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1次試験

銀行の信用創造機能についてわかりやすく解説




参考文献・URL
マンキュー経済学ミクロ編・マクロ編

分厚いマンキュー経済学を読み解くのがめんどくさい人は、こちらをおすすめします。
スタンフォード大学で一番人気の経済学入門(ミクロ編) [ ティモシー・テイラー ]
スタンフォード大学で一番人気の経済学入門(マクロ編) [ ティモシー・テイラー ]

前回の記事では貨幣乗数について解説しました。
貨幣乗数とは?公式についてもわかりやすく解説

日本銀行がお金を印刷して市中銀行にお金を貸し出す(ハイパワードマネー)と
なぜか、日本全体に出回るお金(マネーサプライ)は増えるんでしたね。

今回はどうして増えるのか?という理屈に答えるために
銀行の信用創造機能について解説します。

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銀行の信用創造機能を説明する前提条件

銀行の信用創造機能

日本銀行がお金を印刷して市中銀行にお金を貸し出す(ハイパワードマネー)と
どうして日本全体に出回るお金(マネーサプライ)は増えるのでしょうか?

今回、わかりやすく説明するために
現金の存在は省いて考えるものとします。

ただ、現金の存在を省いても、
理屈も結論も変わりませんので安心してください。

今回は預金だけでお金がまわるという前提で解説していきます。

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銀行の信用創造機能

今、Aさんという個人がいたとしましょう。

預金

AさんがたとえばB銀行に5000万円預金したとします。
一番最初に預けられたきっかけになった預金で
これを本源的預金といいます。

B銀行からすると5000万円のお金を預かっています。
このまま5000万円置いておいても
お金は増えません。

ところで、不況で倒産の恐れがあるC株式会社があります。
この会社は仕入れ代金さえ払えません。
このままだと倒産確定です。

そこで、預かった5000万円のうちの90%にあたる4500万円を
B銀行がC株式会社に融資したとしましょう。

というと、「5000万円融資してあげればいいんじゃないの?」
と思った方もいるかもしれません。

ですが、5000万円お金を預かったら、
銀行は全額融資に使うことができない
んです。

何かあったときのために一部、銀行にお金を残しておかないといけない
ルールになっているんです。

仕入れ代金の弁済

なので、今回は5000万円のうちの90%にあたる4500万円を
C株式会社に融資したとします。
そして、C株式会社は仕入れ先の
D株式会社に仕入れ代金4500万円を弁済しました。

派生預金

すると、D株式会社は4500万円を受け取りました。
ただ、4500万円は大金です。
高額な現金を手元に置いておくのは危険でしょう。
泥棒の被害にあうかもしれないので
別のE銀行にお金を預け入れることにしました。

このE銀行に預けた4500万円を派生預金といいます。
派生預金とはAさんが預けた本源的預金から派生して生まれてきた預金のことです。

ここまでの解説の中で
預金はいくらになったでしょう?

Aさんが預けた本源的預金が5000万円、
D株式会社が預けた派生的預金が4500万円で
5000万円+4500万円=9500万円となりました。

シンプルなモデルにしましたが
ここまでで、Aさんが預けた5000万円が9500万円の預金に
なっているわけです。

これがリアルな世の中ではもっと複雑に
どんどんどんどん雪だるま式に預金が増えていきます。

たとえば、E銀行がFさんにお金を貸し出すかもしれません。

ではどうして銀行の信用創造機能という名前が存在するのでしょう?
B銀行からC株式会社に対して4500万円のお金が融資されていますね。

もし仮にC株式会社は倒産して
返済ができなくなったらB銀行は大損をしてしまいます。

そんな最悪の事態に備えて
会社の建物に抵当権や根抵当権といった担保を設定するなどして
B銀行とC株式会社の間で信用関係を作っています。

もしC株式会社が倒産して返済不能になっても
抵当権をつけていれば、競売をかけて
全額ではないにしてもB銀行はある程度のお金を
取り戻すことができますからね。

これが信用創造機能ってことです。
B銀行とC株式会社みたいな感じで
お互いが信用できる状況の中で
お金がどんどん融資されていきます。

そしてどんどんお金が回っていき
どんどん預金額も増えていくわけですね。

ここまで理解できれば貨幣乗数によって
お金がどんどん増えるのか、理解できると思います。
貨幣乗数とは?公式についてもわかりやすく解説