参考文献・URL
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前回の記事で
上級財、下級財、奢侈品、必需品について解説しました。
⇒上級財と下級財の違いを例を挙げてわかりやすく解説
⇒奢侈品とは?例を挙げてわかりやすく解説
⇒必需品とは?例を挙げてわかりやすく解説
今回の記事では需要の所得弾力性が高い時(1より大きい時)、低い時(1より小さい時)、
マイナスの時(0より小さい時)、プラスの時(0より大きい時)に
どれが上級財であったり、下級財、奢侈品、必需品に該当するのか
解説していきたいと思います。
そもそも、需要の所得弾力性って何?
と詳しく知りたい方は先にこちらの記事をご覧ください。
⇒需要の所得弾力性の公式をわかりやすく解説
需要の所得弾力性:なぜ上級財と下級財はプラスかマイナスで判断するの?
需要の所得弾力性はEMと略すことが多いです。
で、需要の所得弾力性とは所得が1%変化したときに
消費量が何%変化するのか?というものです。
で、所得の変化率を1%としましょう。
所得が1%変化したという意味です。
具体例でいうと、あなたのお給料が1%変化したときに(10万円から10万1,000円にアップ
あるいは10万円から9万9000円にダウン)
需要が何%くらい変化するのか?によって
以下の4つに分けられます。
EMが
・EM>0なら上級財
・EM<0なら下級財
・EM>1なら奢侈品
・EM<1なら必需品
です。
たとえば、あなたのお給料が1%アップしたときに
需要の変化率が5%アップしたとしましょう。
つまり所得の変化率も需要の変化率も+のケースです。
こう言うケースは上級財です。
所得と同じ方向に消費が動くのが上級財。
⇒上級財と下級財の違いを例を挙げてわかりやすく解説
所得が増えたら一緒に消費量も増えるというのが上級財です。
なので上級財はEM>0となります。
次に下級財。
下級財は所得の変化率が1%高くなったら(プラスになったら)、
需要の変化率がマイナスになってしまいます。
たとえば需要の変化率がマイナス2%とかになってしまうんです。
これが下級財です。
だから下級財の場合には分母がプラス、分子がマイナスになります。
なので、結論としては分母がプラス、分子がマイナスなので
全体はマイナスになります。
よって、下級財はEM上級財と下級財は0が基準となります。
要するに0より大きいか小さいか(プラスかマイナスか)で分かれるんですね。
言い換えると所得が増えたら消費量が減る財が下級財です。
需要の所得弾力性:なぜ奢侈品や必需品は1より高い低いで判断するの?
これに対して奢侈品か必需品化は1が基準になります。
奢侈品というのはたとえばブランド物の時計です。
⇒奢侈品とは?例を挙げてわかりやすく解説
奢侈品の場合には所得の変化率が1%増えると
それ以上に消費してしまう(ブランド品を買ってしまう)ので
20%増えてしまったりします。
ついつい買いすぎてしまうってことです。
つまり所得の変化率よりも需要量の変化率の方が
圧倒的に大きいです。
分母より分子の方が大きいと考えます。
だから奢侈品は1より大きいという設定になります。
EM>1 ってなります。
分母より分子が大きいってことは確実に1より大きいですね。
たとえば分子が5で分母が1なら5/1=5
で5となり、1より大きいですね。
分子が1.2で分母が1でも
1.2/1=1.2となり1より大きいですね。
分母を1としているから、
奢侈品の場合、絶対に1より大きくなります。
だから奢侈品の場合にはEM>1 ってなります。
いいですか?
次に必需品。
必需品とは?例を挙げてわかりやすく解説
必需品は生活必需品です。
生活必需品はほぼほぼ消費が変わりません。
たとえば、所得が1%増えても、
消費は0.01%などしか増えません。
増えるのは増えるのですがほとんど変わりません。
これが生活必需品です。
ということは所得の変化率よりも
需要の変化率の方が小さいわけですから
全体は1より小さくなりますね。
たとえば分子が0.01で分母が1なら
0.01/1=0.01
となり、1より小さいですね。
だから必需品はEM<1となるんですね。
需要の所得弾力性まとめ
需要の所得弾力性とは所得が変化した時に
どれくらい需要が変化するのか?ということです。
弾力性というのは反応を見ている感じです。
所得が変化したことで需要がどれくらい変化するかの反応を見ているってことです。
この需要の所得弾力性を使って
・上級財
・下級財
・奢侈品
・必需品
の4つに分類できます。
で、上級財か下級財かはプラスやマイナスといった符号に着目します。
奢侈品か必需品化は数字に着目します(1より大きいか小さいか)。
もし需要の所得弾力性についてもっと詳しく知りたい方は
コチラの記事をご覧ください。
⇒需要の所得弾力性の公式をわかりやすく解説