今回から工業簿記(財務会計)では標準原価計算について
解説していきたいと思います。
標準原価計算は試験にも非常に大切ですし
社会的な意味もあります。
今回の記事では標準原価計算と実際原価計算の違いを
説明したいと思います。
標準原価計算と実際原価計算の違い
そもそも標準原価計算ってどのようなものなのでしょう?
もともと、人間って何があれば頑張れるのか?
という話からスタートしています。
どういうことなのか?というと
まず目標を設定しましょう。
目標を設定した結果、その目標に対して近づいていくということは
人間頑張れるわけです。
どうやって目標に近づいていくのか?となると、
標準原価計算ではコストダウンするってことです。
コストを下げないと利益が確保できません。
コストを下げることによって利益を確保しようという工夫の中で
標準原価という目標の原価を決めて、この原価を守れるように
生産をして、無駄なコストを減らしていきましょうという
コストダウンのために工夫された形が標準原価計算なんです。
今まで解説してきた原価計算を実際原価計算といいます。
たとえばこちらの記事で解説しているような原価計算は
実際原価計算です。
⇒総合原価計算とは?個別原価計算の違いについても解説
要するに実際原価計算と標準原価計算は違うってことです。
標準原価計算は目標を設定して
目標に近づくように努力しようということから
出てくる計算です。
たとえば製品1個について@1000円で作りましょうという
目標を立てたとしますね。
それに対して実際にかかった原価が@1200円でした。
もちろん生産活動をする前に
@1000円という目標があって
材料や作業時間を無駄遣いしなかったら
始めて@1000円となるようにちょっときつめの目標を掲げるわけです。
これが標準原価です。
実際には@1200円になったとしたら
差が1200円ー1000円=200円という差がでてきます。
ということは200円分のコストダウンの余地があったとわかるわけです。
この目標の@1000円を標準原価とよぶわけです。
これに対して実際に発生した原価を製品の原価とする計算を実際原価計算といいます。
実際原価と標準原価を比較して
どこに無駄があったか?無駄の部分を突き止めて
できるだけ無駄が発生しないようにするための計算が標準原価計算です。
つまり、ありのままにかかった原価を計算する手法が実際原価計算で
実際にかかった原価と目標とする原価を比較する計算方法が標準原価計算という
ことです。
特に標準原価計算は無駄な作業時間や材料をカットするのに
適した計算方法なので、実務では標準原価計算の
理解は必須と言えるでしょう。
以上で解説を終わります。