1次試験

テイラーの科学的管理法をわかりやすく解説




テイラーは科学的管理法の父と言われ
生産現場に近代化をもたらした人物として有名です。

今回はテイラーの科学的管理法について解説します。

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テイラーの科学的管理法ができるまで解説

テイラーさんは人をいい加減な管理ではなく
科学的に管理しようと主張した人物です。

テイラーさんが活躍していたのは
19世紀末のアメリカです。

当時は成行(なりゆき)管理が横行していました。
成行というのは場当たり的ということです。
別のいい方なら、いい加減な管理のことです。

たとえば社長が気分で「お前、こっちの仕事の方が得意そうだから
あっちの部門に移動な!」みたいな
科学的な根拠がなく、直感的な管理が成行管理です。

こんないい加減な管理が
19世紀のアメリカで横行していたんですね。

19世紀アメリカの成行管理ですが、
賃金はどうやって決まっていたのでしょう?
単純出来高給制でした。

現在でたとえるなら歩合制が近いです。
一つ作ったらいくら報酬を与えますよみたいな制度が
単純出来高給制です。

単純出来高給制

たとえば、崎陽軒のシウマイ(仮の話です。本当の話ではありません)で、
シウマイを1個作ったら3円のお給料をあげますよ
みたいな報酬体系だったら、これは立派な単純出来高給制となります。

そうすると、
だんだんスキルがアップします。
みんな頑張ってシウマイを作ろうとしますから。

となると同じ1時間でもたくさんシウマイを作れるようになるので
お給料がどんどん増えるわけですよ。

たとえば、入社当初は1時間で3個のシウマイしか作れなかったのが
1年後、1時間で30個のシウマイを作れるようになったら
10倍のお給料をもらえるようになります。

これが単純出来高給制です。

ですから、ベテランになればなるほど
給料がどんどん増えることになります。

「すごい良い制度ですね!」
と思った方もいるかもしれません。

でも、そんなによい制度でもないんです。

確かに従業員としては良い精度でした。
でも逆に会社の方としてはつらいです。

だって、従業員の給料がどんどん上がったら
会社のお金がどんどん減るわけですから。
会社のお金は有限ですから。

では会社はどう対処したのでしょう?
会社は単価を切り下げるという方法をとりました。

たとえば、今までだったらシウマイ1個作ったら3円の給料支払ったけど、
これからは1個作ったら2円にしたわけです。

1個3円⇒1個2円、
これが単価の切り下げです。

こんな感じで単価の切り下げをやられると
従業員は頑張って働いても意味がないとやる気を失ってしまいます。
そこでまず従業員のAさんが、やる気を失って仕事をさぼります。

でも、この時点では仕事をさぼっているのはAさん1人のみ。
他の人は給料をいっぱいもらおうと、頑張ってシウマイを作ります。

結果、Aさんは仕事をさぼってシウマイを作る量を減らしても
1個当たりの単価は下がります。

そうこうしているうちに
周りの従業員も気づき始め、全従業員が仕事をさぼり始めます。
これを組織的怠業の発生といいます。

みんな一生懸命頑張って、スキルを磨きながら頑張ってきたのに
会社は給料を減らしてくるわけですから、
従業員が一丸となって仕事をさぼるのも無理はないことだと思います。

ここでテイラーさんは怠業には2つのタイプがあるといっています。

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テイラーがいう怠業について解説(テイラーの科学的管理法)

テイラーがいう怠業には

・自然的怠業
・組織的怠業

の2つのことを指します。

自然的怠業とは本能的に労働者が楽をしようとすることをいいます。
大学の講義などで、先生が「疲れたから座って説明しますね」
みたいな感じのことです。

これは誰でもありますね。
避けることができません。
抑えることができないってことです。

本能として人間が持っていることですから。

とにかく自然的怠業は防ぐことができません

これに対して先ほどのシウマイの会社の例で登場した
組織的怠業は防ぐことができます

ここまでまとめますと、
テイラーさんは自然的怠業は多かれ少なかれ発生するもので
仕方がないと考えます。

ところが組織的怠業は労働者が口裏を合わせて働かない話なので
防ぐことができると考えます。

さらにまとめると
自然的怠業は防止できないけど
組織的怠業は防止できると考えた
わけです。

ではどうやったら組織的怠業を防止することができるのでしょう?
19世紀のアメリカでは
会社の管理が成行任せだったわけです。

でもそうではなくて科学的な管理をすれば
組織的怠業を防ぐことができるとテイラーさんは考えました。

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テイラーの科学的管理法の解説

1911年に発表されたテイラーさんの著書『科学的管理法』があります。

この著書によるとまず『課業(タスク)』の設定が必要だと考えました。
課業(かぎょう)とは労働者のノルマのことです。
つまり組織的怠業を防ぐためにノルマを設定するってことです。

