参考文献・URL
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今回の記事では景気循環のグラフの見方や考え方について解説します。
景気循環のグラフを考える前提の話
GDPという用語をご存じですか?
景気循環を理解する前提の話になるので
もしご存じない方は先にご覧ください。
⇒GDPとは子供にもわかりやすく説明しました
で、GDPには大きく2つのGDPに分かれます。
GDPは
・名目GDP
・実質GDP
の2つに分かれます。
ちなみに名目GDPは金額ベースです。
いくら分、日本で生産しているのか?表しています。
たとえば1年間の名目GDPなら、1年間で日本の生産額は
いくらになっているか?ということを示しています。
一方、実質GDPというのは
金額が意味を持つのではなくて量です。
どれだけの量、生産しているのかです。
たとえば、パソコンをどれくらい作ったのかとか
ギターをどれくらい作ったのかとか
様々な財やサービスをどれくらい作ったのか
量の側面をとらえているのが実質GDPです。
その中で経済の動きを見る時には
実質GDPの動きが重要になります。
まさにいくら分作ったのかではなくて
どれだけの量作ったか?
この量が多ければ多いほど、経済の状況が
よくなっていると考えますし
逆に生産量が減ってしまっているなら
経済の状況が悪くなっていると考えます。
ちなみに量がどれくらい減っているか、増えているかは
実質GDPの変化率(実質GDP成長率)を通してみていきます。
景気循環のグラフの見方
実質GDP成長率は前の年に比べて
今年は何%増えたのか、減ったのか示します。
この数字の動きを時間とともに以下のグラフのように示します。
これが景気循環のグラフになります。
まず実質GDP成長率がだんだん減ってきたけど、
だんだん上がってきたり、また下がったりします。
この上がり下がりを見たときに、
一番下がりきったようなところ、
つまり、景気が悪くなった底の部分になりますが
これを『景気の谷』とよびます。
逆に実質GDP成長率が一番高いところを『景気の山』といいます。
ところで
⓵の景気の谷は一番景気が悪いところなので
景気の谷だと納得がいくでしょう。
では⓶はどうでしょう?
周りと比べると一番底に来ていて
また実質GDP成長率は増えていっていますね。
ただ、⓵でみた景気の谷と比べると
実質GDP成長率の値は⓶のほうが大きいのは
高さを見ればあきらかですね。
でも景気循環のグラフを見る場合には
あくまで周りと比べて判断するので
景気の谷となることにご注意ください。
こんな感じで
景気の谷から景気の山へ、また景気の谷へ
また景気の山へという動きが続いていくのを
景気循環とよんでいます。
それから
景気の谷から景気の谷に行って、次の景気の谷までの動きのことを
景気循環の1サイクルといいます。
この1つの景気循環の1サイクルの中に
上り坂部分と下り坂部分があるということになりますね。
で、上り坂部分を景気拡張期、
下り坂部分を景気後退期といいます。
このように実質GDP成長率の値というのは
あるところではだんだん下がっていき、
あるところからは増えていき、
また下がるということを繰り返していきます。
で、上がっている部分を景気拡張期、
下がっている部分を景気後退期といいます。
以上のことがわかれば実際の景気循環のグラフも
理解することができるでしょう。