前回の記事では家産官僚制について解説しました。
⇒家産官僚制とは?わかりやすく解説
家産官僚制は官僚制を広い意味で捉えた時に成立するものでした。
もし官僚制を狭くとらえたとしたら近代官僚制だけになってしまいます。
今回の記事では近代官僚制の特徴について解説していきたいと思います。
近代官僚制の特徴
近代官僚制にはいろいろな特徴があります。
ただ、抽象度を高くして考えると、
・能率性
・非人格性
・中立性
に特徴づけられます。
このうち能率性と中立性は分かると思うのですが、
「非人格性って何?」って疑問に感じませんでしたか?
非人格性とは個性によらない、
カリスマなんて無用だという意味です。
カリスマ美容師famさん❤️にて pic.twitter.com/WuJa3WWlCE
— KAZ★ROCK (@KazRock7) December 21, 2021
たとえば、昔『カリスマ美容師』という言葉が流行ったことがあります。
もし特定のカリスマ美容師に頼ってしまうと、
その人がいるうちはいいです。
カリスマ美容師を求めてお客さんがいっぱい集まってきますからね。
お店も儲かります。お客さんも喜びます。
みんな得してます。
でも、そのカリスマ美容師が自分のお店を開いてしまったら困ります。
カリスマ美容師目当てでお店に来ていたお客さんは来なくなります。
結果、お店の売上は下がります。
ある意味、カリスマ美容師は中小企業診断士試験的に考えると差別化戦略にはなりますが、いなくなったら、差別化ができなくなってしまうわけですね。
なので、美容室でも長く続けるためには
個性に頼らず人が入れ替わっても同じように運営されるように
組織を組み立てる必要があるわけですね。
【ブログ更新 早川聖来】 えいえいおー! 早川聖来 https://t.co/Cq57N4gCqB pic.twitter.com/BOCqiWYNkn
— 乃木坂46 (@nogizaka46) February 2, 2022
たとえば、乃木坂46ってグループがありますね。
乃木坂46というグループが歌っている歌って1人1人の歌に
個性がないような気がします(個人的な体感です。すみません)。
ほとんどみんなで合わせて歌っている感じがして、ソロが少ないです。
こちらの方も同じように考えているようですね。
最近のJ-POPは個性が無い。
AKB48グループやE-Girlsみたいな
歌手の歌は、みんな同じに思えるわ。
…もっと個性的で頭に残るような歌手
が出て来おへんかな?( ´・ω・` )?— strong (@nobutakakawata) November 15, 2018
仮にソロがあったとしても個性的な歌い方をしていません。
私がファンでないからわからないだけかもしれませんが
同じような歌い方をしているな、と感じています。
アナログレコードコレクションから
♪( ´▽`)1988年7月21日、#おニャン子クラブ会員番号42番斉藤満喜子 のおニャン子クラブ解散後のソロデビューシングル。ポニーキャニオンレコードより発売!
オリコン28位!!やりたい放題/#斉藤満喜子#イヤホン推奨#レコード#おニャン子クラブ pic.twitter.com/oTIExHbTat
— つばさ★(= ̄  ̄=)★ (@KIRATO7777) February 1, 2022
乃木坂46の曲って作詞は秋元康さんが書いています。
で、昔秋元康さんはおニャン子クラブの詞も書いていました。
同じ秋元康さんの曲であってもおニャン子クラブのころは
メンバーの個性を生かした歌わせ方をしていた気がします。
ソロパートがいっぱいありました。
おそらく乃木坂46などの場合は
『入れ替え可能性』のため、あえて個性を生かしていないのだと思います。
橋本桃子は元ホリプロ研究生でカラテカの真似がめちゃくちゃ面白くてダンスも歌も人一倍上手なすげー子で加藤志帆は変でとにかく変でヘニャヘニャ感が堪らん好きで若様大好きな本当に変な子(若林のことが好きなのを変と言っているわけではない)だけど、今のAKB48にはそんな個性的な子がいない‥!?
— メタモン (@narrrrrrrrrrrrm) November 8, 2019
乃木坂46だけでなく、AKB48などの場合、メンバーが入ったり出たりします。
そのときに個性を活かした歌い方をされてしまうと
メンバーが変わったら同じ曲ではなくなってしまうわけです。
だからメンバーが入れ替わっても同じように聴こえるためには
みんなで歌ってもらって個性がないようにした方がいいですし
ソロパートも個性的な歌い方はしないようにやっているのではないか?
