※アフィリエイト広告を利用しています

一般知識

労働者階級がプロレタリア革命を起こすために必要な条件とは?

労働者階級 プロレタリア




この記事ではマルクスが考えた
労働者階級がプロレタリア革命を起こすために必要な条件について
分かりやすく解説します。

スポンサードリンク




マルクスが考えた労働者階級がプロレタリア革命を起こすために必要な条件

プロレタリア

前回の記事では階級と階層の違いについて解説しました。
階層と階級の違いをわかりやすく解説【社会学】

階級の分類にあたってマルクスの考え方は
これから解説する『労働者階級がプロレタリア革命を起こすために必要な条件』の理解にとって重要です。

マルクスは物を作る生産手段を所有している人々を資本家階級、
あるいはブルジョアジーと呼びました。
資本家階級が資本主義社会においては支配する階級になっています。
それに対して物を作る生産手段を持っていない人々を労働者階級といいます。
労働者階級をプロレタリアートということがあります。

ということで

マルクスは

・資本家階級(ブルジョアジー)
・労働者階級(プロレタリアート)

の2つに分けました。

そして上記2つの中間に中間階級とか旧中間層と呼ばれる
若干の資産(物を作る生産手段)を持っている人々が
真ん中にくるとマルクスは言っています。

つまり

・資本家階級(ブルジョアジー)
・旧中間層(中間階級)
・労働者階級(プロレタリアート)

の3つに分かれるということです。

ただし歴史の発展とともに
小さな自営の農民などの旧中間層の中で
ほんの少しは資本家階級に上昇していきました。
でも大部分は労働者階級に没落していきました。
ということは『真ん中の旧中間層(中間階級)は歴史の発展とともに
消滅してしまって資本家階級と労働者階級の2大階級になっていく』
このように言ったのがマルクスさんです。

物を作る、生産手段を所有しているのが資本家階級で
所有していないのが労働者階級になります。

ということは資本主義社会において
自分のお金、資本でもって生産手段を購入して

例えば

・土地を買う
・建物を建てる、
・いろんな機械を購入する
・原材料を購入して生産してくれる労働者を雇う

などなど。

こういったことをお金を持っている
資本家階級(ブルジョワジー)の人たちが
工場を作ったりして生産活動をするわけです。

生産活動して生じた利益は
例えば労働者に賃金という形で還元しますが
それ以外の部分は自分のお金で作った工場(会社)だから
資本家階級が全部、自分の懐に入れることが許されると考えます。

だから利益が多ければ多いほど
資本家階級の懐はどんどん増えていきます。
豊かになっていくということです。

ところが労働者階級というのは
物を作る生産手段を持っていません。
だから雇われるしかありません。
自分が労働力を売ることでしか生活の糧を得ることができないわけです。
ワーキングプア、働けど働けど我が暮らし楽にならず、
そういう状況です。

だから過酷な労働条件も引き受けて働かなければ
家族を食べさせることができません。
結果、労働者階級は資本家階級の言いなりになってしまうわけです。

そのため資本主義社会の中において労働者階級は
被支配階級として抑圧された立場に置かれているということがいえるでしょう。

そういう立場に置かれている労働者階級の人たちは
資本主義社会においてはいつまでも不利な状況のままの状況から
脱出することができません。

そこでマルクスさんは「万国の労働者よ、団結せよ!」といいました。
労働者は団結して資本家階級に対してプロレタリア革命を起こすことによって
物を作る生産手段を彼らから奪い取って我々全体の所有にしようと考えました。
そこで生じた富をみんなで平等に分配する。
そうすると支配する人間も支配される人間もいないような
理想的な社会が実現できるわけです。
「それが社会主義であり、究極的には共産主義の社会だ。
そういうことを目指していかないといけないんだ」
とマルクスさんは考えました。

次に労働者階級の階級意識について
もう少し詳しく説明していきますね。

即自的階級と対自的階級の違い

マルクスは労働者階級を
2つに分けて考えていました。

マルクスにおける2つの労働者階級とは

・即自的階級
・対自的階級

のことです。

即自的階級とは自らの階級的な利害について自覚していない人々のことです。
これはどういうことか?というと
資本主義社会において労働者は不利な状況に置かれています。
働けど働けど我が暮らし楽にならず。
資本主義社会がずっと続く限り、
労働者階級はずっと不幸せな生活を続けるしかありません。
労働者階級の人たちが働いて得たお金は資本家階級から搾取されてしまいます。
ほんの一握りの食うや食わずの状態のものしか与えられませんでした。
そういう不利な状態であることを自覚できていない人々を即自的階級といいます。
つまり即自的階級とは労働者階級が置かれている不利な状況について
まだ自覚していない人々のことを指します。

労働者階級がプロレタリア革命を起こす条件

即自的階級に留まっていたら
資本家階級の思い通りにいろんなことをされっぱなしになってしまうわけです。

そんな状況じゃだめだ
労働者階級は対自的階級にならないといけない
とマルクスさんは考えました。

ということは労働者階級の人たちが資本主義社会で
不利な状況に置かれているということをきちんと自覚しないといけない。
ではそんな不利な状況を改善するためには何をしないといけないのか?
ということをきちんと理解して行動するような人間でないといけないわけです。

なぜ労働者階級の人たちが不利な状況に置かれているのでしょう?
物を作る生産手段を労働者階級の人たちが所有していないから
だから支配される階級になってしまっているわけです。
だったら資本家階級から物を作る生産手段を奪い取って自分たち全体の所有にして

・そこで生じる富をみんなに平等で分配する
・社会革命を起こしていく
・行動する

そういうことを自覚できているのが対自的階級です。

よって対自的階級とは
自らの階級的位置を認識し階級対立について自覚している人々のことです。
ということは労働者階級が即自的な階級から対自的な階級に変わるわけです。

即自的階級から対自的階級に変わることによって
階級闘争が始まってプロレタリア革命を起こすことができるのです。
これがこの記事の結論です。

以上のようにマルクスさんは対自的な階級になることによって
自分たちが不利な状況に置かれている。
それをしっかりと認識して資本家階級に対して革命を挑んでいく。
そういう階級闘争を仕掛けることができるような人々に変わっていこうと
マルクスさんは呼びかけたということです。

以上で解説を終わります。