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1次試験

長期均衡価格の求め方を例題を使ってわかりやすく解説

長期均衡価格 求め方




参考文献・URL
マンキュー経済学ミクロ編・マクロ編

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前回の記事では長期均衡とは何か?解説し、
長期均衡の計算問題で使う公式もご紹介しました。
長期均衡とは?どんな状態か?公式とともにわかりやすく解説

今回は前回解説した長期均衡の公式を使って
長期均衡価格の求め方について解説していきたいと思います。

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長期均衡価格の求め方

前回解説したように長期均衡だとわかったら、

P(価格)=MC(限界費用)=AC(平均費用)

の公式を使います。

よくわからない方はこちらの記事をご覧ください。
長期均衡とは?どんな状態か?公式とともにわかりやすく解説

上記公式を使って実際に例題を解いていきましょう。

長期均衡例題

A国のプラスティック製造メーカーにおける総費用曲線が
TC=$Q^{2} $+$2Q $+3
で示される時、長期均衡の価格はいくらになりますか?

この例題のポイントは『長期均衡』という文言です。

長期均衡ということは
P(価格)=MC(限界費用)=AC(平均費用)
ということが成り立ちますから公式みたいに利用できます。
長期均衡とは?どんな状態か?公式とともにわかりやすく解説

長期均衡なので
P(価格)=MC(限界費用)=AC(平均費用)で、
問題で聞かれているのはP(価格)ですから、
長期(5年後夜10年後)はいくらになっているの?という問題であるわけです。

この価格Pを求めるにあたっては、
MC(限界費用)とAC(平均費用)を求めればよいわけです。
この2つを計算した後、MC=ACという式を作れば価格Pを求めることができます。

限界費用MCの出し方はどうしたらよいでしょう?
限界費用は1つ生産量が増えた時に追加で費用がいくら上がるか?という意味です。
限界費用についてわかりやすく説明

計算で限界費用MCを求めるときはTC(総費用)を使いますが、
TC(総費用)というのは全体の費用です。

それから問題文中の
TC=$Q^{2} $+$2Q $+3
におけるQはプラスティックの生産量みたいな感じで生産量を意味します。
この総費用TCを生産量Qで微分という計算すると限界費用を求めることができます。

「び、びぶんですか?」と面食らった方もいるかもしれません。
でも、そんなに難しい計算は必要ありません。

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長期均衡価格(微分して限界費用を求める)

問題文中の
TC=$Q^{2} $+$2Q $+3
をQで微分するにはどうしたらよいのでしょう?

まず、左辺はTCで右辺は$Q^{2} $+$2Q $+3
ですが、右辺をさらに1個ずつ分けましょう。

右辺を分けると

・$Q^{2} $
・$2Q $
・3

と3つに分けることができます。

では分けたものを1つずつ微分していきましょう。
まず、$Q^{2} $を微分しますね。

微分するときは$Q^{2} $と数字の『2(2乗の意味)』に着目しましょう。
ここの2は前に出てきます。

赤文字に注目してください。
2$Q^{2} $
と2乗の2がQの前に出てきました。
これで完成ではありません。

次に2乗の2から数字を1個減らします。
結果、『2-1=1』となります。
2$Q^{2ー1} $=2$Q^{1} $
です。
1乗は普通省略しますから
2$Q^{1} $=2$Q $
となります。

もし3乗だったら$Q^{3} $
さっきと同様の方法で微分してください。

3$Q^{3-1} $=3$Q^{2} $
となります。
わかっていただけましたか?
わかったら簡単ですよね。
これが微分です。

とにかく微分は何乗の乗が前に出て、
何乗の乗を1個減らすだけのことです。

今回の例題では$Q^{2} $
なので、微分して2$Q $として計算を続けていきましょう。

次に
TC=$Q^{2} $+$2Q $+3
の$2Q $を微分しましょう。

もうできますね。

Qは1乗(=$Q^{1} $ということ)なので、1乗の1を前に出します。
$2Q $と2という数字があるから、2×1=2です。

もし$30Q $だったら、30×1=30です。

1乗の1を1個減らすから0乗です。
0乗はどんな数字でも1になります。

たとえば、1000の0乗、$1000^{0} $は1です。

だから$2Q^{0} $は2(もともと存在する2)×1(微分して前に出した1)×1(0乗の結果の1)=2
が$2Q $を微分した答えです。

最後、TC=$Q^{2} $+$2Q $+3
の3を微分しましょう。

Qという文字がないただの数字(今回は3)を微分すると結果は0となり消えます
どうしてただの数字を微分すると消えるのでしょう?

