参考文献・URL
マンキュー経済学ミクロ編・マクロ編分厚いマンキュー経済学を読み解くのがめんどくさい人は、こちらをおすすめします。
⇒スタンフォード大学で一番人気の経済学入門(ミクロ編) [ ティモシー・テイラー ]
⇒スタンフォード大学で一番人気の経済学入門(マクロ編) [ ティモシー・テイラー ]
もしAパターンとBパターンの2つから
どちらかを選べるとしたら
あなたはどちらを選びますか?
Aパターン
1年後50%の確率で30万円ゲットできて、
50%の確率で70万円ゲットできる
Bパターン
もし資産Bに投資したら
1年後確実に50万円ゲットできるパターン
どちらを選んでも問題ありません。
Aパターンを選んだ方もいればBパターンを選んだ方もいるでしょう。
あるいは、「どっちでもいいんだけど・・・」と思った方もいるでしょう。
少なくともAパターンかBパターンのどちらかを
選んだのなら、それは選んだパターンの方が
あなたにとって『効用』が高いと感じたからでしょう。
効用とは満足度のことでしたね。
⇒効用とは何か?経済学の視点からわかりやすく解説
目次
例を利用して期待値の計算をしてみよう
期待とは、起こりうる数字の平均値です。
期待値は所得の金額に確率をかけることで
計算することができます。
まずパターンAは
30万円×0.5(50%)+70万円×0.5(50%)
=50万円
この50万円が期待値です。
パターンBは50万円×1(100%)=50万円
なのでパターンAもBも期待値としては同じということになります。
期待効用の求め方(パターンAの例を利用)
期待効用とは先ほど計算した期待値の効用バージョンです。
期待値は所得に確率をかけて求めました。
期待効用は効用に確率をかけて求めるだけの話です。
では
Aパターン
1年後50%の確率で30万円ゲットできて、
50%の確率で70万円ゲットできる
Aパターンで30万円もらえる効用を3として
70万円もらえる効用を7とします。
期待効用を求めてみましょう。
3(30万円もらえる効用)×0.5(確率)+7×0.5=5
つまりAパターンの期待効用は5です。
期待効用仮説とは?
期待効用仮説は
Aパターン
1年後50%の確率で30万円ゲットできて、
50%の確率で70万円ゲットできる
Bパターン
もし資産Bに投資したら
1年後確実に50万円ゲットできるパターン
上記の2つのような例の選び方・考え方で
・危険愛好的
・危険回避的
・危険中立的
という3つに分類する考え方のことです。
期待効用仮説:危険回避的とは?

ここでは危険回避的について解説しますが、
危険愛好的も危険中立的もみんな右上がりのグラフになります。
なぜ右上がりの曲線になります。
上記のグラフをご覧くださいね。
X軸(横軸)は所得でy軸(縦軸)は効用yとなっています。
所得が増えれば増えるほど右に行けばいくほど
効用(満足度)が高くなるのは当然のことですね。
だから右上がりの曲線になります。
で、30万円もらえるときの効用を3、
70万円もらえるときの効用を7としました。
それから点Eは中点で期待効用を意味しています。
では危険回避的について解説していきます。
危険回避的は確実に50万円をもらえるBパターンを選んだケースです。
で、確実に50万円もらえるという点は大文字の点Cになります。
あなたは50%の確率で30万円か70万円もらうより
確実にもらえる方を選ぶなら最低金額はいくらでしょう?
たとえば私なら「45万円くらいかな」と感じます。
45万円確実にもらえるなら、
50%の確率で30万円になったり70万円になったりするパターンAを
選びません。
で、この45万円確実にもらえるあたりから
50%の確率で30万円か70万円もらえる方を選ばなくなるので
この45万円というのがパターンAと効用(満足度)が同じということになります。
この点がスモールa(紫色)です。
ただ期待値は50万円でしたね。
45万円を選ぶということは、5万円支払ってでも
45万円を確実にゲットしたいということと同じです。
50%の確率で30万円になってしまうなら
5万円損してでも確実に45万円ほしいということは
この差額の5万円は手数料みたいなものです。

この5万円(点E-点B)をリスクプレミアムといいます。
しかもこの5万円支払うリスクプレミアムをリスクプレミアムプラスといいます。
期待効用仮説:危険愛好的とは?
Aパターン
1年後50%の確率で30万円ゲットできて、
50%の確率で70万円ゲットできる
Aパターンを選んだ人はパチンコとか投資というより投機が
好きな方だと思います。
こういった方を危険愛好的といいます。
確実に50万円ゲットするんじゃなくて
50%の確率で70万円をゲットしたいわけですからね。
危険愛好的な方は以下のようなグラフになります。

危険回避的な方である確実に50万円もらえるパターンBより
50%の確率で70万円もらえるパターンAの方が効用が高いから
パターンAを選んだわけですね。
点Bは確実に50万円もらえるときの効用です。
この点Bの方が期待効用よりも低いから
パターンBを選ばなかったわけです。
ではパターンAを選んだ危険愛好家タイプの人は
いくらだったらパターンBの確実にお金がもらえる方を選ぶでしょう?
たとえば65万円(点スモールb)だったらパターンBを選ぶとします。
とすると、65万円(点C)―50万円(点E)=15万円
この差額の15万円くらいはもらわないと
やってられないという意味です。
この15万円もらいたいのがリスクプレミアムです。
しかも15万円もらう方のリスクプレミアムをリスクプレミアムマイナスといいます。
期待効用仮説:危険中立的とは?

危険中立的な人はパターンAでもパターンBでも
どちらでもいいと思っている人です。
なのでリスクプレミアムは0です。
1円を支払ってでもとか、1円をもらわないととか
そんな頭がないからです。
なので、右上がりの直線になります。
危険愛好的と危険回避的のグラフの真ん中を通るようなグラフになります。
以上で期待効用仮説についての解説を終わります。