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貨幣乗数とは?公式についてもわかりやすく解説




参考文献・URL
マンキュー経済学ミクロ編・マクロ編

分厚いマンキュー経済学を読み解くのがめんどくさい人は、こちらをおすすめします。
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今回の記事では貨幣乗数とはどんな乗数なのか
解説し、そのあと貨幣乗数の公式についてわかりやすく解説していきます。

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貨幣乗数とは?

貨幣乗数 公式

ハイパワードマネーという用語をご存じですか?
ご存じない方は先にこちらをご覧ください。
ハイパワードマネーについてわかりやすく解説

日本銀行がハイパワードマネーを1億円増やしたときに
私たち企業や家計のお金(マネーサプライ)が何倍増えるのでしょう?

この何倍にあたるものを貨幣乗数といいます。

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貨幣乗数の公式

まずハイパワードマネーをH、マネーサプライをMとしましょう。
マネーサプライ(M)は家計や企業が持っていうお金のことでしたね。

マネーサプライ(M)=現金(C)+預金(D)

という関係があります。

ハイパワードマネー(H)とは日本銀行(中央銀行)が
直接管理できる貨幣のことでした。

ハイパワードマネー(H)=現金(C)+預金準備金(R)

という関係があります。

ここまでが前提になります。

で、貨幣乗数というのはハイパワードマネー(H)を1単位増やしたら
マネーサプライ(M)が何単位増えるか?を表すものです。

たとえて考えると、1時間で60㎞距離が増えるなら
時速は60㎞/時
となりますね。

これは距離を時間で割って時速(速さ)を求めているんです。
この速さが貨幣乗数みたいなものです。

それから1時間というのがハイパワードマネー(H)で
60㎞増えたというのがマネーサプライ(M)なので、

貨幣乗数=マネーサプライ(M)÷ハイパワードマネー(H)
となりますね。

それから、

マネーサプライ(M)=現金(C)+預金(D)

ハイパワードマネー(H)=現金(C)+預金準備金(R)

ですから、

貨幣乗数

となります。

で、ここから両辺にHをかけます。

すると、こうなりますね。

貨幣乗数の途中式

となります。

次に右辺の分子分母にそれぞれ1/D(D分の1)をかけます。
分子分母に同じ数をかけても右辺全体の値は変わりませんね。

たとえば3/5(5分の3)という数字があって
分子と分母に3をかけても、3×3/5×3=9/15となり
約分すると3/5となり、値に変化はありませんでしたね。

これと同様に
右辺の分子分母に1/Dをかけても値は変化しません。

では右辺の分子分母に1/Dをかけてみると、

貨幣乗数

となります。

1/Dは分母の(C+R)それぞれにかけ、
分子の(C+D)それぞれにかけます。
お間違いのないようにお願いします。

最後に、マネーサプライMとハイパワードマネーHの変化分の
関係に捉えていきましょう。
変化分は頭にΔ(デルタ)をつけます。

よって、貨幣乗数の公式は

貨幣乗数の公式

となります。

で、ΔH(ハイパワードマネー)が増えたら、
下記、〇で囲んだ部分を掛け算した分だけ、
ΔM(マネーサプライ)が増えるという関係になっています。

貨幣乗数

そして、〇で囲んだ部分のことを貨幣乗数といいます。

貨幣乗数

で、

貨幣乗数

C/Dは現金と預金の比率です。

たとえば預金が50億円あって、現金が10億円だったら、
10/50=0.2
となります。

2020年になり、みんな銀行にお金を預けておいて、
キャッシュレス決済をする人が増えてきました。
そうなると、現金・預金比率は下がってきます。

それからR/Dは預金準備率とか支払準備率とかいったりします。
たとえば今、50億円預金しているとすると、
銀行側からすると、50億円預かっているということができますね。
すると、銀行は責任をもって50億円を預かっておかないといけません。
何かあったら困ります。

そこでRとして5億円準備しているとしましょう。
この場合、50億円預かっているうちの5億円を
日本銀行に当座預金口座を作って準備しているという意味になります。

R/D=5/50=0.1
となります。

この条件で、日本銀行が貨幣を100億円印刷し
銀行に貸したとしましょう。
この場合、私たちのお金はいくら増えるでしょう?

以下の貨幣乗数の公式に代入しましょう。
貨幣乗数の公式

すると、
ΔM=(0.2+1)/(0.2+0.1)×100億円
ΔM=1.2/0.3×100億円
ΔM=400億円

となります。

よって、マネーサプライMは400億円増加することがわかります。

こんな感じでハイパワードマネーとして100億円印刷して
銀行に貸したら400億円に増えるわけですから、
ハイパワードマネー(強い力を持つお金)という名前になっているんです。