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1次試験

クールノー均衡とは何か?生産量の求め方も解説




参考文献・URL
マンキュー経済学ミクロ編・マクロ編

分厚いマンキュー経済学を読み解くのがめんどくさい人は、こちらをおすすめします。
スタンフォード大学で一番人気の経済学入門(ミクロ編) [ ティモシー・テイラー ]
スタンフォード大学で一番人気の経済学入門(マクロ編) [ ティモシー・テイラー ]

完全競争市場と不完全競争市場について学習してきました。

完全競争市場の記事はこちらです。
完全競争市場で利潤最大化するのはどんな時?
完全競争市場の4つの条件についてわかりやすく解説

不完全競争市場については独占と寡占について解説しました。
独占市場における利潤最大化と価格決定についてわかりやすく解説
寡占市場とはどんな特徴をもつ市場なのか解説

今回は不完全競争市場の中でも複占市場についてみていきます。
複占市場の複は複数という言葉もありますね。

複は2という意味です。

たとえば寡占市場は小数の企業が競い合っている市場でした。
ただ小数と言っても3社、4社とあったらグラフにして分析しにくいですね。

そこでグラフで分析しやすいように単純化して
2社で考えて行こうということで複占市場があります。

そしてクールノー均衡は複占市場で登場します。

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クールノー均衡とは?

クールノー均衡とは 生産量 求め方

クールノー均衡とは相手の生産量に対応して
自分の生産量を決定することをいいます。

ちなみに相手の価格に基づいて自社の価格を決定するモデルを
ベルトランモデルといいます。

クールノー均衡は生産量、ベルトランモデルは価格なので
間違いないようにしましょう。

クールノー均衡は複占市場の話です。
つまり会社は2社しかありませんから相手の会社と
自分の会社しか存在しません。

だから相手がどれくらい生産量を作ってくるか、
これに対して一番いい生産量を自社も作っていくということになります。

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クールノー均衡のグラフ解説

クールノー均衡

今回はコーラ社とペプシ社の2社でクールノー均衡について
考えてみましょう。

ピンク色がペプシ社の反応曲線でオレンジ色がコーラ社の
反応曲線になります。

クールノー均衡のグラフ

「反応曲線って何?」と疑問に感じた方もいるかもしれませんね。
反応曲線とはライバル会社の生産量に対して
自社の最適な行動を対応させるグラフのことです。

では実際にみていきましょう。

クールノー均衡の具体例

まずペプシ社の反応をみていきます。
上記グラフでペプシ社はコーラ社は
①分だけ生産してくるだろうと予測したとします。

するとペプシ社はどれくらい生産するか?
というと、ペプシ社の反応曲線はピンク線なので
②分だけ生産することを決めます。

今度はコーラ社側の反応をみていきます。

ペプシ社は②という生産量にしました。
今度はコーラ社にとっての最適な生産量は、、、

クールノー均衡

②からコーラ社の反応曲線(オレンジ色)をたどっていくと
コーラ社は③の生産量になります。

今度はペプシ社は③に対応するためにペプシ社の反応曲線をたどり、④の生産量になります。

次にコーラ社はペプシ社の④の生産量に反応して
⑤の生産量となります。

またまた今度は⑤の生産量に反応してペプシ社は
⑥の生産量となります。

とこれをひたすら繰り返していくと、
最終的にはコーラ社とペプシ社の反応曲線の交点に
落ち着く(均衡する)ことになる
わけです。

クールノー均衡


で、ペプシ社とコーラ社の反応曲線の交点を
クールノー均衡
といいます。

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クールノー均衡における生産量の求め方

以上のことを踏まえてクールノー均衡における生産量の求め方について例題を使って解説していきます。

生産量の求め方例題

同じ財Zを生産する企業1、企業2からなる複占市場があるとします。
Zの需要関数が、
P=30-0.2(Q1+Q2)
(Pは財Xの価格、Q1は企業1の生産量、Q2は企業2の生産量)
とします。
それから、総費用関数は企業1、企業2とも
TCi=3Qi(i=1,2)
とします。
このときのクールノー均衡における
企業1、企業2の生産量を求めましょう。

この例題は企業1の生産量と企業2の生産量の2つを
求めることになります。

つまりわからないものが2つあるわけです。
ということは方程式を2つ作る必要があります。

1つ目で限界収入(MR)の式を作り
2つ目で限界費用(MC)の式を作りましょう。

まず、需要関数が、
P=30-0.2(Q1+Q2)ですから

P=30-0.2Q1-0.2Q2
となります。

企業1、企業2の限界収入をそれぞれMR1、MR2とします。
で、独占企業や複占企業の限界収入は需要曲線の傾きの2倍になるんでしたね。
独占市場における利潤最大化と価格決定についてわかりやすく解説

なので企業1の限界収入MR1は
MR1=30-0.2×2Q1-0.2Q2
注意:今回は企業1の限界収入なので、企業2のQ2は2倍しません

MR1=30-0.4×Q1-0.2×Q2

企業2の限界収入MR2は
MR2=30-0.2Q1-0.2×2Q2
MR2=30-0.2Q1-0.4Q2

次に限界費用MCの式を作りましょう。
限界費用の式の作り方についてはこちらで解説しています。
限界費用とは?求め方についても解説

企業1の場合、TC1=3×Q1ですから、
MC1=⊿TC1/⊿Q1
(⊿はちょっと増えるという意味)

なので、MC1=3×Q1/Q1=3

企業2の場合、TC2=3×Q2ですから、
MC2=⊿TC2/⊿Q2

MC2=3×Q2÷Q2=3

ところで数量や生産量って
MR(限界収入)=MC(限界費用)でしたね。
独占市場における利潤最大化と価格決定についてわかりやすく解説
独占市場だけでなく複占市場でも同じです。

なので、
MR1=MC1ですから
30-0.4×Q1-0.2×Q2=3
-0.4Q1=0.2Q2-27
0.4Q1=27-0.2Q2
Q1=67.5-0.5Q2

同様にMR2=MC2より
30-0.2Q1-0.4Q2=3
-0.2Q1=0.4Q2-27
Q1=135-2Q2

Q1=67.5-0.5Q2
にQ1=135-2Q2を代入しましょう。

135-2Q2=67.5-0.5Q2
1.5Q2=67.5
Q2=45

Q2=45
をQ1=135-2Q2に代入しますと
Q1=135-2×45
Q1=45

したがって
企業1も企業2も生産量は45ということになります。

企業1と企業2の生産量が同じになるのは
どちらの企業とも総費用関数(総費用曲線)が同じだったからです。

以上でクールノー均衡における生産量の求め方についての
解説を終わります。