今回の記事では
シングルループ学習とダブルループ学習について
例を挙げて解説していきたいと思います。
シングルループ学習とダブルループ学習を提唱した人は?
シングルループ学習とダブルループ学習は
アージリスという人が提唱したものです。
アージリスは成熟・未成熟理論という理論を提唱したことで
経営学的に有名な方です。
未成熟というのは子供です。
受動的・依存的です。
成熟というのは大人です。
能動的であり自立しています。
人間というのは未成熟状態から成熟状態に向かおうという
欲求を企業内で実現しようとしました。
そのために職務内容を拡大させたり
職務内容の決定に担当者を参加させるなどの方法論を提唱しました。
そんな成熟・未成熟理論を提唱したアージリスさんが
提唱したのがシングルループ学習とダブルループ学習です。
シングルループ学習とダブルループ学習とは?
シングルループ学習とは既に存在する価値観であったり枠組みを評価基準として
そこからはみ出した行動を修正していく学習のことです。
シングルループ学習は既に存在する価値観とか枠組みに
囚われ続けている
ダブルループ学習とは既に存在する価値観であったり枠組みそのものを疑って
それらを変更したり、捨て去ったりして
新しい価値観、枠組みを創造する学習のことです。
シングルループ学習は既に存在する価値観とか枠組みに
囚われ続けているわけですから、囚われる材料が1つだけ(シングル)です。
これに対してダブルループ学習は
既に存在する価値観であったり枠組みを捨てたりして新しい枠組みを作るわけですから
すでにあるもの+新しいもの=2つ(ダブル)って考えると理解しやすいでしょう。
シングルループ学習とダブルループ学習について例を挙げて解説
シングルループ学習の例としてはもともとの日本の家電メーカーを
挙げることができます。
もともとの家電メーカーが抱いていた価値観というのは
・高機能
・故障しにくい
ものを作るということでした。
これはシングルループ学習の例ですね。
すでに存在する価値観(高品質、高機能、故障しにくい)を捨てずに
よりより家電製品を作ってきたわけですから。
「どうやったらもっと高品質なテレビを作れるかな?」
みたいな感じです。
これはシングルループ学習です。
ところが新興国のマーケットが進出してきて
必ずしも高品質とか高機能が求められているわけでなく
価格が重視されるようになってきました。
これはダブルループ学習ですね。
つまり、すでにある価値観とか枠組み(高品質、高機能、故障しにくい)そのものを疑って
それらを変更して新たな価値観(価格)を創造していますから。
ただ、日本の家電メーカーではなかなかうまくいっていませんね。
現状の家電メーカーを見ると明らかです。
以上で解説を終わります。