中小企業診断士試験の経営法務や公務員試験の経営学を勉強中の方に向けて
株主代表訴訟とはどんな訴訟なのか、
解説したいと思います。
あくまで株主代表訴訟の試験対策であったり、
「株主代表訴訟とはどんな訴訟なのか?」
気になる方向けの記事になっています。
実際に株主代表訴訟を起こされる方や起こそうか検討している方は
弁護士さんが執筆しているサイトをご覧ください。
おすすめはこちらです。
⇒ロア・ユナイテッド法律事務所公式ホームページ
株主代表訴訟とは?
株主代表訴訟は会社法847条の規定による訴訟のことです。
株主代表訴訟とは取締役、執行役等が会社に損害を与えている場合に、
株主が会社に代わって取締役、執行役等の経営責任を追及する訴訟のことです。
ここでは執行役と書いてますね。
執行役員ではありませんからね。
執行役と執行役員は違います。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
⇒執行役員と取締役だとどちらが上?
株主代表訴訟はコーポレートガバナンスを強化するために
認められた訴訟です。
コーポレートガバナンスは企業統治のことです。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
⇒コーポレートガバナンスとは?わかりやすく解説
株主代表訴訟の理解を深めるために
もう少しかみ砕いて解説しますね。
たとえば、取締役が会社に対して莫大な損害を与えてしまったとしましょう。
会社は法人格を持っています。
人間に人格を持っているということと同じです。
人格を持っている=訴える、訴えられるが可能という意味です。
たとえば1人1人の人間も他人を傷つけたり傷つけられたら
訴えることもできますし、訴えられることもできます。
これと同じで会社にも法人格があるので
訴えることも訴えられることもできます。
取締役が会社に損害を与えたのなら、
訴えないといけないのは取締役です。
取締役が会社の経営をやっているからです。
でもこれは期待できません。
なぜでしょう?
会社の経営をやっているのは取締役で
取締役が会社を訴えるというのは
自首しているようなものですね。
自分で自分の犯した過ちを認めるようなものになります。
そんな人、なかなかいないでしょう。
自分の過ちを認めるだけで済めばいいですけど
何億円のお金を支払わないといけないかもしれませんから。
だから取締役に変わって株主が取締役を訴えるというわけです。
これが株主代表訴訟です。
ここまで解説したことのまとめをしていきますね。
たとえば、取締役の責任で経営がうまくいかず
会社が大損した場合、会社には法人格があるので
会社が取締役を訴えるべきです。
ただ、会社の経営者は取締役です。
自分で自分を訴えることと同じことになります。
そんなことできる人ってできないでしょう。
だから会社に代わって株主が訴えるわけです。
これが株主代表訴訟です。
ただちょっと気を付けておいてほしいのは
株主は取締役の責任を株主代表訴訟によって追及することができます。
でも、前回の記事で解説した執行役員。
⇒執行役員と取締役だとどちらが上?
執行役員は株主代表訴訟の対象になっていません。
執行役員を訴えることができないってことです。
執行役は対象です。
あくまでも執行役員はソニーが作ったもので
会社法に規定はありません。
最後に株主代表訴訟は6か月前から引き続き株式を有する株主に限って認められています。
たとえば、3週間前に突然株主になって、
そこで株主代表訴訟を起こすことはできません。
以上で株主代表訴訟についての解説を終わります。