参考文献・URL
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ラーナーの独占度はマイナーな論点ですが、
公務員試験でよく出題されています。
もしかしたら中小企業診断士試験に
出題されるかもしれないので、
一応チェックしておきましょう。
今回はラーナーの独占度について解説していきます。
ラーナーの独占度の公式
ラーナーの独占度は以下の式で表すことができます。
独占の場合というのは
需要曲線って、限界収入曲線(MR)の傾きの2倍ですね。
で、企業は限界費用(MC)よりも限界収入(MR)の方が
大きい限り生産し続けます。
なので、利潤最大化条件はMR=MCの点になります。
このときの数量をQ1、価格をP1とします。
数量はQ1でよいのですが、
価格はお客さんが買ってもよいという需要曲線上の点まで
高くしても商品は売れるわけです。
なので価格はP2になります。
会社はお人よしではありませんから
売れるならより高い価格で販売します。
で、MCとQ1の距離って価格P1の高さ分ですね。
(0からP1までの距離)
でも実際の価格はP2の高さですね。
(0からP2までの距離)
ということはP2からP1までの差があります。
このP2からP1までの差というのが独占度です。
完全競争市場の場合、価格Pがたとえば200円と決まったら
常に200円と一定になるので、
上記グラフのように水平な線となります。
また常に価格は一定なので限界収入(MR)は
市場価格(200円なら200円)と同じになります。
で、利潤最大化条件はMR=MCですから
完全競争市場の場合には
P(価格)=MR(限界収入)=MC(限界費用)
です。
なので、ラーナーの独占度は
ですから、L=(P-MC)÷P=0÷P=0
よって完全競争市場の場合、
ラーナーの独占度は0となります。
で、ラーナーの独占度は
0から1の間になります。
ラーナーの独占度が1になるときとは
MC(限界費用)が0のときです。
MCが0ならL=P/P=1となりますからね。
価格Pは分母も分子も同じ数字になるので
MCが0でもラーナーの独占度は1が限界ですね。
だから、ラーナーの独占度は0から1の間になります。
あと、ラーナーの独占度はL=(P-MC)/P
ですが、1/edでもあります。
edは需要の価格弾力性のことです。
需要の価格弾力性とは価格が1%変化した時に
需要が何%変化するか?です。
ラーナーの独占度理解力テスト
例題1
ラーナーの独占度は独占企業が直面する需要曲線が
垂直だったら、その値は0になる。
(正しいなら○、誤りなら×)
需要曲線が垂直なグラフはこちらです。
こんな感じで価格が500円でも1000円でも
需要量(買ってくれる数量)は同じです。
需要の価格弾力性とは価格が1%変化した時に
需要が何%変化するか?です。
だから、需要曲線が垂直だと需要の価格弾力性は
0ということです。
価格が変化しても需要が変化しない(0)ですから。
よって、ラーナーの独占度=1÷ed(需要の価格弾力性)
ですから、1÷0=無限大です。
でも、先ほど解説しましたように
ラーナーの独占度は0から1の間です。
マックスでも1です。
なので例題1の場合、ラーナーの独占度は1となるので
正解は×となりますね。
例題2
ラーナーの独占度は需要の価格弾力性が大きいほど
小さくなる。
これは○ですね。
ラーナーの独占度=1÷ed
です。
需要の価格弾力性が分母にあります。
分母の数字は大きければ大きいほど
全体の数字は小さくなります。
なので例題2だと、ラーナーの独占度は小さくなります。
以上でラーナーの独占度に関する解説を終わります。