この記事では為替リスクとはどういうことなのか、
わかりやすく解説していきたいと思います。
為替リスクを理解する前提
日本のペット会社があるとします。
この会社はアメリカのペット会社から
ドッグフードを輸入しているとしますね。
輸入するドッグフード代はドルで支払うことになっています。
このとき、日本のペット会社は円しか持ってないので
銀行に行って円をドルに交換することが多いです。
ドッグフード代は9000ドルでした。
で、これから先の話を理解しやすくするために
この9000ドル=ドッグフードそのものだと
思ってください。
その方が理解しやすいと思います。
つまり、9000ドルという商品を日本のペット会社は購入したということです。
ただ、為替相場というものは毎日、変動しています。
1ドル110円だと思ったら、次の日には1ドル108円になっていたりとか。
もし、アメリカのペット会社が
「今すぐ9000ドル支払ってくださいね」と言われたら
為替の変動の問題を受けにくいので問題ありません。
でも、アメリカのペット会社が
「9000ドルの支払いは6か月後にお願いします」
と言ってきたら・・・
6か月後の9000ドルというのは、
現在支払った場合の日本円ですまない可能性が高いわけですね。
たとえば上記のように1ドル80円だとすると
9000ドルのドッグフードを仕入れた場合の仕訳というのは
日本の会社としては円ベースでしますから、
となりますね。
そして6か月後も為替レートが同じだった場合には
現金を72万円支払ったら終わりです。
でも、6か月後、1ドル100円になった場合には
支払う現金は90万円になります。
その場合の仕訳は上記画像のようになりますね。
借方の72万円にさらに18万円加えないといけません。
この18万円の勘定科目は為替による損なので、
為替差損となります。
したがって
(借方)買掛金720,000円/(貸方)現金900,000円
為替差損180,000円/
となりますね。
逆に6か月後、1ドル80円が70円になっていたら・・・
支払う現金が63万円となり、貸方に為替差益90,000円
を記載することになりますね。
こんな感じで同じ9,000ドルの支払いだとしても
当日のレートの違いによって、支払う金額が円ベースだと
変わっていくわけです。
たとえば上記のようなレートだった場合
1ドル80円が一番日本のペット会社にとっては得が大きいわけですね。
この状態を円高ドル安といいます。
逆に円安ドル高の時が一番、日本のペット会社にとっては
損することになります。
為替リスクとは?
こんな感じで海外の業者から商品を輸入する場合
支払い当日のレートによって得をする場合もあれば
損をする場合もあるわけですね。
つまり不確実性があるわけです。
日本の会社は損したくありません。
なんとかして得をしようと考えるわけです。
こういった人や会社のことをリスク回避者といいます。
また、こんな感じで当日の為替レートによって損をしたり
得をしたりするという不確実性のことを為替リスクというわけですね。