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1次試験

ウェーバーの官僚制論についてわかりやすく解説

分化的接触理論 例




ウェーバーは官僚制の体系的研究の創始者です。
官僚制論の考え方は行政機関だけでなく民間企業でも利用されています。

今回の記事ではウェーバーの官僚制論について解説します。

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官僚制とは?

官僚制とは巨大な組織を合理的に運営する仕組みのことです。
ここで気を付けて欲しいのは
官僚制は官公庁においてのみみられるような形態ではありません。
民間の企業でも見られます。
つまり官僚制は官民問わず組織が巨大であれば
共通してみられるのが官僚制だということです。

この官僚制の研究においてプラスの側面を順機能的な側面の研究では
マックスウェーバーの研究が有名です。
これに対してロバートキングマートンはマイナスの側面を持つ逆機能の研究で有名です。
順機能と逆機能とは?例を挙げてわかりやすく解説
官僚制の逆機能について事例を挙げてわかりやすく解説

マートンは機能を4つに分けました。

マートンが分けた4つの機能とは

(1)順機能
(2)逆機能
(3)顕在的な機能(みんなが知っている機能のこと)
(4)潜在的な機能(みんなに認知されてない機能のこと)

のことです。

以上4つの機能に分けたのがマートンです。

官僚制のプラスの順機能については
M.ウェーバーが研究しているし
官僚制の逆機能についてはR.K.マートンをはじめ、
グールドナーとかセルズニックといった人たちが研究しています。

ではここからが本題です。
この記事ではウェーバーの官僚制論について詳しく解説していきます。

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ウェーバーの官僚制論

現代において官僚制とか官僚という言葉を聞くと、
政府VS官僚
みたいなイメージを持つ方もいるかもしれません。

ですが、ウェーバーの官僚制論における官僚制は、いい意味で使っています。

ウェーバーの官僚制論の特徴は

・規則による明確な「権限」
・文書主義
・専門知識の必要性と資格任用制
・ヒエラルヒー(階層)構造

などがあります。

文書主義というのはマニュアルと同じような意味で、
専門知識の必要性と資格任用制というのは各仕事が専門化されているということです。

それからヒエラルヒー(階層)構造というのは
階層に分かれているという意味で
ピラミッド型の階層をいいます。

つまり、ウェーバーの官僚制論によると
マニュアルが存在してそれぞれの仕事が専門化されていて
ピラミッド型の組織で権限が明確になっている、
こういうのが官僚制の組織だということです。

そして、

マックスウェーバーは

・(1)規則による明確な「権限」(明確な権限の原則)
・(2)階統制(ヒエラルヒー)構造の原則
・(3)公私分離の原則
・(4)文書主義の原則
・(5)専門知識の必要性と資格任用制(専門性の原則)

という特徴を持つ組織を官僚制組織といって
上記のような特徴をとれば、合理的、合法的な組織になるだろうと考えました。

(1)明確な権限の原則

明確な権限の原則とはどういう原則でしょう?
それぞれの官庁がいろんな権限を行使する際は
規則によってやれることとやれないことがあります。
どこまでの地位の人はどういう権限で何ができるのか?
そういうことをすべてルール(規則)にのっとって明記されているということ。
これが明確な権限の原則です。

(2)階統制(ヒエラルヒー)構造の原則

階統制(ヒエラルヒー)構造の原則というのはどういう原則でしょう?
官僚制の組織もピラミッドの構造になっているわけです。
上級の官庁は下級の官庁に対して指揮命令をします。
そういう系統が確立しています。
上位下達式の指揮系統の命令権がスッキリとした形で整備されているということです。
下級の官庁が上級の監督の指揮命令を受けるという関係にあるということ。
それが階統制(ヒエラルヒー)構造の原則です。

(3)公私分離の原則

例えば情報漏洩というのが大きな問題になっています。
昔、国会で特定秘密保護法案というのが成立しました。
国家にとって重要な情報を漏らしてしまったら罪に問われるわけです。
だからますます情報漏洩については非常に神経を使わざるを得ません。
そうすると職場において仕事をやり残したからといって
それをUSBメモリに移して自宅のパソコンに持ち帰って作業を継続するのは危険です。
というのはそのUSBメモリーを紛失してしまったら
大問題になってしまいますからね。

このUSBメモリを誰かが手に入れてしまい
情報が漏洩してしまったら・・・。
大変なことになりますね。

そういうことがないようにするという原則が公私分離の原則です。

自宅を離れた職場で全労働力を発揮しないといけないということになります。

(4)文書主義の原則

口頭での命令というのは言った言わないのの水かけ論になる可能性があります。
だからすべての命令というのは文書によって伝達されて
伝えられていくという原則が文書主義の原則です。

(5)専門性の原則

国家公務員がある省庁に採用されるとしましょう。
その省庁の中で自分が担当する部門のスペシャリストとして
活躍することが求められるわけです。

国家一般職の大卒程度の人は
どちらかというとスペシャリストになります。
特定の分野で専門家として育成されていくことになります。
国家総合職の人はどちらかというとゼネラリストです。
その省庁のどういうところで働いてもいいように
ポストが上がるたびに別の課をを経験していきます。
すると最高の事務次官に昇進したときにその省庁全体の
どういう部門のどんな仕事を担当しているかを全部把握した段階で
事務次官につけます。

だから事務方の最高の役職として省庁全体の責任者として
すべてを掌握して決定権を持つようになれるわけです。

だから普通の官僚といった場合は
特定の分野での専門家として育成される。
ということは逆にいうと自分の専門的な領域についてはすごく
知識とか経験が豊か。
でも、専門外のことについてはまったく知らないということになるわけです。
これは次に解説する逆機能にも結び付きます。
官僚制の逆機能について事例を挙げてわかりやすく解説

逆機能で有名な用語として『訓練された無能力』というのがあります。
訓練された無能力というのは、
知っていることはすごく詳しい。
でもマニュアルに書いていないような新しい事態が起こると
対応できなかったりすることです。
「こういう事態が起きたらこう対応しましょう」
みたいなことが書いてない、新しい事態に対して対応できない。
訓練されていないから。
だから思わず無能力を露呈してしまうということになるわけです。

ウェーバーの官僚制論2つの特徴

そして、

ウェーバーの官僚制論の考え方をとると

・専門化された集団がマニュアルを使って動くので人の区別をせずに奉仕する「没主観性」
・専門化された組織がマニュアルに従って動くため判断基準を定量化・数値化する「計算可能性」

の2つの特徴があると考えることができるでしょう。

ちなみにウェーバーは官僚制論以外にも
社会学において、多大なる功績を残しています。
ウェーバーの理解社会学についてわかりやすく解説

以上で解説を終わります。