参考文献・URL
マンキュー経済学ミクロ編・マクロ編分厚いマンキュー経済学を読み解くのがめんどくさい人は、こちらをおすすめします。
⇒スタンフォード大学で一番人気の経済学入門(ミクロ編) [ ティモシー・テイラー ]
⇒スタンフォード大学で一番人気の経済学入門(マクロ編) [ ティモシー・テイラー ]
今回はデフレギャップとはどういうものなのか、
グラフを使ってわかりやすく解説していきたいと思います。
デフレギャップとは?
デフレギャップとは失業者がいない(完全雇用国民所得)のときに
総需要が総供給よりも少ないとくの大きさのことです。
総需要と総供給についてはこちらの記事で解説しています。
⇒財市場の均衡条件
完全雇用国民所得についてはこちらの記事で解説しています。
⇒完全雇用国民所得とは?
前回の記事ではYD(総需要)=C(個人消費)+I(民間投資)という前提で解説しました。
⇒財市場の均衡条件
ただ、デフレギャップでは政府が関係してくるため
今回はYD(総需要)=C(個人消費)+I(民間投資)+G(政府支出)
と膨らませていきます。
ただ、YDの完全体は
YD(総需要)=C(個人消費)+I(民間投資)+G(政府支出)+EX(輸出)-IM(輸入)
なので、今回の記事でもまだ省略していたりします。
可処分所得とは?
デフレギャップを理解するために
可処分所得という用語を知っておきましょう。
可処分所得とは処分可能な所得のことで、
経済学ではYdと記載することが多いです。
わかりやすくいうと
所得から所得税などの税金や社会保険料を差し引いたものを可処分所得といいます。
もっとわかりやすくいうと
可処分所得=手取り
のことです。
よって
となります。
デフレギャップのグラフ
先ほど、
YD(総需要)=C(個人消費)+I(民間投資)+G(政府支出)
と記載しました。
このYDにケインズ型消費関数の式を代入します。
ただ、今回は国民所得Yを可処分所得Ydとします。
国民所得Yから租税Tを引いたら可処分所得になるので
そんなに意味が変わるわけではありません。
すると、
YD(総需要)=C+I+Gより
CにC0+cYdを代入すると、
YD=C0+cYd+I+Gとなりますね。
で、可処分所得Yd=所得Y-租税T
ですから、
YD=C0+c(Y-T)+I+G
となります。
この式を展開すると
YD=cY+C0-cT+I+G
となります。
グラフは縦軸がYD,横軸が国民所得Yなので、
YD=cY+C0-cT+I+G
において、cYのcが傾きでC0-cT+I+Gが縦軸切片となります。
Ys(総供給)のグラフは前回解説した通りで変化はありません。
なのでYs=Yで必ず一致します。
⇒財市場の均衡条件
Ysの傾きは1になります。
たとえば、YsとYDの交点をEとして、
交点Eを横軸までおろした点をYEとしましょう。
そしてYEにおける国民所得が450兆円だったとします。
この450兆円は現実の国民所得です。
また、完全雇用国民所得YFは500兆円だとしましょう。
なので、今回のケースでは現実は完全雇用に到達していません。
すると、もしこの国で完全雇用YFになったら・・・
上記グラフで、完全雇用の場合の総需要(財やサービスに対する支出のことで、イからYFまで)と
完全雇用の場合の総供給(生産のこと、アからYFまで)を比較すると
高さが合っていませんね。
アンバランスです。
生産が支出を超えている状態ですね。
つまり、完全雇用になった時にこの国は
物を作りすぎで余っている状態。
そんな状態だと商品を安くしないと売れませんね。
物価が安くなるということなのでデフレ状態なわけです。
これがデフレギャップです。
具体的には点アと点イの間をデフレギャップと言います。
このデフレギャップを政府の力でなんとかしたいです。
そのためにYDを上に持ち上げればデフレギャップが消えます。
Ysはずっと傾きが1のままで変化しません。
⇒財市場の均衡条件
YDを持ち上げるにはどうすればよいでしょう?
縦軸切片が持ち上がればよいわけです。
政府の立場で考えた時に
政府支出ならコントロールできます。
なので政府支出Gを増やせば持ち上がりますね。
あるいはT(租税)を下げれば
マイナスとマイナスでプラスになるので持ち上がり、Yd´が完成します。
つまりデフレギャップをなくすためにいは
租税Tを減らす(減税)か、政府支出を増やすしかありません。
以上で解説を終わります。