ってもその人に狩猟能力などの
サバイバル能力がないと食料がなくなり生きていけません。
じゃ、結局どういう人が生き残るのかというと
サバイバル能力に長けた人物でしょう。
筋肉がムキムキで体力があるような人の方が
山での生活なら生き残りやすいでしょう。
かといってやはり1人だと野生動物(熊)に襲われて命を落とす危険性も高いです。
ですので、サバイバル能力に長けた人たちがグループを作って
生きていった方が生き残りやすいといえます。
この例ではサバイバル能力に長けた属性(グループ)の人が
環境に適用して生き残っていくわけです。
こ個までの考え方を取り入れたのが個体群生態学モデルです。
つまり組織が環境適用して残るわけじゃくて
同じような属性を持っている組織群のタイプが生き残ると個体群生態学モデルでは考えます。