1次試験

独占的競争市場とは何か?具体例を挙げて解説




参考文献・URL
マンキュー経済学ミクロ編・マクロ編

分厚いマンキュー経済学を読み解くのがめんどくさい人は、こちらをおすすめします。
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独占的競争市場ってどんな市場なのでしょうか?
以前解説した完全競争市場の条件の1つである
『製品が同質的』を『製品が異質的』に変えた市場のことをいいます。
完全競争市場の4つの条件についてわかりやすく解説

完全競争市場では製品が同質的でした。
同質的とは具体例を挙げると、
おまんじゅう屋さんであれば、すべてのおまんじゅう屋さんが
同じおまんじゅうを扱っているということになります。

また完全競争市場では情報の完全性もありましたね。
情報の完全性とは商品に関する情報を会社もお客さんも
みんな知っているってことです。

お客さんはどこのお店でまんじゅうを買っても
まったく同じまんじゅうだと知っているってことです。

だから、あるお店がまんじゅうの値段を100円から200円に上げても
「お客さんは他のお店だったら、100円でまんじゅうを買える」
って知っています。

だから値段を上げても売れません。
価格についてはお店は受け入れるしかないわけです。

あと、独占的競争市場は企業の参入や退出は自由です。
逆にただの独占市場だと新規参入が不可能です。
独占市場における利潤最大化と価格決定についてわかりやすく解説

では独占的競争市場だったら
どんな感じになるのでしょうか?

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独占的競争市場について具体例を挙げて解説

独占的競争市場 具体例

独占的競争市場は商品が異質的です。
だから、Aという名前のまんじゅう屋さんには
そこのまんじゅう屋さんのファン客がいますし、
Bという名前のまんじゅう屋さんにもファン客がいます。

お店がアイドルみたいになった感じです。

別の表現をすると、
会社がお客さんを囲い込んでいるわけですね。
アイドルなら顔や性格などで差別化をしていますし
まんじゅうなら味とかサービス、営業時間などで
差別化をしています。

だから独占的競争市場では価格競争に巻き込まれません。
安売り合戦の必要がないわけですね。

そういった意味では製品差別化戦略が重要になってきます。

そのお店でしか買えない、まんじゅうの味があるなら
値段が高くてもお客さんは買ってくれます。

ということは価格をコントロールできるわけですから
需要曲線は独占市場と同じように右下がりになります。

独占的競争市場の需要曲線

なので、独占市場と似ていることから
独占的競争市場という名前がつきました。

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独占的競争市場の理解度テスト

ここまでの内容が理解できているか
例題を出しますので、考えてみてくださいね。

例題1.

独占的競争市場では、会社は他の会社とライバル関係にある。
自社で値段を決めると、ライバル会社にお客さんが流れてしまうので、需要曲線は水平になる。
正しいなら〇、間違っているなら×としてください。

どうでしょうか?

独占的競争市場ではライバル会社はいます。
1社独占状態ではありませんから。

でも、商品は差別化されています。
たとえばそのお店でしか食べれない味をしたラーメンなら
多少高くてもお客さんは来ますね。

つまり価格は自由に決めることができるわけです。

また需要曲線は右下がりになりますね。

独占的競争市場の需要曲線

自分たちが生産量(数量)を増やすと
値段は下がってしまいます。

商品がいっぱいあったら、
お客さんも「もういらないよ」となるので
価格を下げて売るしかなくなるからです。

逆に生産量(Q,数量)を減らせば
お客さんは「高くてもいいから欲しい」となるので
価格(P)は上がります。

これは差別化していても同じことです。

「ここのまんじゅうが食べたい」と思っているお客さんの数って
有限なわけです。
お客さんの数は決まっているってことです。

だから、たくさんまんじゅうを作りすぎたら
売れ残ってしまいます。

腐ったらもったいないので
安くしてでも売るしかなくなるわけですね。

なので、上記例題は×になります。

例題2.

独占的競争市場では商品の差別化がある。
会社が価格や生産量を決める場合、他社の動きに
注視する必要がある。
正しいなら〇、間違っているなら×としてください。

独占的競争市場はたくさんライバル会社があります。
完全競争市場に近い形です。
寡占市場とは違うってことです。
寡占市場とはどんな特徴をもつ市場なのか解説

独占的競争市場はライバル企業がたくさんあるので
一々、他のライバル会社の価格をチェックしたりしません
そういう前提になっています。

だから例題2は×となります。

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独占的競争市場のグラフ

短期均衡と長期均衡に分けて解説していきます。

まず短期均衡からみていきましょう。
価格の決まり方は独占市場のときと同じです。
独占市場における利潤最大化と価格決定についてわかりやすく解説

短期均衡

会社の目的は利潤最大化です。
利潤最大化する点はMR(限界収入)=MC(限界費用)
となる点です。
この点で数量が決まります。

なので上記グラフでは黄緑色の
QAという数量になります。

価格の決まり方は独占市場と同じ考え方で決まります。
独占市場における利潤最大化と価格決定についてわかりやすく解説
価格はMR=MCの点では決まりません。
お客さんが欲しがる価格の集まりである需要曲線と
点QAを上にもっていった交点であるPAで
価格が決まります。

