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1次試験

なぜ労働供給曲線は後方屈曲型になるのか?




参考文献・URL
マンキュー経済学ミクロ編・マクロ編

分厚いマンキュー経済学を読み解くのがめんどくさい人は、こちらをおすすめします。
スタンフォード大学で一番人気の経済学入門(ミクロ編) [ ティモシー・テイラー ]
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今回の記事では労働供給曲線は
なぜ後方屈曲型になるのか?解説します。

後方屈曲型とは上記グラフのようなものをいいます。

まず、労働供給曲線について解説する前提として、
代替効果と所得効果から解説していきますね。

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なぜ労働供給曲線は後方屈曲型になるの?|代替効果と所得効果

労働供給曲線

あなたに質問があります。

時給(賃金)が上がったら、
労働時間が増えるのか減るのかどっちでしょう?

普通に考えたら、
「時給が上がったら労働時間は増えるでしょ!」
って思うかもしれません。

時給が800円で10時間働いたら8000円です。
時給が1000円に上がって労働時間を15時間に増やしたらお給料は15000円になります。
時給が上がったら、もっと頑張ろうという気持ちになりそうな気がしますね。

でも、そんな簡単な話ではありません。

お給料が上がると、労働時間が増える家計もあれば
余暇時間が増える家計もあります。

だからどっちが増えるか?というのはケースバイケースになります。

ところで、賃金が上がったときに
労働時間がどのように変化するのか?というのは
代替効果と所得効果の2つの効果で考えていくことになるんです。
所得効果と代替効果を図(グラフ)を使ってわかりやすく解説

1時間当たりの賃金wが上がったという設定にします。
ちなみに時給が800円が1000円に上がったとしても
1日24時間がマックスなのは変わりません。

ご注意ください。

時給が上がったら1日が30時間とか40時間に増えることはありませんからね。
時間はみんな平等で1日24時間です。

予算制約線

それから上のグラフをご覧ください。
これは前回の記事で解説しましたが、
予算制約線や無差別曲線の位置関係です。
最適労働供給時間の求め方

で、

予算制約式は
Y=-wL+24w
(Y=所得、w=賃金、L=余暇時間)
なので、

予算制約線

予算制約線の傾きは―wとなるんでしたね。

「さっぱりわからない・・・」
という方、経済学は積み重ねの学問です。

先にこちらの記事をご覧ください。
最適労働供給時間の求め方

予算制約線

で、昨日まで時給が800円だったのが、
今日から時給が1000円にアップしたとしましょう。

すると昨日までの時給(800円)における予算制約線は紫色で傾きはーwで、
今日からの時給(1000円)における予算制約線はピンク色の線で傾きはーw*となります。
時給がアップしたことで傾きが急になりましたね

時給が上がった=傾きが上がった
と考えてください。

予算制約線

次に時給が上がり、傾きが急になった予算制約線(ピンク色)を
平行にずらしましょう。
そして元の時給時代(元の無差別曲線にくっつく位置)に戻します(黄緑色の線)。

これは所得効果と代替効果のところでくどいくらいに
解説していますので、よくわからない方はこちらをご覧ください。
所得効果と代替効果を図(グラフ)を使ってわかりやすく解説

これで代替効果、所得効果について検討していくことになります。

代替効果と所得効果

スタートはE点です(紫色の予算制約線上)。
時給が上がることで予算制約線が移動し(ピンク色の線)、傾きが急になり、
それを平行に戻した(黄緑色の線)わけですね。

代替効果

代替効果というのは損得勘定を表す効果でしたね。
代替効果により点Eが点eに移動します。

代替効果は損得勘定を表す効果です。

時給が上がったのなら、もっと働いて稼ごうとします。
なので、横軸の余暇時間を減らして労働時間を増やそうとするわけですね。
結果、所得が増えます。

代替効果

つまり、代替効果による点Eから点eの移動で
横軸は左側に(余暇時間減少)、縦軸は上に(所得アップ)なる結果、
左上に点が移動したわけですね。

ただ、損得勘定だけの人生ってつまらないものです。

次に所得効果を考えていきましょう。

所得効果

損得勘定を捨てて、時給が上がって
同じ労働時間でも所得は増えたから家族で温泉旅行にでも行こう
みたいに余暇時間を増やそうとします。

つまり、時給アップ⇒生活に余裕ができる⇒余暇時間を増やす
ということです。

所得効果

となると、点eから点E*に移動します。
この動きが所得効果です。

ところでこの家計、

代替効果と所得効果

代替効果と所得効果を見ると
横軸の余暇時間に与える影響で考えると
代替効果の方が強いです。

代替効果で左側へ強く動き、所得効果で少し戻りますが、
最初の点Eよりは左側に落ち着いています。

つまり、最終的には少し余暇時間が減っています。
(横軸で見ると最初の点Eより所得効果で落ち着いた点E*の方が
ほんの少しだけ左側にある)

