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1次試験

なぜ総供給曲線は右上がりになるのか?




参考文献・URL
マンキュー経済学ミクロ編・マクロ編

分厚いマンキュー経済学を読み解くのがめんどくさい人は、こちらをおすすめします。
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総供給曲線とは何か?定義は
学派によって違います。

ここではケインズ派の総供給曲線を
前提にして考えていきますね。

ケインズ派の場合には企業が利潤最大になるように
決めています。
だから完全雇用かどうか関係ありません。

会社の儲けのために従業員を解雇している可能性だって
考えられるからです。

実質賃金率

企業の利潤が最大になるように労働需要量を決めています。
これは古典派の第一公準ですね。
古典派の第一公準についてわかりやすく解説

つまり企業は1人追加で雇った時の
生産力増加分である労働の限界生産力と実質賃金率が同じになるまで
雇うってことですね。

労働の限界生産力MPL=W/P
ということです。

ここまでを前提にして総供給曲線について
考えていきましょう。

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総供給曲線が右上がりになる理由

まず貨幣賃金率Wは一定と仮定します。

そして企業は労働の限界生産力MPLと
実質賃金率(W/P)が等しくなるように
労働需要量を決めます。

実質賃金率

ここで物価Pが上昇すると、
実質賃金率はW/Pなので、
分母のPが大きくなるため、
全体の実質賃金率は小さくなりますね。

たとえば、時給Wが2000円で
物価Pが200円から400円と2倍に上昇したとしましょう。

物価Pが200円のとき
実質賃金率W/Pは2000÷200=10個分の賃金ですが
物価Pが400円だったら2000÷400=5個分の賃金に下がりますね。

となると、
労働の限界生産力MPL=W/P
でしたから、
労働の限界生産力MPLも下がるので
労働需要量Lを増やすことができますね。

つまり、物価Pが上がったら
いっぱい人を雇えるってことです。

MPL

上記グラフをご覧ください。
実質賃金率が50個のとき、労働需要量は1人です。
でも、実質賃金率が30個に下がったら労働需要量は3個に増えてますね。

つまり物価Pが上昇したら実質賃金率が下がり
結果、労働需要量Lが増えるということです。

労働需要量が増えるということは
働く人が増えるということで
お給料をもらえる人が増えるし、生産量も増えるので
結果、国民所得Yも増加することになります。

以上のことを踏まえて作成するグラフが
総供給曲線です。

総供給曲線とは企業が利潤最大化を前提とする
物価Pと国民所得Yの関係を表すグラフのこと
です。

しかも総供給曲線は
MPL(限界生産力)=W/P
の関係を満たすグラフになります。

ここまでをまとめると

物価P上昇⇒実質賃金率W/P下落⇒安く人を雇えるからいっぱい人を雇う⇒国民所得Yが増える

ということです。

総供給曲線は縦軸に物価P、横軸の国民所得Yを置くので
以下のようなグラフになります。

AS曲線

上記グラフのように
物価Pが増えると、国民所得が増えるので
総供給曲線は右上がりになる
わけですね。

注意点としてはケインズ派は貨幣賃金率Wは一定だと仮定しています。
実質賃金率W/PのうちのWを貨幣賃金率といいます。

ケインズ派はWが一定だからこそ
物価Pが増えれば実質賃金率が下がりいっぱい人を雇い国民所得が増えると
閑雅ているからこそ、総供給曲線は右上がりの曲線になるわけです。

こんな感じでケインズ派の総供給曲線は右上がりになります。
でも古典派は前提が違うので右上がりになりません。

詳しくは次の記事で解説します。