参考文献・URL
マンキュー経済学ミクロ編・マクロ編分厚いマンキュー経済学を読み解くのがめんどくさい人は、こちらをおすすめします。
⇒スタンフォード大学で一番人気の経済学入門(ミクロ編) [ ティモシー・テイラー ]
⇒スタンフォード大学で一番人気の経済学入門(マクロ編) [ ティモシー・テイラー ]
今回はエッジワースの箱と契約曲線について解説します。
エッジワースの箱は無差別曲線の知識が前提になります。
なので、まだ無差別曲線について学習していない方は
こちらを先にご覧ください。
⇒無差別曲線とは何か?分かりやすく解説
⇒無差別曲線5つの性質とは?
⇒無差別曲線の性質と関係する限界代替率とは?
それでは本題に入っていきましょう。
エッジワースの箱
エッジワースの箱は無差別曲線の応用になります。
普通の無差別曲線は上記のグラフでいうと黄緑色の曲線です。
左下が原点になっています。
これに対してエッジワースの箱は、、、
先ほどの無差別曲線のグラフを
2つ分重ねたようなグラフになります。
左下からのY君の無差別曲線に
もう1人X君の無差別曲線を逆さから合体させたものが
エッジワースの箱です。
エッジワースの箱の見方
まず上の図の点Aをご覧ください。
点Aから右側へ行けば行くほど
Y君がビールを飲む量が増えます。
逆に左へ行けば行くほど
X君がビールを飲む量が増えます。
ややこしいのですが横で見ていったときには
上の図のように点Aより左側はY君が飲んだビールの量になり、点Aより右側はX君が飲んだビールの量になります。
で、オレンジ線全体は
飲んだビールの合計となります。
次に縦で見ていきますと、、、
下から点AまでがY君が飲んだ焼酎の量です。
それから点Aから上までがX君が飲んだ焼酎の量です。
また上に行けば行くほどY君が飲んだ焼酎の量が増え、
そして下に行けば行くほど、X君が飲んだ焼酎の量が増えます。
なので縦軸というのはX君とY君が
飲んだ焼酎の量の合計となります。
それからこれは無差別曲線の知識が必要になりますが、、、
⇒無差別曲線とは何か?分かりやすく解説
⇒無差別曲線5つの性質とは?
⇒無差別曲線の性質と関係する限界代替率とは?
上記図のようにY君の無差別曲線は
右上に行けば行くほど効用が高いです。
効用の意味について知りたい方は
こちらの記事をご覧ください。
⇒効用とは何か?経済学の視点からわかりやすく解説
逆にX君は、右上が原点です。
なので、
左下に行けば行くほど効用が高くなります。
それから、まだ以下の図はパレート最適ではありません。
なぜパレート最適ではないのでしょう?
ちなみにパレート最適とは誰かの満足を犠牲にしないと
他の誰かの満足を高めることができない状態のことです。
詳しくはこちらをご覧ください。
⇒【分かりやすく解説】パレート最適とは?
以下の図をご覧ください。
上記図のようにX君もY君も点Aまで
まだまだ効用を高めることができます。
しかもX君が効用を高めるのに
Y君のビールを奪う必要がありません。
だから上記図の状態ではまだ
パレート最適ではないわけです。
ということで、パレート最適になるのは、
X君とY君の無差別曲線が接するところとなります。
別の表現をすると、限界代替率が等しい時に
パレート最適な状態になります。
⇒無差別曲線の性質と関係する限界代替率とは?
ここでは簡単に説明しますが、
限界代替率は無差別曲線の傾きで表すことができます。
で、X君とY君の限界代替率が等しいところは
契約曲線とは?
「じゃ、パレート最適になる場所って1つなんですか?」
と疑問に感じた方もいるかもしれません。
そんなことはありません。
パレート最適になる場所はたくさんあります。
上のようにA、B、C、Dみんなパレート最適です。
で、上記パレート最適になっている
A、B、C、Dの点を結ぶと、、、
原点から対角線上に
パレート最適な点を線で結ぶことができます。
この線のことを契約曲線といいます。
言い換えると契約曲線とはエッジワースの箱において
パレート最適な点の集合のことです。
以上で解説を終わります。