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1次試験

モラルハザードとは?具体例を挙げてわかりやすく解説




参考文献・URL
マンキュー経済学ミクロ編・マクロ編

分厚いマンキュー経済学を読み解くのがめんどくさい人は、こちらをおすすめします。
スタンフォード大学で一番人気の経済学入門(ミクロ編) [ ティモシー・テイラー ]
スタンフォード大学で一番人気の経済学入門(マクロ編) [ ティモシー・テイラー ]

情報の非対称性には
・逆選択
・モラルハザード

の2つがあると解説しました。

情報の非対称性の具体例
情報の非対称性の一種である逆選択とは?

で、逆選択とモラルハザードはすごく似ています。
中小企業診断士試験で情報の非対称性について出題されても
どの事例が逆選択でどの事例がモラルハザードか
区別がつかない方も多いと思います。

逆選択についてはかなりコッテリと解説しました。
情報の非対称性の一種である逆選択とは?

なのでこの記事ではモラルハザードとはどういうものなのか
具体例を挙げながらわかりやすく解説していきたいと思います。

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【わかりやすく解説】モラルハザードとは?

モラルハザード

モラルハザードを日本語に訳すと道徳的危険となります。
契約を結んだことによって危険な行為をしてしまうことをいいます。

モラルハザードとは何か、理解するために
逆選択との違いについて知っておきましょう。

逆選択は契約の前に発生しますが
モラルハザードは契約の後に発生する点が違います

モラルハザードとは契約を結んだことによって
危険な行為をしてしまうことなので、契約の後の話ですね。

なので、

・契約の前なら逆選択
・契約の後ならモラルハザード

と理解しましょう。

ただ、これだけだと分かりにいかもしれません。

なので、モラルハザードの具体例を見ていきましょう。

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モラルハザードの具体例1.保険

モラルハザード

たとえばガン保険に加入したとします。
つまり、現在契約になります。

すると、ガン保険に加入する前と比べて
「肺がんになっても保険金がでるから
まぁいいか」とタバコを吸う本数が増える可能性があるわけです。

タバコを吸う本数が増えるわけですから
肺がんになる確率が高くなってしまいます。

肺がんになって治療に専念するために
仕事を辞めるなどしてしまうと、社会にとってマイナスですね。
これは市場の失敗です。
市場の失敗とは?具体例を使ってわかりやすく解説

つまりガン保険に加入することによってタバコを吸う本数が増え
肺がんになる確率がアップしてしまい市場の失敗を招いてしまっています。

これは契約後の話なのでモラルハザードの具体例になります。

ちなみにガン保険の具体例は逆選択のところでもしています。
どちらの事例が逆選択になり、モラルハザードになるのか
理解するためにもこちらの記事もご覧ください。
情報の非対称性の一種である逆選択とは?

これはガン保険だけでなく自動車保険でも当てはまります。
自動車保険に契約した後であれば、
事故っても保険金がおりるので、やんちゃな運転をして
実際に事故を起こす確率が上がるわけです。

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モラルハザードの具体例2.医療

保険

医療保険に契約後であれば、病気をして仕事を休むことになっても
保険金があるので安心です。

なので、暴飲暴食をしたり徹夜でマージャンをしたりと
不摂生をして病気になる確率が上がります。

別の保険でいうと、ペット保険も当てはまります。
ペット保険に加入したら、「愛犬を骨折させても
手術代を保険会社が半分払ってくれるから
高山に一緒に連れて行っても大丈夫だ」となります。

犬も高いところから落ちたら骨折します。
もちろん骨折以外でも、ペット保険に入ることで
「病気になっても大丈夫」と気が緩みやすいでしょう。

結局、ペット保険に入ることで
ペットが病気になる確率が上がります。
これも契約をしたことでモラルハザードが起きています。

こんな感じで契約した後に道徳的に危険な行動を起こしてしまうことを
モラルハザード
といいます。

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モラルハザードの解決策

モラルハザードは最終的には市場の失敗を招くわけですね。
市場の失敗とは?具体例を使ってわかりやすく解説

だからなんとかしてモラルハザードを防ぎたいわけです。

解決策としてたとえば自動車保険なら免責制度があります。
仮に事故を起こした場合、いくら自動車保険に入っていても
「最低でも7万円支払ってください」みたいな制度です。

とすると、7万円でも支払うのが嫌なので
事故を起こさないように注意するようになります。

他にもペット保険にありますが、
限度額を設定するのもモラルハザードの解決策として有効です。

ペットの治療として1回2万円までしか保証しないという感じだと
10万円くらいする治療をうけるとなると
8万円は自腹になるので、やはり無茶なことはできなくなりますね。

他にもインセンティブなんかもモラルハザードの解決策として有効です。
たとえば、犬のシャンプー屋さん(トリミングサロン)がありますが、
トリマー(犬の美容師)を雇用後(契約後)、そのトリマーは
さぼって仕事をしないかもしれません。

もし犬のトリミング依頼がなかったら
トリマーさん、仕事はないけど、一定のお給料がもらえるので
集客の努力をしないでしょう。

そこでインセンティブを与えるわけです。
犬のシャンプーを1頭やるごとに1000円インセンティブを与えるとなったら
友達の犬を連れてきてでも、頑張るでしょう。

以上でモラルハザードについての解説を終わります。