個別原価計算の手続きで大事なことは2つあるんでしたね。
⇒直接材料費を原価計算表に記入する手順
今回はそのうちの1つ、製造間接費の配賦の中で登場する
配賦基準とは何か、例を挙げて解説していきたいと思います。
配賦基準とは?
たとえばオーダーメイドの机を作るメーカーがあるとしましょう。
オーダーメイド(受注生産)のメーカーの原価計算は個別原価計算でしたね。
⇒個別原価計算と総合原価計算の違い
このメーカーが作った机の原価の中でも
製造間接費(間接材料費、間接労務費、間接経費)って
どの机にいくらかかったかが、明らかではありません。
製造間接費とか間接材料費とか、
そういった名称がわからない方はこちらの記事を先にご覧ください。
⇒製造原価の内訳
そこである一定の基準にしたがって製造間接費を
各製造指図書に『振り分けます』。
まず、振り分けることを配賦といいます。
そして『ある一定の基準』のことを配賦基準といいます。
配賦基準の例
オーダーメイドの机を作る工場を例に考えていきます。
この工場では2種類の机を作っているとしましょう。
1つは木製の机、もう1つはスチール製の机です。
たとえば、木製の机とスチールの机で製造間接費が共通に1万円
かかっているとします。
製造直接費だと具体的に木製の机がいくらかかっていて
スチールの机がいくらかかっているか、
把握できます。
でも、製造間接費だと、具体的にどれが木製で
どれがスチール製にかかっているか、
把握できません。
そもそも具体的にかかった費用が把握できないものを
製造間接費というわけですからね。
そこでいろんな基準(配賦基準のこと)があるんですが、
作業時間を基準にして計算するのが一般的です。
たとえば、木製の机の作業時間が20時間で、
スチール製の机の作業時間が5時間だったとしましょう。
すると比率は20:5で分けることになります。
ということは製造間接費が共通に1万円かかっているので、
以下のような式となります。
こんな感じで分けます。
具体的な計算式の作り方は
今後の記事で解説していきたいと思います。
この記事では配賦基準の例を示したかっただけなので。
とりあえずこんな感じで配賦基準を使って
製造間接費の配賦をしていきます。
次の記事でどうやって配賦基準を使って
配賦額を計算したのか、具体的に解説していきます。
⇒配賦率の計算方法|製造間接費を配賦する手順