今回の記事では垂直統合と水平統合について例を挙げながら
わかりやすく解説していきたいと思います。
垂直統合と水平統合とは?
まず垂直統合とはサプライチェーンの上流あるいは下流にある工程を
1つの企業内にまとめあげることです。
サプライチェーンについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
⇒SCM(サプライチェーンマネジメント)の事例をわかりやすく解説
簡単にいうと、缶詰を例にしてみますと
缶詰の具材(たとえば桃の缶詰なら桃)の生産農家があって、
缶詰の製造会社があって、缶詰を卸に輸送する会社があって、缶詰の問屋があって
缶詰を販売するスーパーがあったとしたら、
これらすべての会社を買収するなどして1つの会社にしたらこれは立派な垂直統合です。
全部買収しなくても1つでも2つでも買収するのも垂直統合です。
これに対して水平統合とは同じ事業をやっている複数の企業が1つの企業に統合されることです。
たとえば、先ほどの桃の缶詰でいったら、
桃の缶詰を製造するメーカーが複数あったとしたら
これら複数のメーカーが1つになったらこれは立派な水平統合です。
垂直統合と水平統合の具体例
たとえば、ピザを作って売るという事を考えると
まず、小麦農家が小麦を作り、製粉業者がそれを小麦粉にして
ピザの製造業者が小麦を使ってピザの生地にして
他にもいろんな具材をのせて焼いて販売業者が販売してお客さんがピザを買うわけです。
つまり、お客さんにピザがやってくるまでの川の流れみたいなものです。
で、ピザの製造業者が製粉会社とか販売業に進出するならこれは垂直統合になります。
やり方はいろいろで、製粉業は自社開発で進出してもいいですし
販売業にM&Aで買収してもOKです。
あと細かいですが、川の流れみたいなものですから
川下が消費者で、方向としては消費者に向かって歩いて行くものなので
ピザの製造業をやっている会社がより消費者から遠い製粉業に進出することは
川上とか後方統合と言ったりし、より消費者に近づく販売業などに進むことは川下とか前方統合といったりします。
これに対して水平統合というのは横です。
ピザの製造業者が他のピザの製造業者を吸収するとか
あるいは同種ですから、パンの製造業に進出するのも水平統合と言います。
以上で水平統合と垂直統合についての解説を終わります。