前回の記事ではレビンのリーダーシップ論について
解説しました。
⇒レビンのリーダーシップ論についてわかりやすく解説
今回はリッカートさんによるミシガン研究について
解説したいと思います。
目次 [hide]
リッカートのミシガン研究とはどんな研究だったの?

リッカートさんが中心になって行ったミシガン研究では
リーダーシップと生産性の関係について
どんなリーダーだったら生産性が高いか低いか、
関係性を研究する実験です。
そしてミシガン研究では3つの変数について分けて考えました。
3つの変数とは
1.原因変数
2.仲介変数
3.結果変数
のことです。
たとえば部活。
新しく部活のキャプテンが決まったとしましょう。
「あのキャプテンだったら、この部活に入部したいな」
みたいな感じでみんなが参加したくなるようなリーダーシップを
参加的リーダーシップと言います。
こんな感じのみんなが参加したくなるような
リーダーシップを発揮してくれればモラルが高まって
みんなの生産性がアップするとわかりました。
ところが次に就任した部活のキャプテンは部員の意見を聞いてくれないとしましょう。
その場合、モラルが低下して生産性が下がるとわかったんです。
ここで、みんなが参加したくなるような
あるいは参加したくなくなるような参加的リーダーシップが
原因変数で、モラルが高まったり低くなったりするのを仲介変数といって
生産性が向上したり低下したりするのを結果変数といっています。
こんな感じで原因変数、仲介変数、結果変数というのを使って
リーダーシップと生産性の関係を考えたものが
リッカートのミシガン研究です。
リッカートのミシガン研究:システム4とは?
リッカートのシステム4はシステムフォーと読みます。
「よん」ではありません。
で、システム4としてリーダーの行動様式に関して4つの
分類を行いました。
4つの分類とは
・システムⅠ
・システムⅡ
・システムⅢ
・システムⅣ
です。
システムⅠは独善的専制型で、本当に自分勝手に
自分で決めてしまうタイプです。
システムⅠだと従業員満足度は低くて生産性は
ほとんど上昇しません。
システムⅡは温情的専制型で、
一応人のいうことは聞くけど、結局自分で決めてしまうタイプです。
システムⅢは相談型でみんなと相談します。
システムⅣは集団参画型で
従業員満足度、生産性ともに高くなります。
生産などの業績を評価して、長い目で見ると
集団参画型が一番よいとミスがん研究の結果わかりました。
なのでシステムⅣの集団参画型が
みんなが集団に参加したくなるようなリーダーだということですね。
リッカートのミシガン研究:連結ピンとは?
まずこちらの図をご覧ください。
この図はある一つの大きな集団だったとしましょう。
すると、この集団をいくつかの階層に分けます。
ここではロワー、ミドル、トップに分けるとしましょう。
さらにそれぞれをピラミッドの組織のグループに分けます。
連結ピンというのはオレンジ色の丸のところです。
つまりどういうことかというと
連結ピンというのは、上記図のそれぞれの三角形が一つの集団です。
上の集団と下の集団をつなげるという、つなげるところが連結ピンです。
下の集団のトップ、上の集団の一番下にくる人間が
連結ピンと呼ばれていて、この人が、
上の三角形の集団と下の三角形の集団をつなぐ
橋渡しの役割を演じてくれているということで、
組織というのはこの連結ピンに当たる人の役割がすごく大事だと考えました。
くどいようですが連結ピンは
下のグループのトップであり、上のグループの一番下の人です。
この連結ピンに当たる人が全体の組織の中では
重要な役割を演じるはずですよと考えたのが
リッカートの連結ピンという考え方で、ミシガン研究の1つです。
専門的にいうとこの連結ピンの考え方を
多元的重複集団構造といいます。
要するに下の三角形と上の三角形が一部重なってしまう(重複)ことから
多元的重複集団構造といいます。
リッカートのミシガン研究:支持的関係の原則
たとえば部下の名前を覚えるとか
部下の悩みを聞いてあげるといった
仕事とは関係ない動機を非経済的動機といいます。
逆に経済的動機というのは給料とかそういったものです。
で、リッカートは部下の非経済的動機を満たすように
上司が行動すると、部下が自分の価値を認めてくれたと感じて
上司に対して協力的な態度をとるという研究結果を出しました。
部下というのは自分の名前を覚えてくれたとか
それだけで、自分が認められたと思ってしまうってことです。
結果、上司に対して協力的な態度をとるとリッカートは考えたんですね。
以上で解説を終わります。
次の記事ではオハイオ研究について解説します。