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前回の記事で労働の限界生産力について
解説しました。
⇒労働の限界生産力とは何か?わかりやすく解説
今回は古典派の第一公準について解説します。
が、その前に労働の限界生産力と関連した内容で
貨幣賃金率と実質賃金率とは何か?解説し、
労働需要量の決定で使う賃金率はどっちなのか、
解説していきたいと思います。
貨幣賃金率と実質賃金率とは?
まず貨幣賃金率とは1時間何円という時給のことです。
貨幣賃金率は名目賃金率ともいいます。
これに対して
実質賃金率とは財何個分に相当する賃金率か
を表したもののことです。
つまり実質陳賓率とは物何個分に相当する給料なのかを
表したものをいいます。
そして実質賃金率=W/P
で表します。
W:貨幣賃金率
P:物価(製品の価格)
です。
たとえば名目賃金率Wが900円(時給900円)で
労働者を雇って作った製品が45円
だったら、
実質賃金率=900円÷45円=20
となります。
この場合の実質賃金率は
製品20個分の賃金だって意味になります。
古典派の第一公準とは?
前回解説した限界生産力で使うのは貨幣賃金率ではなく
実質賃金率です。
⇒労働の限界生産力とは何か?わかりやすく解説
どうして限界生産力では、
お給料を円でなく個(製品何個分)で
表さないといけないのでしょう?
限界生産力とは1人採用した時の生産量の増加分のことです。
前回解説したグラフだとこんな感じでしたね。
MPLは限界生産力のことで単位は個です。
上記グラフより縦軸のMPL(限界生産力)の単位は個なので
1人採用した時に支払うお給料も個と単位を合わせないと
比較ができませんね。
たとえば、腕相撲大会で
Aさんは握力が50㎏、Bさんは手のひらの長さが20㎝とした場合
㎏と㎝と単位が違うので強さの比較ができませんね。
これと同じで限界生産力の単位が個なので
賃金も個でないと比較ができないわけです。
だから実質賃金率を
労働需要量(限界生産力)の場合には使用します。
前回使ったグラフを利用して考えてみましょう。
グラフの意味が分からない方は前回の記事を
先にご覧ください。
⇒労働の限界生産力とは何か?わかりやすく解説
上記グラフは前回のグラフに
青線で実質賃金率を足したものです。
ここでは実質賃金率が
30個分のお給料だったとしましょう。
で、1人目を企業は採用するでしょうか?
採用するでしょう。
1人目を会社が採用すると
限界生産力が50個分増えます。
これに対して支払う給料は30個ですから
50-30=20個分、会社は得をすることになりますね。
2人目採用すると
限界生産力が40個増えるけど
お給料は30個分払えばいいので、
会社は40-30=10個分得します。
だから会社は2人目を雇います。
3人目はどうでしょう?
限界生産力も実質賃金率も30個なので
会社は損も得もしません。
これ以上人を会社は雇わないでしょう。
仮に4人目を雇ったら限界生産力よりも
実質賃金率の方が高いので
会社は損をしますからね。
ということで利潤を最大化するには
限界生産力MPL=実質賃金率W/P
の点で決まります。
前回の記事で解説しましたが
労働需要量を決める前提として企業は
利潤最大化を目指して行動しています。
これを古典派の第一公準といいます。
つまり古典派の第一公準とは
企業は利潤最大化を目指して
労働の限界生産力MPL=実質賃金率W/P
となるように労働需要量を決めることをいいます。