この問題はプラスティックの生産量が1つ増えたことで
総費用TCがいくら増えるのか?計算するので、
ただの数字『3』は影響しません。
だから微分すると消えるのです。

Qがプラスティックの生産量で、
1個増えるというときに、この1はQに代入して計算しますから
ただの数字の3はまったく総費用TCに影響してきません。
だから微分したら消えるのです。

そもそも微分って、「ほんのちょっとだけ増やす」みたいな意味です。
絶対に増えないタダの数字(定数といったりします)はどうやっても増えません。
だから微分においてただの数字(定数)は意味のない数字なのです。

ちょっと難しい話になりました。
ここではただの数字を微分すると『0』になると覚えておけばOKです。

ここまでまとめるとTC=$Q^{2} $+$2Q $+3
を微分すると以下のようになります。

$MC $(限界費用)=$\frac{ΔTC}{ΔQ} $=$2Q $+$2 $

$\frac{ΔTC}{ΔQ} $
というのはTCをQで微分するという意味で
要するに、さっきみたいにQの文字を微分するだけの話です。

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長期均衡価格(平均費用の求め方)

次に平均費用ACを求めましょう。

平均費用はTC(総費用)を全部生産量Qで割ると出すことができます。

TC=$Q^{2} $+$2Q $+3
ですから、

AC=$Q^{2} $÷$Q $+$2Q $÷$Q $+3÷$Q $
ということです。

平均費用ACは1個作るときの費用です。
つまり、全体の費用(総費用)を生産量Qで割ると
1個当たりの費用が求まります。

学校の平均点もそうですよね。
平均点が60点というのは
クラス全員の得点数(総得点)をクラス全員の人数(生産量と同じ)で割って
求めてますよね。

たとえば、クラス全体の得点(総得点)が2400点でクラスの人数が40人なら
2400点÷40人=60点
ということです。
この平均点の平均と平均費用は同じような意味合いだということです。

よって、平均費用は
$AC $(平均費用)=$\frac{TC}{Q} $=$Q $+$2 $+$\frac{3}{Q} $
となります。

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平均費用=限界費用=価格を利用して長期均衡価格を求める

長期均衡においては
価格P=限界費用MC=平均費用AC
ですから、

MC=2Q+2
AC=$Q $+$2 $+$\frac{3}{Q} $

MC=ACより、
2Q+2=$Q $+$2 $+$\frac{3}{Q} $
2Q+$\cancel{2} $=$Q $+$\cancel{2} $+$\frac{3}{Q} $

$Q^{2} $=3
生産量Qというのは存在しているもので、マイナスはあり得ないので
Q>0より
Q=$\sqrt{3} $
$\sqrt{3} $がプラスティックの生産量です。

よって価格Pは
MC=2Q+2
AC=$Q $+$2 $+$\frac{3}{Q} $
のどちらかにQ=$\sqrt{3} $を代入しましょう。

計算が簡単なMC=2Q+2
にQ=$\sqrt{3} $を代入する方がよいでしょう。

よってP=MC=2×$\sqrt{3} $+2=2$\sqrt{3} $+2=2($\sqrt{3} $+1)
というのが長期均衡価格になります。

この結果から、ある会社は生産量が$\sqrt{3} $になり、
値段(価格)は2($\sqrt{3} $+1)となります。
このとき、長期均衡なので儲けは出ていませんから、儲けは0円となります。

この記事で限界費用MCの求め方はマスターしておきましょう。
2、3回くらい繰り返せばできるようになるはずです。
限界費用は経済学の問題で長期均衡でなくても求める機会が多いと思いますので。
ブックマークしておいていただけるとうれしいです。