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1次試験

製造間接費配賦差異の仕訳手順




前回の記事で予定配賦額の求め方について解説しました。
予定配賦額の求め方

予定配賦額を求めた後に
実際の配賦額がわかるわけですね。

次に予定配賦額と実際配賦額の差額のことを
製造間接費配賦差異といいます。

今回の記事では製造間接費配賦差異を計算し、
仕訳するところまでを解説したいと思います。

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製造間接費配賦差異の仕訳|不利差異(借方差異)

予定配賦額<実際配賦額

のケースを不利差異(借方差異とも)といいます。

たとえば予定配賦額が5,000円で実際配賦額が9,000円のケースが考えられます。
当初の予定よりも4,000円(9,000円ー5,000円)余分にかかったということです。

このときの仕訳はどうすればよいのでしょうか?
結論としては製造間接費配賦差異で処理することになります。

では、例題を一緒に解きつつ
理解していきましょう。

例題1

当月の製造間接費実際発生額は9,000円でした。
なお、製造間接費は予定配賦率@50円で予定配賦していて
当月の実際操業度は100時間でした。

予定配賦率とか操業度については
コチラの記事で解説していますので知りたい方は
ご覧ください。
予定配賦率とは?求め方についてもわかりやすく解説

例題の解説に戻りますと、
予定配賦額=予定配賦率×実際操業度
でしたね。
予定配賦額の求め方

なので、予定配賦額=@50円×100時間=5,000円
となります。

これを仕訳すると
(借方)仕掛品5,000円/(貸方)製造間接費5,000円
となります。

考え方としては
製造間接費を予定配賦した時に製造間接費5,000円で処理しています。
5,000円だけが製品原価になっているってことです。

ところで製造間接費の実際発生額は9,000円ですね。
なので、9,000円ー5,000円=4,000円
4,000円だけ追加的にコストがかかったということです。

だから製造間接費が9,000円になるように処理しようとします。
そこで次のような仕訳をします。

(借方)製造間接費配賦差異4,000/(貸方)製造間接費4,000

と、貸方の製造間接費が合計9,000円になるような仕訳をするわけです。
そして借方は製造間接費配賦差異という勘定で処理します。

ということで
製造間接費配賦差異は必ず『予定配賦額ー実際配賦額』
で計算するようにしてください。

このように計算してマイナスになるようなら
会社としては余計なコストが発生したとなり
借方差異、不利差異なので
製造間接費配賦差異を借方に書くことになります。

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製造間接費配賦差異の仕訳|有利差異(貸方差異)

予定配賦額>実際配賦額

のケースを有利差異(貸方差異とも)といいます。

借方差異のときは
予定よりもコストが多くかかってしまったケースでした。

貸方差異(あるいは有利差異)のケースでは
たとえば予定配賦額が5,000円だっとして
実際配賦額が4,000円だったというようなケースです。

理解を深めるために一緒に例題を解いていきましょう。

例題2

当月の製造間接費実際発生額は4,000円でした。
なお、製造間接費は予定配賦率@50円で予定配賦していて
当月の実際操業度は100時間でした。

製造間接費を予定配賦した時の仕訳は

(借方)仕掛品5,000円/(貸方)製造間接費5,000円

となりますね。

@50円×100時間=5,000円ですからね。

ですが、製造間接費の実際発生額は4,000円でした。
ということは、
5,000円ー4,000円=1,000円
1,000分だけ取り消す仕訳が必要になります。

なので借方に製造間接費1,000円
相手方(貸方)に製造間接費配賦差異1,000円を記載する仕訳を行います。

したがって、

(借方)製造間接費1,000円/(貸方)製造間接費配賦差異1,000円

こんな感じで貸方に書いた製造間接費5,000円を
4,000円にしたいので、貸方とは反対の借方に製造間接費を1,000円記載したのです。

このあたりは材料費や労務費の予定計算と同じですね。
材料消費価格差異の求め方と仕訳についてわかりやすく解説
賃率差異の求め方をわかりやすく解説

以上で製造間接費配賦差異の仕訳手順についての解説は終わりです。

続いて製造間接費配賦差異の分析について解説します。
製造間接費配賦差異の分析についてわかりやすく解説