参考文献・URL
マンキュー経済学ミクロ編・マクロ編分厚いマンキュー経済学を読み解くのがめんどくさい人は、こちらをおすすめします。
⇒スタンフォード大学で一番人気の経済学入門(ミクロ編) [ ティモシー・テイラー ]
⇒スタンフォード大学で一番人気の経済学入門(マクロ編) [ ティモシー・テイラー ]
前回の記事で上級財や下級財の解説をしました。
⇒上級財と下級財についてわかりやすく解説
上級財と下級財を見分けるために所得消費曲線を利用しましたが
所得消費曲線の理解に無差別曲線理論の理解は必須です。
⇒所得消費曲線のグラフをわかりやすく解説
⇒無差別曲線とは何か?分かりやすく解説
ただ無差別曲線理論には問題点があります。
無差別曲線は人間の心の中の問題をグラフ化しているんです。
たとえばあるサラリーマンがコンビニで恵方巻3本(X財)と牛乳4本(Y財)を
買ったとしましょう。

この3本と4本が予算制約線と無差別曲線の接点かどうかなんてわかりませんね。
その人の無差別曲線は他の人からはわかりませんからね。

これは友達が相手でもそうです。
友達がおいしそうに恵方巻を食べていても
本当に満足してくれているかなんてわからないでしょう。
付き合いで「おいしい」と言ってくれているだけかもしれませんからね。
無差別曲線理論というのは何となく正しそうな気がします。
でも、家族であっても友達であっても
本当に予算制約線と無差別曲線の接点で消費しているのか
確認しようがありません。
「本当においしいの?」と家族に聞いても
あなたに忖度して「おいしいよ。大満足!」
と言っているだけかもしれませんからね。
こんな感じで確認できないということは
その理論が正しいかどうかの検証ができないということです。
そこで登場したのが顕示選好理論です。
顕示選好理論とは何か?わかりやすく解説

顕示選好理論はサミュエルソンという人が考えた理論です。
マクロ経済学で絶対に知っておくべき45度線分析の発案者です。
⇒45度線分析とは?わかりやすく解説
ちなみにサミュエルソンは1970年にノーベル経済学賞を受賞しています。
2009年に94歳で亡くなられています。
サミュエルソンは無差別曲線理論のような人の内側の心の問題でなく
他人を見てわかる情報から消費行動を考えようと考えられたのが顕示選好理論です。
顕示選好理論の顕示は自己顕示欲の顕示で
表に示されたという意味です。
たとえば、あなたが友達や家族を見て
どういうときに相手の好みがわかりますか?

たとえば、上記画像のような自転車が大好きな人が友達だとしましょう。
この人の前にスポーツドリンクとおしるこを見せたら
どちらを欲しがるでしょう?
おそらくスポーツドリンクだと思ったのではないでしょうか?
自転車が大好きで、よく運動するイメージがあるので
喉の渇きを癒すためにスポーツドリンクを飲みそうですね。
逆に甘ったるくてカロリーが高そうな
喉の渇きを癒すことができなさそうなおしるこを
選ばなそうです。
こんな感じで表にその人の好みが現れてきているわけなんです。
つまり、表に現れた好みというのは
その人が過去に買ってきた実績です。
「あの人はいつも自転車に乗ってよく運動する人なんだから
たぶん、この店に行ったらこの商品を買うだろう」と予想できますね。
これが顕示選好理論のざっくりとした内容です。
次回、顕示選好理論のもっと踏み込んだ内容になる
顕示選好の弱公準について解説していきます。