現代語ではタスク管理ともいいます。
人間は「いついつまでにこれをやらないといけない」というノルマ(タスク)を決めないと
やる気にならないとテイラーさんは考えました。

ではどうやってノルマを設定すればよいのでしょう?
2つの研究が必要だと考えました。

テイラーが考えた2つの研究とは

・動作研究
・時間研究

のことです。

動作研究とは一流の労働者の動作を観察するってことです。
ちなみに、細かい話になりますが、最初に動作研究について考えたのは
テイラーではなくギルブレスさんです。

ただ、科学的管理法として動作研究を取り入れたのはテイラーさんです。
もし公務員試験であったり中小企業診断士試験に
出題された場合にはご注意ください。

話を元に戻します。

たとえばストップウォッチを使って1分測ります。
この間にレンガを下から上に積み重ねていくときに
どうやって無駄な動きをなくしていかにスピーディーに
無駄な動きを省いてレンガを上に積み重ねていけるか?を
研究したのがテイラーさんです。

つまり、テイラーさんは動作研究に時間研究を組み合わせています。
テイラーさんはベテラン労働者の動きを見ていました。
その人たちの動きというのは本来無駄がないわけです。

テイラーさんはその無駄のない動きを研究したと考えてください。

テイラーさんは動作研究、時間研究をやることで
熟練労働者による1日の最高水準を標準として設定しました。

これを課業といいます。

逆にいうと誰でも到達できる低いハードルではありません。

さらにテイラーさんは単純出来高給制度でなく、
差別的出来高給制度を推奨しました。
タスクの達成度合いに基づいた出来高制度を差別的出来高給制度といいます。

たとえばタスクを時間通りに正しくやり終えた人には
20%などの割増賃金を与えるけど、
達成できなかった人は低い賃金とする制度を差別的出来高給制度
といいます。

つまり、テイラーは差別的出来高給制度を採用すべきだといったわけですね。

さらにテイラーは会社の組織に関して
『職能別職長制度』を置くことを推奨しました。

従来はトップが(一人が)なんでもやってしまう組織があったとしましょう。
でも、そんな万能な人間はいません。

そこで万能職長の代わりに専門職長を置くことを
テイラーさんは主張しました。
たとえば、準備係、修繕係、組立係など
いろんな分野に分けようとしました。

職能別職長制度とは簡単にいうと
いろんな係に分けて、そこに専門職長を置くこと

をいいます。

あと、テイラーさんは『指図票制度(さいずひょうせいど)』も提案しました。
現場で働く人たちは計画部というところで作られた指図票に基づいて
今日やる作業を確かめ、実行できるという制度のことです。

これを現代用語に置き換えると
チェックリストとかやることリストみたいなものです。
チェックリストを見ながら、
今日やることをやり切ればよいわけです。

指図票制度により、監督者はいつも労働者を
監視する必要がなくなります。
結果、監督などの上層部の負担を軽減することができます。

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テイラーの科学的管理法まとめ

テイラーが主張した科学的管理法は
まずタスク(課業)がクリアーできたら給料アップし
クリアーできなかったら低い給料といった差別的出来高給制度を採用すべきだとしました。

つまり、テイラーは人間というのはお金で動く生き物だと考えたわけです。
何のために働くか?それはお金のためだとテイラーは考えました。

給料がアップすればみんなやる気になるとテイラーは考えたわけです。

ちなみにテイラーの科学的管理法を採用した会社は
フォードという自動車会社です。

フォードは少品種で大量生産をしていたので
財務会計でいえば総合原価計算を採用していたわけです。

総合原価計算はこちらの記事をご覧ください。
総合原価計算とは?個別原価計算の違いについても解説

ただ、今後解説する人間関係論の立場では
職場の人間関係の方が大事だと考えました。

科学的管理法だと人間性を完全に無視して
機械の歯車のように人間を考えている。
でも、これはよくないと人間関係論は考えました。
つまり人間関係論ではお金でなく人間関係だろうと主張したわけですね。

もし今回の記事がわかりにくいと感じた場合は、
別の角度からテーラーの科学的管理法について解説しましたので
コチラの記事をご覧ください。
テーラーの科学的管理法をわかりやすく解説