参考文献・URL
マンキュー経済学ミクロ編・マクロ編分厚いマンキュー経済学を読み解くのがめんどくさい人は、こちらをおすすめします。
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前回の記事までで
投資乗数、政府支出乗数、租税乗数について解説してきました。
⇒政府支出乗数と投資乗数の公式についてわかりやすく解説
⇒租税乗数とは?公式の導出方法についても分かりやすく解説
今回は均衡予算乗数とは何か?
公式の求め方についても解説していきたいと思います。
均衡予算乗数とは?わかりやすく解説
まず均衡予算とは何でしょう?
均衡予算とは政府支出(G)を増やした分と同じ分だけ
税金(T)を増やした状態のことのことです。
言い換えると、政府支出の増加分を税金で
まかなっている状態をいいます。
つまり、政府支出が増えた分、増税しているわけですから
予算は均衡しているので均衡予算と言うわけですね。
で、均衡予算のとき、国民所得に与える影響はどれくらいか?
を表すのが均衡予算乗数といいます。
政府支出を増やすと国民所得を増やす効果がありますね。
⇒政府支出乗数と投資乗数の公式についてわかりやすく解説
これに対して税金を増やすと国民所得を減らしますね。
⇒租税乗数とは?公式の導出方法についても分かりやすく解説
話を元に戻して、
均衡予算って増税して政府の収入が上がっても政府支出をして
金額が均衡しているわけだから、意味のない話なんじゃないか?
と思われがちです。
でも、意味があります。
まず均衡予算乗数って1になります。
で、政府支出(G)、税金(T)を同じだけ増やした分だけ
同じ額だけ国民所得が増えるというのが均衡予算乗数の考え方になります。
乗数が1っていうのは同額という意味ですね。
なにかに1をかけても数字に変化がないですから。
ここから先は租税乗数や政府支出乗数の知識が必要になります。
もし租税乗数や政府支出乗数について未学習なら、
先にこちらの記事をご覧ください。
⇒政府支出乗数と投資乗数の公式についてわかりやすく解説
⇒租税乗数とは?公式の導出方法についても分かりやすく解説
均衡予算乗数の公式の求め方
こちらをご覧ください。
(下記式は定額税とします)
上記式で⊿Y/⊿Gは、政府支出の増加分(⊿G)に対して
国民所得(⊿Y)はどれだけ増加しているか?という意味になります。
なので、これはまさに政府支出乗数を意味することになります。
それから⊿Y/⊿Tですが、税金の増加分(⊿T)に対して国民所得(⊿Y)はどれだけ増加しているか?という意味になりますので、租税乗数を意味しています。
で、⊿Y/⊿Gに⊿Y/⊿Tを加えたら、
上記式のようになり1になります。
均衡予算乗数の例題を解いてみましょう
例題
Y(国民所得)=C(消費)+I(投資)+G(政府支出)
I(投資)=20、G(政府支出)=8、
T(租税)=8とする。
政府が均衡予算を採用している時、
政府が租税を3増加させたら、GDPはいくら増加しますか?
この問題で悩まないでくださいね。
ここまでの解説で均衡予算乗数は1だとわかっていますね。
なので、政府が租税を3増加させるということは均衡予算なので
政府支出も3増加させ、結果的にGDPが3増加するわけですね。
中小企業診断士1次試験平成25年第4問でも、
似たような問題が出題されていますので
均衡予算の問題が出題されても焦らないでくださいね。