参考文献・URL
マンキュー経済学ミクロ編・マクロ編分厚いマンキュー経済学を読み解くのがめんどくさい人は、こちらをおすすめします。
⇒スタンフォード大学で一番人気の経済学入門(ミクロ編) [ ティモシー・テイラー ]
⇒スタンフォード大学で一番人気の経済学入門(マクロ編) [ ティモシー・テイラー ]
前回の記事では公共財とは何なのか
例を挙げて解説しました。
⇒公共財とは何か具体例を挙げてわかりやすく解説
公共財とは
公共財とは
・消費の非排除性
・消費の非競合性
という2つの要件を同時に満たす財のことでしたね。
この記事ではさらに詳しく
消費の非排除性と消費の非競合性について解説していきたいと思います。
目次
公共財の要件である非排除性と非競合性とは?
消費の非排除性とは、「あいつ、ムカつくから
あいつだけサービスを受けさせないでおこう」ってことができないことを
いいます。
消費の非競合性とはあなたがあるものを消費しても
同じ時間・場所で他の人も消費することができることをいいます。
公共財といえるためには
・消費の非排除性
・消費の非競合性
という2つの要件を同時に満たす必要があります。
非排除性も非競合性もない財
先ほど公共財は
・消費の非排除性
・消費の非競合性
という2つの要件を同時に満たす必要があるといいました。
逆に消費の非排除性と消費の非競合性のどちらも満たさない財には
どんなものがあるでしょう?
つまり、排除性も競合性もある財には
どんなものがあるのでしょう?
![消費の非排除性](https://www.management-consultant.info/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
たとえば、缶チューハイは排除性も競合性もあります。
だから公共財ではありません。
缶チューハイは酒屋さんやスーパーに対して
お金を支払わないと手に入れることができません。
それから
少し前に流行ったハンドスピナーも同じです。
ハンドスピナーも排除性・競合性どちらも兼ね備えています。
お金を払わないと買えない(サービスを受けられない)=排除性があります。
また、欲しくても売切れたら
缶チューハイもハンドスピナーも買えない点で競合性もあります。
こんな感じで競合性も排除性もある財を私的財といいます。
排除可能性はないけど競合性はある財
次に競合性は先ほどの私的財と同様にあるけど
排除可能性がない、つまり非排除性がある財には
どんな財があるのでしょうか?
![共有資源](https://www.management-consultant.info/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
たとえば海にいるタコが当てはまります。
タコは有限です。
他の漁師が全部捕まえてしまったら
どれだけ優秀な漁師でも、
タコを捕まえることはできません。
なのでタコには競合性があります。
ただ、法律や条例などで規制がないという前提があるとしたら
誰でもタコ漁をすることができます。
そういった意味ではタコに排除性がありません。
それから
一般道。
一般道は上記画像のように無料で誰でも利用できるため
渋滞する可能性があります。
ただ誰でも利用できるということは排除性がありません。
ただみんな同じ道を利用したら渋滞してしまって
思い通りに運転できません。
そういった意味で競合性があります。
こんな感じで競合性はあるけど排除性がない財を
共有資源といったりします。
非競合性に該当するが、非排除性はない財
![公共財 非競合性 非排除性](https://www.management-consultant.info/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
次に非競合性はあるけど非排除性はない財として
CSなどのテレビ放送があります。
CSは有料なのでテレビ放送は排除可能性はありますね。
お金を支払わないと見ることができません。
でも、競合性はありません。
日本中の人がみんなCS放送に加入しても
全員見ることができますから。
それから
![非競合性](https://www.management-consultant.info/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
自宅の水道もお金を支払わないと止められてしまいます。
だから非排除性はありません。
排除性があるってことです。
ややこしいですね。
でも、お金さえ払っていれば、
よほどの水不足にでもならない限り
全員、水道の水を利用することができます。
そういった意味では非競合性はあります。
こういった非競合性はあるけど、非排除性はないものを
自然独占といいます。
非排除性も非競合性もある公共財
![公共財とは 具体例 わかりやすく](https://www.management-consultant.info/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
非排除性も非競合性もある財を公共財と言います。
たとえば堤防。
堤防は税金を払っていてもいなくても
市が県がみんなのために作ってくれます。
だから非排除性があります。
また、ある人だけ堤防を利用させないとか
そんなひどいことを市や県はしませんので
非競合性もあります。
こういった財を公共財といいます。
非排除性・非競合性まとめ
![まとめ](https://www.management-consultant.info/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
まとめますと
・非競合性も非排除性もないもの(私的財、缶チューハイ)
・非競合性はないけど非排除性はあるもの(共有資源、タコ)
・非競合性はあるけど非排除性はない(自然独占、CS放送)
・非競合性も非排除性もあるもの(公共財、堤防)
です。
以上で解説は終わりますが、
公共財は市場の失敗を起こすことがあります。
詳しくはこちらで解説しています。
⇒なぜ公共財は市場の失敗を起こすのか?問題点について解説