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前回の記事で最適消費点とは何か?
解説しました。
⇒最適消費点とは?わかりやすく解説
今回の記事では最適消費点(最適消費量)の求め方について
詳しく解説していきたいと思います。
最適消費点の特徴
まず予算制約線があって、縦軸切片P,横軸切片がQとします。
もちろん予算制約線は直線です。
⇒なぜ予算制約線は直線になるの?
それからピンク色の線は無差別曲線Uです。
予算制約線と無差別曲線Uが接する点が最適消費点Rです。
⇒最適消費点とは?わかりやすく解説
ところで、上記最適消費点より左側に存在する無差別曲線の傾き(青い線)って
どんな感じでしょう?
また、最適消費点より右側に存在する無差別曲線の傾き(オレンジ線)って
どんな感じでしょう?
上のグラフをご覧ください。
最適消費点より左側に存在する無差別曲線の傾き(青い線)は急で
最適消費点より右側に存在する無差別曲線の傾き(オレンジ線)は緩やかですね。
無差別曲線Uは明らかに曲線ですから
点Sからだんだん傾きが緩やかになっていくんです。
そしてここがかなり重要なのですが
予算制約線と無差別曲線が接する瞬間(最適消費点)、
予算制約線の傾きと無差別曲線の傾きが一致します。
最適消費点である接点Rでは
無差別曲線Uの傾き=予算制約線の傾き
です。
最適消費点の求め方
先ほど、
最適消費点である接点Rでは
無差別曲線Uの傾き=予算制約線の傾き
だと解説しました。
無差別曲線Uの傾きって
限界代替率です。
⇒無差別曲線の性質と関係する限界代替率とは?
限界代替率とは
ある財(X財)の消費量を1単位増やした場合、
同じ効用(満足度)を維持するために
もう1つの財(Y財)を何単位減らせるか?
という意味です。
減らせるか?だから限界代替率はマイナスがつきます。
それから予算制約線の傾きは
-Px/Py
でしたね。
⇒予算制約線の傾きについてわかりやすく解説
よって
無差別曲線Uの傾き=予算制約線の傾き
というのは
マイナス限界代替率=-Px/Py
両辺ともにマイナスがついているので
マイナスを消去しますと、
限界代替率=Px/Py
となります。
ところで限界代替率って限界効用と同じです。
⇒限界効用と総効用とは?違いと求め方についても解説
どうして限界代替率=限界効用なのでしょう?
たとえば限界代替率が3だとしましょう。
限界代替率が3というのはxが1個増えたら
元の効用に戻るためにyが3個減らないといけないという意味です。
これってこの状態の人にとって
x1個とy3個が同じ価値といえます。
これに対して限界効用(1個当たりの満足度の増加分)は
xはyの3倍高いといえます。
x1個でy3個分の満足度が得られるということです。
たとえばxが寿司のトロで、
yが寿司のかっぱ巻きみたいな感じです。
これは人によって違うでしょうが
トロ1個の満足度(x)とかっぱ巻き3個の満足度(y)が同じ状態
を意味しています。
ということは限界代替率と限界効用と
同じ意味だとわかりますね。
ところで限界代替率=限界効用、
無差別曲線Uの傾き=予算制約線の傾き
ですから、
となり、加重限界効用均等の法則が成り立っていますね。
⇒加重限界効用均等の法則とは何かわかりやすく解説
最適消費点(最適消費量)を求める問題が出題されたら
加重限界効用均等の法則が成り立つという結論を覚えておけば
太刀打ちできるはずです。
では実際に最適消費点(最適消費量)の例題を解いて
理解を深めていきましょう。
最適消費点(最適消費量)の求め方
例題
ある消費者の限界効用がU=XY(U:効用水準、X:Xの消費量、Y:Yの消費量)で表されるとします。
この消費者が12000円の予算ですべてX財、Y財の2財の購入のために支出します。
X財の価格は400円、Y財の価格は800円であるとします。
このとき効用最大化をもたらすX財の最適消費量は?
上記例題を加重限界効用均等の法則を使って求めてみましょう。
まず、予算制約式を作りましょう。
予算制約線の式
M=Pxx+Pyy
M:予算
Px:財Xの価格
x:財Xの消費量
Py:財Yの価格
y:財Yの消費量
ですから、
12000=400X+800Yとなりますね。
U=XYです。
Xの限界効用というのはYの量を定数扱いとして
Xだけで微分しましょう。
つまりU=XYのYが5とか6といった数字だと思ってください。
たとえばU=5Xを微分すると5になりますね。
この要領でU=XYを微分するとYになりますね。
(5がYになっただけです)
これをMUX=Y
と表します。
逆にXを定数としてU=XYを微分すると
Xになりますね。
これはMUY=X
と表すことができます。
これを先ほどの加重限界効用均等の法則の式に代入しましょう。
Y/400=X/800
となりますね。
上記式と予算制約線の式
12000=400X+800Yより、
連立方程式となりますので、
400X=12000-800Y
両辺を400で割って
X=30-2Y
これをY/400=X/800に代入して
Y/400=(30-2Y)/800
両辺に800をかけて
2Y=30-2Y
4Y=30
Y=7.5
となります。
Y=7.5をX=30-2Yに代入すると
X=30-15
X=15
Xの最適消費量は15だとわかりましたね。
こんな感じで加重限界効用均等の法則を利用することで
最適消費量(最適消費点)を求めることができますよ。