※アフィリエイト広告を利用しています

1次試験

異時点間の最適消費についてわかりやすく解説




参考文献・URL
マンキュー経済学ミクロ編・マクロ編

分厚いマンキュー経済学を読み解くのがめんどくさい人は、こちらをおすすめします。
スタンフォード大学で一番人気の経済学入門(ミクロ編) [ ティモシー・テイラー ]
スタンフォード大学で一番人気の経済学入門(マクロ編) [ ティモシー・テイラー ]

異時点間の最適消費とは
そもそもどういう話なのでしょう?

まず話のあらすじから解説します。

スポンサードリンク




異時点間の最適消費|あらすじ

異時点間の最適消費

ある消費者がいて、
異時点間ということで異なる時点に分けて考えるんです。
通常は2つの期間に分けます。

たとえば今期と来期とか、今年と来年、第1期、第2期みたいに
2つの期間に自分のこれからの人生を分けてみるんです。

たとえばあなたが20歳だとして、
平均寿命が80歳だとすると、残りの人生は60年ですが
これを今現在とそれ以降という2つの期間に分けてみる、
たとえば今年1年間とそれ以降の年みたいな分け方です。

どういう分け方でもいいのですが、
これから将来を見据えたときに2つに分けて考えます。

これが異時点間消費です。

異時点間消費

で、現在においてあなたは働いてお給料をもらっているとしましょう。
今期、お給料(所得)をもらって、一部消費し、一部貯蓄します。

なので今期の所得に対して消費と貯蓄の2つに分けているってことです。

で、将来(来期)においては
以前貯蓄していたお金と利息分を使い、
また今まで通り働いてお給料(所得)を得ます。

ただ、来期では人生の幕を閉じると仮定します。
だからその次の期間はないと考えます

したがって、来期ですべてのお金を使い切ると考えるんです。
この来期の中で今期という最初の期で貯金したお金も使い切ります。

で、異時点間消費というのは異なる時点、要するに2つの時点にまたがって
消費をするということなので、
今期と来期の消費を決めることになります。

異時点間消費

今期の消費が決まると、自動的に貯蓄も決まります。
今期の所得=消費+貯蓄
と設定しているからです。

スポンサードリンク




異時点間の最適消費|予算制約線

では予算制約線を作っていきましょう。
その前に予算制約線とか予算制約式のことがよくわからない方は
先にこちらの記事をご覧になってください。
予算制約式をグラフを使ってわかりやすく解説

予算制約線を作るときは今期と来期にいったん分け、
最終的に今期と来期を合わせます。

異時点間消費

まず今期ですが、
前提としてお金を稼ぎます(これが所得)、
あと生きているので絶対にお金を使います。

で、余ったお金が貯蓄となります。

所得=消費+貯蓄
ですから、

今期の貯蓄は

貯蓄=今期の所得ー今期の消費

となります。

たとえば今期の所得が1000万円で今期300万円消費したなら
貯蓄=1000万円ー300万円=700万円
となります。

ここで今期の貯得をS1、今期の所得Y1、今期の消費C1とすると
S1=Y1-C1
となります。

次に来期を考えます。

来期は貯蓄S1が700万円でしたが
貯蓄なので利息が付きます。

先ほど前提で異時点間は今期と来期の2期しかないと言いました。
来期で人生の幕を閉じるってことです。

お金を使い切るって考えます。

有り金全部消費するってことなので、
来期の消費C2=持ち金全部
となりますね。

来期の消費C2、来期の所得Y2、利子率rとすると、

来期の消費C2=来季の所得Y2+(1+利子率r)×貯蓄S1

と今期の貯蓄に利子率r分だけ利息が上乗せされます。

来季の所得Y2+(1+利子率r)×貯蓄S1
のところが持ち金全部です。

たとえば来期の所得Y2が600万円で利子率が10%だったら、、、
来期の消費C2=来季の所得Y2+(1+利子率r)×貯蓄S1

なので、
C2=600万円+(1+0.1)×700万円
C2=600万円+1.1×700万円
C2=600万円+770万円=1370万円
となります。

元利合計

ここで770万円が元利合計となります。

ところで今期の貯蓄S1というのは
S1=Y1-C1
でした。

また、

来期の消費C2=来季の所得Y2+(1+利子率r)×貯蓄S1

です。

なので、
Y1-C1を来期の消費C2の式のS1のところに代入します。

すると
C2=Y2+(1+r)×(Y1-C1)
となります。

あとは
()を外して、、、

予算制約式

C2=-(1+r)C1+(1+r)Y1+Y2

となるわけですね。

これが異時点間における予算制約式です。

こんな感じで来期で人生の幕を閉じるという設定で考えると

予算制約式

C2=-(1+r)C1+(1+r)Y1+Y2

という予算制約式が完成します。

これが2つの期間をドッキングさせた形で
自分自身の現在から将来にわたってトータルで考えたときの予算制約式です。

ところでグラフを作るとき、
C2が来年以降いくらお金を使うのか、
C1は今年いくらお金を使うのか?
ですが、この2つを縦軸と横軸に使っていきます。

予算制約線

で、-(1+r)C1のところの
ー(1+r)が傾きとなります。

それから
+(1+r)Y1+Y2
の部分が縦軸の切片となります。

これが、ここまでやってきた予算制約線です。
予算制約線

特に傾きはー(1+r)
なので、右下がりの線になります。

横軸が現在の消費C1、縦軸は来年以降でいくら使うのかでC2です。
これに無差別曲線がピタッとくっついている、
これが最適消費です。
なので点Eが最適消費点です。

無差別曲線とか最適消費について詳しくはこちらの記事で解説しています。
最適消費点の求め方についてわかりやすく解説
無差別曲線の書き方を根本から解説

傾きが等しい

ところで無差別曲線と予算制約線がピタッとくっつくということは
予算制約線の傾きと、無差別曲線に接線を引っ張った傾きが等しいです。

このことについてはこちらに記事で解説しています。
効用最大化条件とは?わかりやすく解説

このことが
限界代替率と(1+r)が等しいという条件になっています。
限界代替率についてはこちらの記事をご覧ください。
限界代替率についてわかりやすく解説

で、点Eが効用最大化が実現されている点になります。
効用最大化されているということは、
予算制約線の傾きと、無差別曲線に接線を引っ張った傾きが等しくなるということです。

限界代替率は横軸は今年いくらお金を使うか(C1),
縦軸は来年以降でいくらお金を使うか?(C2)となります。

限界代替率

すると、無差別曲線に接線引っ張った傾き(限界代替率)は
今年仮に10万円(X軸)お金を使ったら、効用を一定にするのなら
縦軸の来年以降の消費をいくら削らないといけないか?(Y軸)という割合のことです。

以上で解説を終わります。