と個人的には考えています。
ではさらに細かく近代官僚制の特徴について一緒に考えていきましょう。
具体的な近代官僚制の特徴
ここまで抽象度を高めにして近代官僚制の特徴について解説してきました。
今度はもっと具体的に近代官僚制の特徴について説明します。
まず、近代官僚制の特徴として『細かく分業する』がありますね。
細かく分業してそれぞれやるべきことはルールでしっかり定めるわけです。
「俺は職人だ!」みたいな感じで
自分の個性や勘だけで仕事されてしまうと
担当者が入れ替わっただけで同じような仕事ができなくなってしまいます。
ある意味ブラックボックス化されてしまいます。
⇒ホワイトボックステストとブラックボックステストの違いは?
SaaSはとっくに飽和状態。カスタマサクセスもすでに飽和状態。なのに顧客は相変わらずうまく使いこなせてない。そしてチャーンレートばかり気にしてる。これからは〇〇していち早くブラックボックス化したもの勝ちと思ってる。
— えばら『心・体・脳』に投資する (@TEBARA4) January 28, 2022
ブラックボックスは差別化にはよいでしょう。
他の会社が真似できないけど、お客さんに好まれるやり方だったら
一人勝ちできますからね。
公務員的な仕事だと担当者が毎年変わったりするので困ります。
だから歯車でいい「あなたは言われた通り会社のルールに従ったら
それで給料をもらえるんだから、それでいいんだよ!」って感じです。
それから近代官僚制2つ目の特徴として『ピラミッド型の組織』があります。
ピラミッド型組織ってのは小学校の時の『連絡網』みたいなもんだ。次から次へ伝言ゲームを繰り返す。途中で話がコロっと変わる時すらある。今の時代ならLINEのグループにチャットすれば秒で終わりだ。ITが無くアナログな時代は『連絡網』が1番効率的だった。今の時代もベストなの?ってめちゃ思うのよ
— まーたん|社長の胸ぐら掴む人 (@SingerlyCEO) January 31, 2022
ピラミッド型の組織になれば
上下関係や命令系統が明確になります。
代表取締役が平取締役に「Aプランを実行しといて!」といえば、
平取締役が部長に、部長が課長にといった感じで
どんどん下に命令が下りて行きます。
逆に命令系統がごちゃごちゃでわかりにくいものであれば
能率が下がります。
社長が10人いて、みんな指示する事が違ったら
下の立場の人は「どうすりゃいいんだよ!」って
現場が混乱してしまいますよね。
だから近代官僚制ではピラミッド型の組織にしています。
ピラミッド型組織ってのは小学校の時の『連絡網』みたいなもんだ。次から次へ伝言ゲームを繰り返す。途中で話がコロっと変わる時すらある。今の時代ならLINEのグループにチャットすれば秒で終わりだ。ITが無くアナログな時代は『連絡網』が1番効率的だった。今の時代もベストなの?ってめちゃ思うのよ
— まーたん|社長の胸ぐら掴む人 (@SingerlyCEO) January 31, 2022
それから3つ目の特徴として『私生活を持ち込まない』というのがあります。
私生活を仕事に持ち込まれると、
担当者によって仕事のやり方が変わってきますし、
能率も落ちてしまいます。
だから公私混同をさせず、
歯車として頑張らせるわけです。
4つ目の特徴として『文書に残す』というのがあります。
文書に仕事の内容を残してくれないと次の担当者が困るわけです。
仕事にやり方が書いてあるから、
次の担当者もその文書を見ながらやればいいので能率が上がるわけです。
でも文書にやり方が残っていなかったら
いちいち「これどうすればいいんだよ」となってしまって
めちゃくちゃ仕事の能率が下がってしまいます。
担当者が入れ替わっても仕事をいちいち調べなくてもいいように
書類を残しておいた方がよいわけです。
それから特徴の5つ目として『専門能力は必要』ということです。
いくら会社の歯車でいいと個性をなくすようなことを書いてきました。
でも、専門能力は必要です。
たとえば、耳鼻科の専制なのに、耳の病気を知らないし治療方法を知らなかったら
困るわけですよ。
そんなこともあって、専門能力が必要が業種だと
入社試験があったり、国家試験があったりするわけですよ。
病院のスタッフが素人の集まりだと困りますよね。
国家公務員だってそうです。
農林水産省の職員なのに、農業や畜産のことがまったくわからないのは
困りますよね。
もし畜産のことがわからない農林水産省のスタッフがいたら
いちいち乳牛のことを調べたり、鶏のことを調べたりしないといけませんから
仕事の能率が下がってしまいますよね。
だから素人の集まりではダメです。
ここで大事なのは専門能力があるのは当たり前ですが、
カリスマ性レベルの個性は不要ということです。
さっきの乃木坂46だってそうですが、
いくらファンでも全員の名前と顔が一致する可能性は低いでしょう。
最後にまとめますと
・細かく分業する
・ピラミッド型の組織
・私生活を持ち込まない
・文書に残す
・専門能力は必要
でした。
以上で解説を終わります。