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プリンシパルエージェント理論はモラルハザードの具体例の一種です。
⇒モラルハザードとは?具体例を挙げてわかりやすく解説
この記事ではプリンパルエージェント理論とはどういう理論なのか
解説していきたいと思います。
プリンパルエージェント理論とはどういう理論?
プリンパルエージェント理論とはどういう理論でしょう?
まずプリンパルエージェント理論とはのプリンシパルは
『依頼人』のことです。
そしてエージェントは『代理人』のことです。
で、依頼人と代理人の間で情報の非対称性があります。
⇒情報の非対称性の具体例
そして情報の非対称性があるために
モラルハザードが起きてしまうことを
プリンシパルエージェント理論といいます。
⇒モラルハザードとは?具体例を挙げてわかりやすく解説
プリンパルエージェント理論の具体例
プリンシパルエージェント理論は依頼人と代理人の関係で起こる
モラルハザードでしたね。
で、依頼人と代理人の関係で有名なのは
医者と患者、弁護士と依頼人などがあります。
他にも日本のプロ野球選手が海外で活躍したいときに
海外の代理人を雇って海外の球団に交渉するケースもあります。
たとえば弁護士と依頼人の関係。
依頼人というのは弁護士に対してたとえば
友達に貸したお金が返済されないから
回収してほしいとお願いしているわけです。
そして弁護士はお金を返さない相手に
示談交渉をしたり、それでも返してもらえないなら
裁判の代理人となったりします。
医師と患者の関係でも、患者は病気を治してほしいので
医者にお願いしているわけです。
ただ、ここで問題があります。
たとえば医者は自分がどれくらいの技術力を持っていて
どれくらいの病気なら治るか知っています。
でも患者さんは「このお医者さんにお願いしたら
病気は治るのだろうか?」というとわかりませんね。
情報の非対称性があります。
弁護士と依頼人の関係でもそうです。
弁護士は自分の技量を知っているし判例を知っています。
だからどういう事例なら裁判に勝てるかわかります。
でも依頼人にはわかりません。
エージェンシースラック
エージェンシースラックとは代理人が自分のために行動してしまう結果、
依頼人に損害が出ることをいいます。
弁護士と依頼人の間でよく起こるトラブルとして
依頼人から仕事を受任したのに、弁護士がその仕事を放置してしまうパターンがあります。
たとえば、「貸したお金を返して」という依頼だと
場合によっては10年で時効になってしまいます。
弁護士に依頼したのに、放置され、時効になってしまったら…
時効になったらどれだけ頑張っても貸したお金が返ってきません。
依頼人に損害が出てしまいますね。
これがエージェンシースラックです。
モラルハザードは契約後に起こる損失ですからね。
先ほどの事例では弁護士と委任契約を結んだあと
損失が発生しているから、これはモラルハザードの中でも
エージェンシースラックといえます。
エージェンシーコスト
エージェンシーコストはエージェンシースラックによって
起こるコストのことです。
先ほどの弁護士の事例でいったら
本来なら他人に貸した100万円が返ってきていたのに
時効になってしまったから取り分が0円になってしまったのなら
エージェンシーコストは100万円となります。
他にも「この医者、ちゃんとうちの息子の
治療をしてくれているのか?」と心配な場合、
弁護士に調査させるなら、
この弁護士費用はエージェンシーコストとなります。
こんな感じでエージェンシースラックに関係するコストを
エージェンシーコストといいます。
以上で解説を終わります。