前回までの記事で企業価値について
それから企業価値を計算するための配当割引モデルについて
解説してきました。
⇒企業価値とは?3つの定義それぞれ解説
⇒配当割引モデルとは?計算式についても分かりやすく解説します
今回の記事では例題を使って
企業価値の計算方法について解説していきたいと思います。
企業価値の計算方法(例題)
例題
おもちゃを販売している株式会社があります。
この会社の1年後の配当は10,000円、その後毎年5%の成長が永続すると見込まれているとします。
で、割引率が年9%だとすると、企業価値はいくらになりますか?
配当割引モデルを使って回答してください。
例題は配当割引モデルを使って企業価値を求める問題になります。
もちろん、以前の記事で解説しましたように
企業価値には広義の企業価値と狭義の企業価値があります。
この問題は狭義の企業価値の中でも
『1年後の配当は10,000円、その後毎年5%の成長が永続する』という条件から
『一定成長モデル』を使うことがわかりますね。
もし「???」という方は
⇒⇒配当割引モデルとは?計算式についても分かりやすく解説します
をご覧ください。
企業価値の計算方法(実際に解いてみましょう)
もう一度、例題を掲載しますね。
例題
おもちゃを販売している株式会社があります。
この会社の1年後の配当は10,000円、その後毎年5%の成長が永続すると見込まれているとします。
で、割引率が年9%だとすると、企業価値はいくらになりますか?
配当割引モデルを使って回答してください。
上記例題はこちらの図に示す計算式で解きます。
PV0は理論株価です。
D1とは1年目の1株当たりの配当ということです。
D1を(r-g)で割ります。
rは割引率、g成長率です。
それから例題では『1年後の配当は10,000円』と書かれていますが
これは配当総額だと理解してください。
配当総額=1株当たりの配当×発行済み株式数
であることから、
D1の部分に配当総額である10000円を入れれば
PV0(理論株価)は発行済み株式数を掛け合わせた数字になるので
企業価値と言えるわけですね。
前の記事で書きましたが
企業価値には広義の企業価値と狭義の企業価値があって
総資本の時価総額=企業価値という考え方がありますからね。
⇒企業価値とは?3つの定義それぞれ解説
なので、例題を実際に解いてみると
企業価値(理論株価×発行済み株式数)=10000円÷(0.09-0.05)
=10000÷0.04=250 000
答え)250,000円
となりますね。
企業価値の計算は中小企業診断士試験でよく出題されますので
しっかりと復習していきましょう。
⇒企業価値とは?3つの定義それぞれ解説
⇒配当割引モデルとは?計算式についても分かりやすく解説します
以上、参考にしていただけるとうれしいです。