参考文献・URL
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前回の記事でISアプローチとは何か?
解説しました。
まだご覧になっていない方はこちらをご覧ください。
⇒ISバランスとは?わかりやすく解説します
ISバランスの式は
EX(輸出)-IM(輸入)=(S(貯蓄)-I(投資))+(T(租税)-G(政府支出))
でしたね。
この式を利用して
例題を解いて、
さらに理解を深めていきましょう。
そもそもISバランスアプローチとは?
ISバランスの式は
EX(輸出)-IM(輸入)=(S(貯蓄)-I(投資))+(T(租税)-G(政府支出))
ですが、
ISバランスアプローチとは
上記式の(S(貯蓄)-I(投資))より、
国内の貯蓄と投資のバランスで輸出入、つまり
EX(輸出)-IM(輸入)が決まるというアプローチのことをいいます。
では実際にISバランスアプローチを使う例題を解いていきましょう。
ISバランスアプローチを利用する例題
ISバランスアプローチを利用する例題
租税Tが60兆円、政府支出Gが100兆円、経常収支黒字が10兆円とする。
このとき民間部門における投資Iと貯蓄Sの関係はどうなりますか?
ISバランスの式は
EX(輸出)-IM(輸入)=(S(貯蓄)-I(投資))+(T(租税)-G(政府支出))
でしたね。
上記例題で経常収支というのは
EX(輸出)からIM(輸入)を引いたものをいいます。
経常収支は貿易収支ともいいます。
それから
(S-I)を国内貯蓄超過、(T-G)を財政収支といいます。
「T-Gがどうして財政収支なの?」
と思った方もいるかもしれませんね。
政府からしたら租税(税収)Tは収入であって
政府支出Gはまさしく支出なので、TがGより大きいほうが
収入が大きくなるわけです。
この例題での数字をISバランスの式に当てはめてみましょう。
租税Tが60兆円、政府支出Gが100兆円、経常収支黒字が10兆円(EX-IM=10ということ)
ですから、
ISバランスの式
EX(輸出)-IM(輸入)=(S(貯蓄)-I(投資))+(T(租税)-G(政府支出))
なので
10=(S-I)+(60-100)
上記式を計算すると
10=(S-I)-40
10+40=(S-I)
よって貯蓄Sから投資Iを引くと+50となるわけですね。
つまり貯蓄の方が投資よりも50兆円多いとわかります。
これが例題の答えです。
ISバランスアプローチの問題は式さえ覚えておけば
間違えようがない簡単な問題ばかりです。
計算ミスに十分気を付けるようにお願いします。