参考文献・URL
マンキュー経済学ミクロ編・マクロ編分厚いマンキュー経済学を読み解くのがめんどくさい人は、こちらをおすすめします。
⇒スタンフォード大学で一番人気の経済学入門(ミクロ編) [ ティモシー・テイラー ]
⇒スタンフォード大学で一番人気の経済学入門(マクロ編) [ ティモシー・テイラー ]
前回、LM曲線を導出してみました。
⇒LM曲線導出のための3ステップについて分かりやすく解説
LM曲線はこちらのようになるんでしたね。
で、LM曲線を式で表すとこちらのようになります。
今回の記事では、LM曲線の式について分かりやすく解説していきます。
LM曲線の式の前提として
LM曲線の式をグラフで表すとこのようになります。
LM曲線の式
は、上記グラフでも流動性のわなの部分を除いた
右上がりの部分を表しています。
流動性のわなは上記LM曲線のうち、黄緑色の水平部分です。
流動性のわなについてはこちらの記事をご覧ください。
⇒貨幣需要の動機についてわかりやすく解説
それからどうして流動性のわなの部分は水平になるのか
についてはこちらの記事最後あたりをご覧ください。
⇒LM曲線導出のための3ステップについて分かりやすく解説
それではLM曲線の式について解説していきます。
LM曲線の一般式について
LM曲線の式はこちらです。
まずrは利子率です。
それからk/hが傾きで、-M0/hが切片となっています。
傾きがk/hとなっていますが、
hは貨幣需要の利子感応度を表しています。
利子感応度は利子弾力性ともいいます。
それからkは貨幣需要の所得感応度を表しています。
所得感応度は所得弾力性ともいいます。
LM曲線の式と傾きの関係
まずh(貨幣需要の利子感応度)から。
利子感応度は利子に対して貨幣需要がどれくらい反応するか?を表しています。
利hは傾きの分母にありますね。
分母は小さければ小さいほど全体は大きくなります。
だから、hが小さくなると傾き(全体)は大きくなります。
だからLM曲線の傾きは急になります。
傾きというのはたとえばx軸が1右側に移動したときに
いくらy軸が上に移動するか?です。
傾きが3ならx軸(右側)に1移動したら
y軸(上側)に3移動するってことです。
傾きが10ならx軸(右側)に1移動したら
y軸(上側)に10移動するってことです。
傾きが3よりも傾きが10の方が傾斜が急になりますね。
だから傾きの分母である利子感応度が小さいと
傾き全体は大きくなるので急になります。
逆に利子感応度hが大きいと傾き全体は小さくなるので
傾斜は緩くなります。
それからk(貨幣需要の所得感応度)ですね。
kは傾きの分子です。
分子は大きい方が全体は大きくなります。
逆に分子は小さい方が全体は小さくなります。
なので、kが小さくなればなるほど傾きは小さくなり
LM曲線の傾斜は緩くなります。
逆にkが大きくなればなるほど、傾きが大きくなるので
LM曲線の傾斜は急になります。
LM曲線の式と傾きについてさらに詳しく解説
所得感応度は所得に対して貨幣需要がどれくらい反応するか?
を表しています。
もし所得が大きくなると、上記グラフのように取引需要が大きくなります。
取引需要についてはこちらの記事をご覧ください。
⇒貨幣需要の動機についてわかりやすく解説
すると
上記貨幣需要曲線が右にシフトします。
ということは利子率が大きくシフトすることになります。
ということは
LM曲線の縦軸は利子率なのでLM曲線の傾きが急になりますね。
つまり、所得が増える(所得感応度が増える)とLM曲線の傾きは急になるということです。
これに対して
利子感応度は利子に対して貨幣需要がどれくらい反応するか?
を表しています。
貨幣需要曲線で利子が一定だったら
貨幣需要がどれくらい変わるか?で考えます。
利子が一定で貨幣需要が大きく変化するなら
利子感応度が高いです。
逆に利子が一定で貨幣需要の変化が小さいなら
利子感応度は低いです。
利子感応度が高い方が上記グラフみたいにシフトさせたときに
利子率の変化は小さくなります。
なので、利子感応度が大きい時の方が
傾きはゆるやかになります。
以上で解説を終わります。