短期均衡

つまり、PA(価格)はMR=MCの縦軸上の点よりも
高い価格となるってことです。

お客さんは多少価格が高くなっても
需要曲線上なら商品を買うわけです。

次に利潤はどうなるでしょう?
利潤は売上から総費用を引いたものです。

まず総費用からみていきましょう。
1個(1単位)当たりの費用はAC(平均費用)と同じです。
平均費用の求め方

そして1個当たりの費用に個数(生産量)をかけたら
総費用になります。

総費用

それからPAが1個(1単位)当たりの価格です。
1個当たりの価格に数量(生産量)をかけたら
売上の合計になります。

短期均衡

ということは、青枠からピンク枠を引くことで
利潤を出すことができます。

短期均衡の利潤

上記紫色の領域が短期均衡における利潤です。

ところで、独占的競争市場って
参入や退出が自由でした。
ここが独占市場と違います。

たとえば、Aというまんじゅう屋さんが儲かっているのを見た
Bというまんじゅう屋さんも「この地域に出店しよう」
と新規参入するお店も登場します。

すると、Aというまんじゅう屋の固定客の何人かは
Bというまんじゅう屋に流れるでしょう。

同じ価格でも売れる数量が減ってきます。

その結果、需要量が減るわけです。

需要曲線としては、、、

需要曲線

上記のように価格Pは変わらなくても
生産量Qが減るので、需要曲線は左側にシフトします。

つまり短期的には新規参入は無視できるけど
長期的に見ると新規参入の影響で需要曲線は左側に
シフトしてくる
わけですね。

その結果、利潤というのはどのように変化するのでしょう?
結論としては利潤が0になるところまで
需要曲線が左シフト
していきます。

具体的にはAC(平均費用曲線)と接するところまで
需要曲線は左シフトします。

なので長期均衡のグラフはこのようになります。

長期均衡

まず利潤最大化するための数量を
決めていきましょう。
MR(限界収入)=MC(限界費用)が
利潤最大化するときの数量ですが
今度はピンク色のMRなので、、、

長期均衡

数量(生産量)はQBとなります。
短期均衡のときの数量はQAでした。
上記グラフをみると明らかなように
長期均衡になり、数量が減っていますね

次に価格を見ていきましょう。
価格は需要曲線との交点です。

ですから、、、

長期均衡

PBの点に価格は落ち着きます。

次に総費用をみていきましょう。
平均費用AC×数量QBが総費用ですね。

独立的競争市場

なのでAC×数量QBが総費用なので
紫色の領域が総費用になります。

また、売上はPB×QBなので総費用と同じ
紫色の領域になります。

なので売上と総費用が同じなので利潤は
0となるわけですね。

長期均衡においては利潤が0になるってこと、
しっかり覚えておいてくださいね。

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独立的競争市場例題

例題3

独立的競争市場における短期均衡では会社は商品の価格と
限界費用が一致するように生産量を決める。
これが利潤最大化となる。
これは〇ですか、×ですか?

短期均衡の利潤

上記のような右下がりの需要曲線のときには
必ずMRとMCの交点で数量(生産量)が決まります。

でも利潤最大化だと価格PはQAを上に上げて
需要曲線とぶつかった点、PAとなります。
だから独占的競争市場なわけです。

完全競争市場みたいに価格と限界費用(MC)は
一致しません。

だから例題3は×となります。

例題4

独占的競争市場における長期均衡では
会社は平均費用曲線の最高点で生産をしている。
〇ですか×ですか?

長期均衡において需要曲線は平均費用と接します。

独立的競争市場

どうしてでしょう?
長期均衡では需要曲線は左にシフトするんでしたね。
需要曲線が右に行けば行くほど利潤はプラスになります。

でも長期だと、どんどん新規参入企業が入ってきます。
だからお客さんをどんどん奪われて需要が減り
需要曲線が左にシフトします。

お客さんが減ったら利潤はどんどん減るに決まってます。

それでも利潤最大化を目指すならMR=MCの
生産量となります。
これがQBですね。
価格はQBを上にあげて需要曲線にぶつかる、
PBとなります。

独立的競争市場

縦軸でみると価格PBのところと
AC(平均費用)が等しいので
利潤が0となるわけです。

利潤が0を超えてさらに需要曲線が左に行くと
さすがに赤字になります。

赤字になっているような市場に
新規参入する企業はないでしょうから
利潤が0のところで止まるわけです。

ここまで理解いただけたら例題4が×だとわかるでしょう。

平均費用曲線の最高点で生産していません。
平均費用曲線の左側で生産しています。

平均費用曲線の左側というのは
平均費用が高いですね。

なので1個生産する時にかかる費用が
高くなっています。

これはたくさんの会社が参入したため
1社が作る製品のコストが割高になっているからです。

1社だけが大量に商品を生産したら
割安ですみます。

でも、複数の会社が参入したためお客さんを奪われ
自分の会社にくるお客さんの数が少なくなると、、、

その分、自社の生産量が減ることになります。
結果、生産コストが割高になってしまうわけです。

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独占的競争市場とクリスマスカード

たまに「独占的競争市場 クリスマスカード」
というキーワードで当サイトにやってこられる方がいます。

独占的競争市場は会社がお客さんに
クリスマスカードを贈るような市場だと
おっしゃる経済学者がいます。

というのは、

一般的な価格というのは

供給曲線

限界費用MCとの交点である価格が①のところで
決定するわけです。

でも、独占的競争市場ではMC(限界費用)よりも
もっと高い価格PAやPBに決まるわけですね。

独立的競争市場

いくら新規参入者がやってきても
自社の商品は差別化ができているので
クリスマスカードを贈れば
お客さんは高い価格でも買ってくれるということを
皮肉っているわけです。

以上で独占的競争市場に関する解説を終わります。