ということはその分だけ労働時間が増えているってことです。
これは代替効果の方が所得効果より強いからです。

次に逆のケースを見ていきましょう。
同じように時給が上がりました。

所得効果の方が大きいケース

使っている色はさっきのグラフと同じです。

賃金が上がったときに
代替効果としてはさっきとまったく同じ動きです。
点Eから点eに移動し、余暇時間が減り労働時間が増えます。

所得効果は点eから点E*へと移動します。
今回の家計は代替効果より所得効果の方が大きい家計です。
給料が上がり、余暇時間が最初より増えていますからね
(横軸が最初より右側になっている)。

逆に労働時間は減っています。

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なぜ労働供給曲線は後方屈曲型になるの?|代替効果・所得効果まとめ

次に機会費用について理解しておきましょう。
機会費用というのはたとえば、
あなたに与えられた選択肢は働くか自由時間(余暇時間)の2択しかありません。

このときに余暇時間を選んだとしましょう。
もし時給800円だったら、
この800円を犠牲にすることになります。

この800円が機会費用になります。

800円を無駄にしているという意味です。
今回の記事における機会費用は時給です。

今回の記事では時給が上がったという前提でした。
たとえば時給800円が1000円に上がったみたいな話です。
もし余暇として使ってしまうと機会費用が増えるってことです。

まず代替効果は損得勘定をベースに考えます。
時給が上がった場合、労働時間を増加させるのが代替効果です。
言い換えると余暇時間の機会費用が上がってます。
賃金(時給)が上がっているから無駄にしているお金が増えてるってことです。

だからもったいないという気持ちになり、
結果として労働時間が増えるというのが代替効果です。

これに対して所得効果ですが、
余暇時間は上級財を前提にしています。
上級財と下級財の違いを例を挙げてわかりやすく解説

上級財とは所得が増えると消費量が増える財のことです。
余暇時間が上級財ということは所得が増えれば余暇時間も増えるということになります。

お金が増えれば増えるほど、自由時間も増えるってことですね。
こういう前提になっています。

つまり、時給が上がり、所得アップする結果、
余暇を楽しもうとする結果、逆に労働時間が下がります。

こんな感じで代替効果と代替効果では逆の動きをします。

ここで全部効果(所得効果と代替効果を足したもの)で考えると、
代替効果の方が所得効果より大きい場合は余暇時間が減少し、労働時間が増えます。

所得効果の方が代替効果より大きい場合は
余暇時間が増加し、労働時間が減ります。

全部効果とは?わかりやすく解説

ここまでが今回の本題の前提となります。
ここまでがわかってないと本題を理解できません。

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なぜ労働供給曲線は後方屈曲型になるのか?

ここまでの話を労働供給曲線使って理解を深めていきましょう。

労働供給曲線

縦軸に賃金w(時給のこと)、横軸に労働供給N(労働時間)をとります。
賃金wと労働時間が直接どういう関係になるか?表したグラフが
労働供給曲線です。

縦軸の賃金wが上がったり下がったりすると
労働時間どれくらい増えたり減ったりするのか?
表しています。

たとえば、wBという賃金を一つの目安として考えてみましょう。
wBの時給を1,000円としましょう。

労働供給曲線

これよりも低い時給場合を低時給
時給1,000円を超えている場合を高時給
としましょう。

低時給の方で、たとえば時給800円の人が
時給1000円に上がったとしましょう。

この場合、代替効果と所得効果のどちらが強くなるでしょう?
ふつうはもったいない(損得勘定)という気持ちの方が強いと言われているんです。

労働供給曲線

時給1000円より低い人の時給が上がった場合、
代替効果の方が所得効果より強く出ると考えられる
ので、
横軸の労働供給(労働時間)が増える(右へ移動)します。

なのでグラフで見ると右上に上がるような線ができます。

逆にもともと時給1000円以上の人の時給が上がったとしましょう。
たとえば時給1200円の人が時給1500円に上がったとか。
高時給の人の時給がさらに上がると、余暇を楽しもうとします。

温泉旅行に行ったりします。

労働供給曲線完成図

なのでこの場合、代替効果より所得効果の方が強く出るため
労働時間を減らそうとするわけです。

結果、グラフでは左上に動きます。

こんな感じで賃金が高い状況と低い状況だと
代替効果と所得効果の強さが逆転してしまうんです。

低時給の人たちは代替効果が強く、
高時給の人たちは所得効果の方が強いと
一般的には言われています。

なので、労働供給曲線は後方屈曲型になるんです。
要するに後ろに曲がってしまいます。

以上で解説を終わります。