参考文献・URL
マンキュー経済学ミクロ編・マクロ編分厚いマンキュー経済学を読み解くのがめんどくさい人は、こちらをおすすめします。
⇒スタンフォード大学で一番人気の経済学入門(ミクロ編) [ ティモシー・テイラー ]
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前回解説した加速度原理ですが、
かなりざっくりとした考え方でしたね。
加速度原理を利用して投資判断なんてしたら
最悪、大赤字を出してしまい倒産してしまう可能性があります。
⇒加速度原理についてわかりやすく解説
そこで登場したのがストック調整原理です。
この記事ではストック調整原理について
わかりやすく解説します。
ストック調整原理とは何かわかりやすく解説
ストック調整原理の式はこちらです。
(Ib=λ(Kb*-Kb-1)
「よくわかんないよ」という声が聞こえてきそうですね。
λ(ラムダ)とか*(スター)とか出てきたら
拒絶反応が出ちゃいますよね。
ではこちらをご覧ください。
bは当期のことです。
b-1は1年前とか1回前の期のことです。
λはラムダと読み、定数で0から1の間です(0と1は含みません)。
式だけだとわかりにくいので
具体例で考えていきましょうか。
たとえば今年b期の望ましい資本量が500台
ところが前回末(b-1期)の資本量が400台しかありませんでした。
ここで資本量は商品を作るための機械の数だと思ってください。
つまり、前回末で400台しか機械がなかったけど
今期で望ましい機械の数は500台だということ。
なので、500台ー400台=100台分、
機械を工場に置かないといけないってわけです。
100台分今年新たに投資をしないといけないということです。
この100台分を導き出す考え方が加速度原理です。
加速度原理的な考え方だと100台必要だったら
100台分投資しましょうって考えたになります。
⇒加速度原理についてわかりやすく解説
ところがストック調整原理は100台、
「今期必要という予想だからといって
もし予想が外れたらどうするの?
うまくいかなかったら会社が潰れてしまうよ」
だから仮に定数λが0.3だったら100台×0.3=30台
「本当は100台という予測だけど
失敗したら困るからIb=30台しておこう」
という理論がストック調整原理です。
ちなみに定数λのことを伸縮調整係数といいます。
0<λ<1
なので、λは0から1の間で実際にどれだけの割合で
投資するのか?を表しています。
ストック調整原理の特徴
ストック調整原理は加速度原理の問題点だった、
予測が外れたら会社が倒産してしまうほどの危険性を
λという伸縮調整係数を使うことでクリアーしていますね。
ですが、λがいくらか決定する根拠が薄いです。
たとえばλが0.3だと決まっても、
「なぜ0.3なの?」というなぜに答えにくいという
デメリットがあります。
ある意味会社の命運を適当な数字に任せるわけです。
λがどうやって決まったか?という理由を
きちんと説明できないとIbという投資量の根拠を
説明したことになりませんね。
この辺は加速度原理よりマシですが
完全に信じて投資の意思決定をするまでには
至らない理論だといえるかもしれませんね。